こんにちは、メダカ担当のスズキです(魚ではありません、人間です)。
世の中のメダカブームに乗ってメダカを飼い始めた人も多いのではないでしょうか。
「メダカの教室」は、そんなビギナー向けのなるほどシリーズです。
今回の授業は、メダカの稚魚の選別方法について。
選別といってもオスメスを分けるだけではありません。
より優秀な次の世代を残すこと、生存率や成長効率アップにもつながる重要な作業なのです。
稚魚の選別は何のため?
前回の授業では、ふ化から稚魚のお世話についての話でした。
ふ化して数週間たつと、次第に体形やサイズに差が生じてきます。体形の良いものは泳ぎもしっかりしている一方、良くないものは泳ぎも安定しません。
また、品種によっては、その種が持つ体色やヒレの長さも違ってきます。
すでに表れている容姿は今後、変わることはあまりありません。ほぼ将来の姿であると思って良いでしょう。
将来、親メダカになったとき、今の姿が次の代に受け継がれると考えたら……。
より形の美しい親の子を残したいですよね。
つまり、稚魚の選別は「優秀な親メダカ候補を選ぶ」ために行うというわけです。
また、前回の授業ではサイズ差によって稚魚の共食いが起こることに触れましたが、
それを防ぐためにも選別は有効です。
前回の復習はこちら
稚魚を選別する時期
メダカの成長速度は生まれたタイミング、水温で変わってきます。
たとえば春生まれのメダカは、成魚になるまでに約3カ月かかりますが、
夏生まれのメダカは水温が高いために約2カ月で成魚になります。
サイズや体形、見た目の良し悪しで選別するなら稚魚の段階で、
オスメスで選別するなら成魚になるころに行うのが良いでしょう。
稚魚を選別するポイント
メダカは横見というよりも、どちらかといえば上見で楽しむ生き物です。
容姿で選別する際は、横から見たとき、上から見たときの両方でチェックすると良いでしょう。
優秀な親メダカ候補を残す【見た目の良し悪しで選別する】
以下のチェックポイントを参考に、あてはまったメダカをはねる(取り除く)と効率が良いです。
見た目の悪さは、骨格異常や内臓疾患からくる場合があり、遺伝する可能性も高いと考えられます。
健康で美しいメダカであるほど、親メダカの最有力候補となり得ます。
上見でチェックするポイント
以下にあてはまったらはねます
- 背骨が曲がっている
- 左右対称でない(目・胸ビレ)
- 泳ぎ方がフラフラしている
横見でチェックするポイント
以下にあてはまったらはねます
- エラ蓋が開いている
- 頭の形がデコボコしている、へこんでいる
- 口が歪んでいる
- ヒレが切れている
- ダルマ体形でない(普通種の場合)
ダルマ体形とは、体長が短いものをいいます。メダカは体長で区分すると、普通種体型、ショート(長い)、ショート(短い)、半ダルマ、ダルマ、ダルマ(上物)と分けられます。
どれも大差ない?そんなときは……(普通種の場合)
体色の良いメダカは、腹部のラインに沿って色がのっています。鮮やかに発色しているかどうかを見ると違いがわかるでしょう。
成長効率、生存率を上げる【サイズ別に選別する】
体が小さな稚魚は、大きな稚魚にエサを取られている可能性が高いです。
また、共食いに遭うリスクも高くなります。
成長効率、生存率を上げるにはサイズの大小で選別すると良いでしょう。
繁殖させる【オス・メスで選別する】
オス・メスは、成魚になる頃に判別できるようになります。典型的な見分け方を紹介しましょう。オスとメスはヒレの形に違いが現れるため、横から見て判別します。
尻ビレに注目してみると、オスは平行四辺形、メスは台形に近い形をしています。また、オスの方が尻ビレが大きいことがわかります。
背ビレに注目すると、オスには切れ込みがありますが、メスにはありません。
腹ビレを見て丸みがあるのがオス、とがっているのがメスという判断の仕方もあります。
稚魚の選別に便利なアイテム
選別にあたっては、あらかじめアイテムをそろえてから行いましょう。
ここでは、選別に便利なアイテムをご紹介します。
容器:場所を増やさず分けて飼育できる
ネット:デリケートなメダカをやさしくすくえる
1本あれば何かと役に立つと評判です。
メダカの選別に活躍します。
選別をするときに気を付けること
網が乾いた状態でメダカをすくってはいけません。
一旦、網をぬらしてからすくいましょう。
メダカに負担をかけないよう、選別作業は手早く行います。
選別にもれたメダカを自然下に放流しないでください。
まとめ
今回は、メダカの稚魚の選別方法についてお届けしました。
選別もれのメダカが出てしまっても、自然下への放流は絶対にやめてくださいね。
それでは次の授業をお楽しみに!
<メダカの教室バックナンバー>
1限目 5分でわかる!メダカの採卵
2限目 5分でわかる!メダカのふ化と稚魚のお世話
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