どうもほにゃらら sp.です。
今回は、クーラー接続の際の製品の選び方と製品同士の接続可否の判断方法についてご紹介したいと思います。
詳しい説明よりも先に、主な組み合わせ例を一覧にした適合表を掲載しました。
製品名をクリックするとチャームの商品ページに飛びます。
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主な組み合わせ例適合表
水槽サイズ | 30cm | 45cm | 60cm | 90cm | 120cm |
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クーラー | ゼンスイ TEGARU2 | ZR-mini | ZR-mini | ZR-mini | ZR-75E |
ポンプ | エーハイム コンパクトオンNEW300 50Hz/60Hz リオプラス400 50Hz/60Hz | エーハイム コンパクトオンNEW1000 50Hz/60Hz リオプラス1100 50Hz/60Hz | エーハイム コンパクトオンNEW1000 50Hz/60Hz リオプラス1100 50Hz/60Hz | リオプラス 2100 50Hz/60Hz | エーハイム コンパクトオン2100 60Hz リオプラス3100 50Hz/60Hz |
適合ホース径 | 12/16 | 16/22 | 16/22 | 16/22 | 19/27 |
※45cm水槽の水量は約33L前後ですが、ZR-miniは最低600L/hの流量がないと冷却性能を十分に発揮できないため、エーハイム コンパクトオン1000 を推奨しています。
どのようにして組み合わせが決まるのかというと、以下のリストが判断基準となります。
チェック事項はこの5点です。
この5点をチェックすれば、そのクーラーが水槽に合ったものなのか、そうでないのかを判断できるようになりますよ。
水槽の総水量を確認
クーラーを選ぶ前に、一番最初にすべきことは総水量の確認です。
水槽サイズでおおむね決まりますが、まずお手持ちの水槽が何L入るのかを求めなければ、最適なクーラー製品を選ぶことはできません。
総水量(L)については、水槽サイズが分かっていれば以下の計算式で求められます。
水槽幅(cm)×奥行(cm)×高さ(cm)/1000
この数字は水槽の縁いっぱい、なみなみと注いだ場合の数字です。
しかし、普通は満水まで注ぐことはなく、少し水位を下げると思います。
このため、今回はここで求めた数字に×0.9します。何cm下げるかによってこの数字は変わります。
今回は水槽の高さから、水位を1割下げた場合の数字を求めています。
これにより、実際の水量により正確に近い数字が出せるかと思います。
ここで求める水量はおおよその値で大丈夫です。
総水量が求まったら、次はクーラーを選びましょう。
クーラーの選び方
総水量を求めたので、次はその水量に合うクーラーを選びます。
まず、クーラーには大きく分けて2つの冷却方式があります。
チラー式
冷媒を内蔵したクーラーです。
コンプレッサー式とも呼ばれます。
この冷媒に飼育水を循環させることで、水温を変化させるというのがチラー式の冷却原理です。
冷蔵庫の冷却原理と同様で、安定した温度管理が可能です。
観賞魚用のクーラーとしては、最も高性能とされる冷却方式です。ある程度室温が高い環境でも有効です。
ペルチェ式
2種類の金属や半導体を電極でつなぎ、温度を変化させる「ペルチェ効果」を 利用したクーラーです。
電流の大きさや方向を操作することで、片方を発熱させてもう片方を冷却し、温度を変化させるのがペルチェ式の冷却原理です。
冷却ファンよりは冷却能力に優れますが、元々の室温が極端に高過ぎる場合は本来の能力を発揮できません。
水量とクーラーが決まったら、クーラーのスペック表にある「循環水量」と「対応ホース径」の2点を確認します。
今回は例として、アクロ60(幅60×奥行30×高さ36cm)に適合するクーラーを探してみます。
候補として、ZR-mini が見つかりました。
上述の2点を確認してみましょう。
循環水量の確認
循環水量は1時間で総水量×10以上 のものが適正クーラーの目安です。
ZR-miniの循環水量は600~1800L/h となっています。
例えば水量約58Lの60cm水槽であれば、580L/h以上の循環水量を持つ製品が適合製品となります。
従って、適合と判断できます。
逆にクーラーから適合水槽を判断することもできます。
例えばZR-miniの場合、循環水量が600~1800L/hとなっています。
この値を10で割ると、60~180。
つまり総水量60~180Lぐらいの水槽に適合するクーラーということになります。
なお、180L以上の水槽には力不足ですが、60L以下の水槽に使用する分には問題ありません。
しかし水槽サイズが極端に小さいなど、あまりにも対応水量がかけ離れている場合はオーバースペックとなります。この場合は、より小型のクーラーを探した方が良いかもしれません。
対応ホース径の確認
ホース径は一般に、12/16(内径12mm、外径16mm)か、16/22(内径16mm、外径22mm)のどちらかである場合がほとんどです。両方使える製品もあります。
どちらに適合するのか、あるいは両方に適合するのかは、クーラーの仕様に記載があります。これを確認しましょう。
※大型クーラーでは、19/27(内径19mm、外径27mm)が適合する場合があります。
ZR-miniの場合、12/16、16/22どちらのホース径にも適合します。
クーラーに合ったポンプを選ぶ
水槽とクーラーが決まったら、次はクーラーに接続するポンプを選びます。
クーラーのスペック表にある「循環水量」と「対応ホース径」に適合したポンプを探しましょう。
クーラーの循環水量が、流量の範囲内にあるポンプが適合品です。
ポンプの「流量」に着目し、この範囲内にあるものを選びましょう。
数字が大きければ大きいほど、水を循環させる力が強くなります。
ただし、あまり強すぎるポンプを選んでも、冷媒との接触時間が短くなるため十分に冷却されません。
