アクアリストなら誰もが経験するであろう「我が家の魚の飛び出し事故」。自宅から帰ってきたら水槽にいるはずの魚がいない!急いで探してみたら床に横たわって干物になっていた・・・。なんて悲しい出来事がこれ以上増えないよう、飛び出すことの多い魚種をピックアップ!予防策や対処法もご紹介します!
ドジョウの仲間
ドジョウの仲間はとにかく飛び出しやすい魚種の一つです。特に小型のドジョウは、呼吸をしに水面に上がってくる際に勢い余って……というケースがド定番。何かの拍子に驚いてパニックになってしまった末にという事例もあります。臆病な性格なので、騒音や振動など人間が気を付けられるところは極力意識しましょう。
ハチェットの仲間
ハチェットは水槽内の上層を遊泳域とするカラシンの仲間です。小型でコミカルな動きがかわいらしく、群泳させると大変美しいことから人気の魚種です。その一方で上層を泳ぐ性質・臆病な性格と、飛び出しやすい条件がそろっている種類でもあります。
エビの仲間
コケ取りの名人ミナミヌマエビやヤマトヌマエビ、トゲナシヌマエビなどのエビの仲間は飛び出し事故の例が非常に多い種類の一つです。特にヤマトヌマエビ・トゲナシヌマエビは渓流に生息しているため歩行能力が高く、湿った陸上も歩くことができます。混泳魚に追い掛け回されるなどして、エアチューブや水面近くの水草をよじ登って脱走してしまいます。体が小さいので気付かれにくく、飛び出し事故が起こってから数日後に見つかることも多いです。
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カノコ貝の仲間
カノコ貝の仲間は湿った場所であれば陸上でも移動できます。特に陸棲が強い種類では、水上に出て活発に動きまわることが可能です。脱走しても、貝がらにフタをして、乾燥から自分の身を守るので、一晩程度ならすぐに水槽に戻してあげれば一命をとりとめる可能性が高いです。「何度も脱走されて大変」という方は石巻貝やフネアマ貝などの脱走しにくい種類を飼育するのが良いでしょう。
ハゼの仲間
愛らしい顔つきとコミカルな動きが人気のハゼの仲間。水槽の縁から水位までの距離までが短いとよく飛び出す傾向があります。他にも音や振動などに驚いた時にも飛び出します。ボウズハゼの仲間は、上流を目指してのぼっていく習性があるため、特に飛び出しやすい種類です。フタのない水槽では、導入して翌日には干からびてしまっていることも・・・。水位をある程度下げることで、飛び出す確率を下げることができます。
スネークヘッドの仲間
スネークヘッドの仲間はエラ呼吸だけでなく、口から空気を取り込んでの呼吸もできます。呼吸の際に、勢い余って飛び出すことが多いです。何かに驚いた拍子に飛び出してしまうことも少なくありません。本種は最低でも15cmに成長する中型から大型の魚種です。飛び出してしまった日にはショックと不安で眠れなくなってしまいそう。先述したように、口から空気を取り込んでの呼吸も可能なので飛び出してもしばらくは生存している可能性があります。水槽内にいないと思ったらすぐに周辺をくまなく探しましょう。
ポリプテルスの仲間
「古代魚」と呼ばれる魚の一種です。肉食魚ながら温和な性格でタンクメイトとしても最適。ワイルドな外見とは裏腹に飼いやすい種類も多いことから人気があります。こちらも飛び出し事故が多いのですが、細長い体で非常にジャンプ力があるため、まるでミサイルのように小さな隙間からでも飛び出してしまうことで有名です。こちらの仲間もスネークヘッドの仲間と同様に空気呼吸ができるので、早期発見できれば一命をとりとめられるかもしれません。
アロワナの仲間
愛好家でなくとも、熱帯魚といえばこの魚を思い浮かべる方も多いくらい有名な魚ですよね。飛び出した姿を目の当たりにすると精神的ショックが非常に大きいです。基本的に水面の落ちた生き物や水面近い水上の生き物を獲物とするため、エサを与える時にも飛び出し事故のリスクがあり注意が必要です。
飛び出し事故を防ぐには?
大切にしていた魚が、急に水槽のどこにもいなくなってしまうことは焦り・不安・ショックでいっぱいになりますよね。なにより、飛び出し事故に立ち会える確率は極めて低く、気づいたときには手遅れになっている事がほとんどです。悲しい事態になってしまわないようにあらかじめ予防策を立てておきましょう!
フタを付ける
これはもはや大前提と言えるでしょう。水槽用のフタを使用することで万が一の事故を防げる可能性が飛躍的に高くなります。フタを設置する際はもちろん水槽サイズに合ったものを使用しましょう。力の強い中型魚以上の飼育であればフタの上に重しをのせるなどするとさらに効果的です。
隙間を埋める
水槽用のフタを設置するとどうしても隙間が空いてしまします。この程度の隙間であれば大丈夫だろうという考えは危険です。小型魚であれば、細い隙間からでも飛び出してしまいます。それを防ぐためにも「フタ受け」を活用しましょう。こちらを使用することで、思わぬ飛び出し事故を未然に防ぐことができますよ。こちらも、水槽サイズにあったものを選びましょう。
フランジ付き・フレーム水槽を使用する
チャームのオリジナルブランド「アクロ」からは、地震対策仕様として、フランジ付きの水槽がリリースされています。この水槽を使用すれば、フタ受けを別途で購入せずに水槽に隙間ができる心配もありません。
30cmキューブ
45cm
60cm
フランジ付き水槽はちょっとお高め、という方には安価で飛び出し防止効果の高い「フレーム水槽」がオススメです。各メーカーからリリースされており、ラインナップが豊富な点も1つの魅力と言えるでしょう
振動や大きな音に注意を払う
水槽のある部屋では、大きな物音や振動に注意しましょう。といっても、生活している上では必ず起こってしまいますし、いつ起こるか分かりませんよね。そのため、水槽を設置する部屋選びが非常に重要です。自分が生活していて一番静かなところはどこか?それを意識して水槽を設置しましょう。これが難しい場合には、衝撃吸収マットなどを活用して可能な限り水槽に影響を与えない工夫をするのも一つの手です。
目の前で魚が飛び出した!どうすればいい?
どんな対策を講じても、トラブルは起こってしまうもの。実際に魚が飛び出す場面に遭遇したら、どうすればよいのでしょうか?
アミや濡れタオルを使う!
目の前で魚の飛び出し事故を目撃したら「早く水槽に戻してあげなきゃ!」という気持ちから素手でつかもうとする方は多いのではないでしょうか?
素手では魚の表皮から分泌される粘液のせいで手がすべってうまく掴めません。それどころか、人間の体温で魚がやけどしてしまったり小型種だとつぶしてしまう可能性があります。
魚を拾い上げる時は、水に濡らしたアミやタオルなどを魚にそっと被せてその上から掴みましょう。こうすると、魚への負担を軽減させると同時に素早く水槽に戻してあげることができます。
水槽に戻したらよく観察!トリートメントの検討も
飛び出し事故に合った魚は、ヒレが傷んでいたり鱗が剥げてしまうことがあります。放置すると病気の発症につながる事が多いです。ダメージを確認したら、別水槽にて細菌性の感染症を防ぐ魚病薬を使用してトリートメントを行いましょう。
粘膜保護剤の入った添加剤も効果的です。一見元気そうに見える場合でも最低限このような添加剤でのケアがオススメです。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
魚の飛び出し事故は魚が助かる確率が非常に低い悲惨な事故です。悲しいことになってしまわないよう、しっかりと対策をして楽しいアクアリウムライフを送ってくださいね!
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