水槽に油膜が出たらどうすればいい?<トラブル解決>

油膜が出た
油膜が出た

自慢の水槽を眺める癒しのひと時。ふと水槽を上から見てみると……。

なんじゃこりゃ!水面にまるでスープのように油らしきものが浮いているではありませんか!

これでは、せっかくの水槽が一変して汚い印象に。生き物や水草たちに影響はないの?心配になりますよね。今回はよくあるこのトラブルの原因と解決策をご紹介します。

水面に浮かぶ「油」らしきもの

これは「油膜ゆまく」といいます。飼育水に何らのトラブルが起こっているときに発生することが多く、トラブルの指標になります。見た目の悪さと飼育する生き物への影響を考えれば、見つけ次第すぐに除去します。

こちらは立ち上げ中の水槽を上からのぞき込んだ写真です。お分かりいただけますでしょうか?黄色枠で囲った水面に漂う白いもやのようなもの。これが油膜です。この状態はコケやカビが発生しやすい環境となっていて、生き物にも悪影響を及ぼす可能性が高いです。

油膜の正体と発生する原因

このやっかいな油膜。いったい何者なんでしょう?実はこれ、水槽内の分解できていない余分なタンパク質や油分なんです。水槽内では、あらゆる栄養や有機物がバランスを保って存在しています。そのバランスが崩れている状態、何らかの原因で大量の有機物が発生していて分解できていない状態なのです。

具体的な原因は次のような事が挙げられます。

・水質が安定していない
・水草のトリミングや追肥料の影響
・水温の上昇
・流木やソイル、レイアウト素材から出るアクや有機物の影響
・生き物の死骸がある
・エサの与えすぎ

どうすれば油膜を除去できる?

一刻も早く除去したい油膜。どうすればいいのでしょうか?

用品を使って除去

今すぐに油膜を除去したい場合はこちらを使用しましょう。

油膜取りの使用

エーハイム スキマー 350
水面の小さなゴミや油膜を吸い込みスポンジフィルターで除去するサーフェススキマーです。吸い込んだ水を水中に戻す水流で、小さなゴミや汚れを水面に浮きやすくします。さらに水面近くに適当な水流を作り、水中の酸素を増やします。

給水部分が水面に合わせて上下3cm移動するので、水の蒸発による水位の変化にも対応。ポンプを内蔵、付属のキスゴムで設置も簡単です。水槽のサイズに合わせて流量調節もできます。淡水・海水両用です。

エアレーションの設置

油膜取りではポピュラーな方法です。発生する泡で油膜を壊し、フィルターでろ過して除去します。また、水槽内の酸素量を増やすことで好気性バクテリアが活発化し、有機物の分解を早めてくれます。

水心 SSPP―3S(エア量ダイヤル調整式)
静音性に定評のあるエアーポンプです。ダイヤルを回すとエアー量が調節できるので大変使いやすくなっています。

水流を変化させる

水面の水流を動かすと油膜が気にならなくなります。水面に浮いている油膜を水中に沈めて、フィルターで濾しとるイメージです。

フィルターから出る水の流れをゆるやかにする、エーハイム用のパーツです。コネクターの採用により、水の流れ出る方向を変えることができます。

適切な水温を維持しよう

前述した通り、高水温にはさまざまなリスクが生じます。以下の用品を活用して適温を維持するようにしましょう。

生き物の力を借りて除去……?

グッピーやモーリーの仲間は、上向きになった口で油膜を食べてくれるといわれています。実際は、エサを欲しがるしぐさやエサを食べるためにパクパクしているだけで、好んで油膜を食べているわけではありません。ただ、この動作のおかげで油膜が壊され、フィルターの生物ろ過の作用で結果的に油膜が少なくなっていることはあります。

美しく飼いやすい種類も多いので、油膜除去目的ではなく「油膜を食べてくれたらラッキー」ぐらいの気持ちでタンクメイトとして迎えてみてはいかがでしょうか?ただし、生き物が増えたことで与えるエサの量が増え、結果的に油膜も増えたなんてことにならないよう、導入するのは数匹程度が良いでしょう。油膜取りだけのために生き物を安易に増やすことはあまりオススメできません。

最優先で行うことは、やはり日々のメンテナンスを怠らないこと。これに限るでしょう。

ブラックモーリー

日々のメンテナンスを強化して除去

メンテナンスの頻度を見直そう

水換えや底床掃除など日々のメンテナンスをこまめに行いましょう。水槽内の有機物を減らすために日々のメンテナンスを強化していくことが大切です。生き物の数が多い水槽では、エサやりの頻度・量を控えめに。

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フィルターの掃除・チェックをしよう

また、フィルターの調子が悪くなっていて、ろ過が十分にできていないことも考えられます。フィルターやろ材の掃除・点検を行ってみましょう。

トリミング後の追肥料は控えよう

水草のトリミングをする場合は、一度にたくさんではなく徐々に行いましょう。また、トリミングを行った際の追肥料は控えましょう。「早く成長してほしい」という気持ちは痛いほど分かりますが、水草の総量が減っているということは必要な養分も減っています。ここで追肥料を行うと養分過多になってしまう可能性があります。水草の様子をよく観察し、肥料が必要なようであれば追肥料を行いましょう。

エサの種類・給餌頻度を見直そう

エサの与えすぎによって油膜が発生していることも多いです。給餌頻度・量をもう一度確認してみましょう。エサの種類の見直しも検討してみると良いかもしれません。魚を早く成長させたい時や稚魚の育成に使用されるエサには油分や粗富に含まれており、油膜を発生させやすいです。水を汚しにくい・消化に良いエサを使えば油膜発生のリスクを減らすことができます。

水槽内でレイアウト素材から出るアク・有機物の影響が出ていないか確認しよう

ソイルや流木をセットした直後も油膜が発生しやすくなります。有機物の蓄積も加速するため、見つけ次第撤去しましょう。フィルターが十分に機能していれば、解消することが多いです。水換えやフィルターのメンテナンスをしっかりと行いながら様子を見ましょう。

水草のトリミング後の過剰追肥も原因の一つですが、トリミングをしたことにより、水草から養分が流失して油膜やコケの原因となる場合もあります。また、レイアウト水槽では流木のたんぱくが腐って油膜になる場合も多いです。

生き物の死骸が残っていないか確認しよう

見えないところで『魚やエビが死んでしまっていた』ということが起こると思います。特に複雑なレイアウトでは死骸に気付きにくく、放置していると油膜が発生しやすくなります。水質悪化を引き起こすことも多いので、死骸は見つけ次第速やかに水槽から取り出しましょう。

水温が適切かどうか確認しよう

高水温になっていると油膜が発生しやすくなります。生き物が死滅したり、水草の枯腐やバクテリアの活動が緩慢になったりするなどリスクも高まります。後述しますが、ファンなどを使用して適温を維持するようにするほか、日頃の水温チェックを怠らないようにしましょう。

まとめ

アクアリウムを楽しんでいるとさまざまなトラブルに見舞われます。しかし、それは同時に自分が気づけなかったことに気づけるチャンスでもあります。ネガティブ要素を逆手に取って、より良いアクアリウム生活を目指しましょう!

最後までお読みいただきありがとうございました。

投稿者
T

1997年10月8日生まれ。愛知県出身。アクアリウムは初心者で、ビギナーの心に寄り添った記事を目指しています。自宅でフトアゴヒゲトカゲを飼育(8歳)趣味のオートバイはかれこれ6年目に突入。

ティーよりコーヒーが好き。

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