ポンプの流量は、水槽の総水量×10を目安として1割程度上回るものを選ぶのが良いでしょう。
選び方の例
例えば水槽が総水量58Lで、クーラーの流量が600~1800L/hであった場合、理想的なポンプの流量は600~638L/h程度のものが適します。
この600という数字はクーラーを運転するために必要な最低流量です。
638という数字は総水量58Lに10を掛け、1.1倍した数字(58×10×1.1=638)です。
なお、ポンプには50Hz/60Hzの指定がある場合があります。
東日本/西日本専用となる製品が少なくないので、ご購入の際は間違えないようご注意ください。
クーラー容量>ポンプ流量>水槽容量×10
上記の関係になる組み合わせを選ぶと良いでしょう。
今回は東日本で使用する想定で、候補を2つ見つけました。
エーハイム コンパクトオン600
エーハイム コンパクトオン1000
どちらも、適合となる流量600~638L/hの範囲を満たしています。
使用自体はどちらも可能ですが、どちらかといえば「エーハイム コンパクトオン1000」のほうがオススメです。
というのも、「コンパクトオン600」の場合は最大流量が600L/hとなっているからです。
最低でも必要な流量600L/hの条件を満たしてはいますが、経年劣化するとこの流量が維持できなくなる可能性があります。
ポンプは経年劣化により流量が低下するため、少し余裕のある製品を選んだ方が安心です。「コンパクトオン600」を「ZR-mini」で使用する場合、新品での使用は一応できますが、流量がギリギリなので将来性に不安があります。
この点、「コンパクトオン1000」は流量が400~1000L/hとなっています。
最大流量1000L/hと余裕があり、多少の経年劣化があったとしても600L/hを下回ることはそうそうないでしょう。流量は範囲内で調節ができるので、630L/h程度に調整すると良いです。
経年劣化を考慮すると「コンパクトオン1000」のほうがオススメできます。
ホースと配管
ここまで来ればあともう少し。
クーラーとポンプを接続する配管を選んでいきましょう。
90cmを超える大型水槽でなければ、基本的に12/16か16/22のどちらかになることがほとんどです。
今回の例では「コンパクトオン1000」と「ZR-mini」を接続してみましょう。
対応ホース径を確認します。
「コンパクトオン1000」はホース径16/22,19/27対応です。
一方で、「Zr-mini」はホース径12/16,16/22に対応します。
このことから、両製品に共通するホース径は16/22です。
接続用の配管・ホース類は16/22対応のものをそろえるべきということが分かりますね。
配管は、次のアイテムをそろえます。
今回は16/22対応です。
接続は次の流れで行います。
- ホースを適当な長さに切り、ポンプと吸水パイプを接続します。
- ホースを適当な長さに切り、吸水パイプとクーラーの吸水口を接続します。
- ホースを適当な長さに切り、クーラーの排水口に接続します。
- クーラーの排水口に接続したホースを、オーバーフローパイプに接続します。
- ポンプを水槽内に設置し、運転を開始させます。
- クーラー内に水が引き込まれたことを確認してから、クーラーを運転させて完了です。
ヒーターの接続
クーラーの中には、ヒーターと接続可能な製品もあります。
水温を下げたいのに、水温を上げるヒーターを接続するの?と疑問に感じる方もいるかもしれません。
実はクーラーは単体で使用すると、設定した値よりも水温を下げすぎてしまうことがあるのです。
海水魚やサンゴでは特に重要
熱帯魚は全般的に、高すぎる水温は苦手です。
と同時に、低すぎてもダメージを与えます。
水温が20℃を下回ると、目に見えて弱りだすことが多いです。
また特に、熱帯の海域に暮らす海水魚やサンゴでは、水温の下がりすぎは致命的なダメージをもたらす場合があります。
ヒーターを接続することで、水温が下がりすぎてしまっても保温できるようになり、その結果設定した水温を維持しやすくなります。
熱帯魚の場合、多くの魚種で25℃前後の安定した水温が良いとされます。
理想的な設定温度は飼育している魚種により変わってきますが、25℃を標準として考えると多くの魚種に対応できるでしょう。
クーラーにヒーターを接続する場合、「サーモスタット接続用」の温度制御機能を持たない製品を選びましょう。
ヒーターを接続可能なクーラーは、本体がサーモスタットに相当する機能を持っています。
オートヒーターなど、単体で温度制御機能を持つ製品を接続してしまうと、クーラーの温度制御機能と競合して正確な温度管理ができず、故障の原因になることがあります。
絶対につながないでください。
また、接続する際はクーラーの接続許容W数も確認しておきましょう。
例えば300W以下と記載がある場合、300W以下の消費電力を持つヒーターを接続してください。
▼サーモスタット接続用ヒーターはこちら
オートヒーターなど単体で温度制御機能を持つヒーターをお持ちの場合は、クーラーには接続せずに、それぞれ独立して稼働させてください。
いろいろな接続方法
ここまでうまくできれば、基本的なクーラーの選び方と接続はマスターしたと言えます!
「総水量」「循環水量」「対応ホース径」この3つが重要なキーワードです。よく覚えておきましょう!
ここで紹介したのは、最も基本となる水中ポンプに接続する方法でした。
その他にもいくつか接続方法があるので紹介します。
いずれもポンプ部分が差し変わるだけで、製品の選び方などの基本的な考え方は共通です。
適合の可否は「総水量」「循環水量」「対応ホース径」の3点を確認してください。
以上でクーラーの基本はばっちりマスターです!
この記事でクーラー選びの疑問が解消されましたら幸いです。
ここで紹介した以外にも、ポンプとクーラーの組み合わせは用途によってさまざまです。
お好みの組み合わせを探してみるのも良いでしょう。
良かったらこちらも参考までにどうぞ。
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