5分でわかる!メダカの繁殖と品種改良のポイント<メダカの教室5限目>

メダカ
メダカメダカの教室活用テクニック

こんにちは、メダカ担当のスズキです(魚ではありません、人間です)。
世の中のメダカブームに乗ってメダカを飼い始めた人も多いのではないでしょうか。
「メダカの教室」は、そんなビギナー向けのなるほどシリーズです。

今回の授業は、メダカの繁殖について。メダカ飼育の醍醐味ともいえるテーマです。
繁殖の条件から効率良く繁殖させるポイント、品種改良のポイントまで解説します。

メダカは生後3カ月で繁殖が可能

3限目の授業は、メダカの選別方法についての話でした。
選別する目的はいくつかありますが、最大の目的は「優秀な親メダカ候補を選ぶ」こと。
すなわち、健康で美しいメダカを選別するために上見、横見でポイントを解説しました。

3限目の復習はこちら

優秀な親からどんな子メダカが誕生するのか。想像するだけでワクワクしますよね。

メダカの成長スピードはとても速く、ふ化して3カ月もたてば繁殖が可能になります。
産卵シーズンは日照時間が長く、水温が高い春から秋です。メダカは産卵回数がとても多く、年間70回ほど産卵するといわれています。
1回の産卵につき卵の数は10~50個で、初産だと卵の数は少なくなるようです。

メダカの繁殖に必要な条件

メダカの繁殖には①日照時間、②水温、③栄養状態が関わっています。
健康的で美しいオス・メスがいて、条件が整っていれば高確率で繁殖を期待できます。
条件をそれぞれ詳しくみていきましょう。

条件1:日照時間が1日13~14時間ある

自然下のメダカは立春を過ぎた頃から産卵するようになります。これは、メダカが日照時間で繁殖の時期を判断しているためです。立春は昼と夜の長さがほとんど同じで、夏至に向かって次第に長くなります。夏至で日照時間はおよそ14時間です。

飼育下においても、飼育容器は日当たりの良い場所に置いて日照時間を確保するようにします。
室内飼育で日光が当たりにくい場合は、照明を使って水槽を照らしてあげましょう。

条件2:水温が20℃以上である

水温が低いとメダカはじっとして、エサもあまり食べません。仮に産卵しても、効率の良いふ化は期待できないでしょう。

メダカは水温が18℃以上になると活発になります。自然下のメダカが立春を過ぎた頃に産卵するのは、日照時間が長くなって水温が上がってくる(18~20℃)ことも関係してきます。

ふ化のことを考えてもやはり水温は20℃以上になるよう管理したいところです。また、水温は30℃を超えないよう注意してください。

条件3:栄養状態が良く、体力がある

産卵には大きなエネルギーを必要とします。親メダカの栄養状態は、産卵回数や産卵する卵の数、生まれてくる稚魚の状態にまで影響を及ぼします。栄養状態が悪ければ、そもそも産卵をしないかもしれません。親メダカにはしっかりとエサを与え、栄養と体力をつけてあげましょう。

エサも繁殖用を選ぶのがオススメです。

産卵に備えて産卵床を入れておきましょう

効率良く繁殖させるポイント

水槽にはオス1:メス3を入れる

メダカにも相性があります。繁殖を狙う場合、オス1:メス3の割合で水槽に入れるとその中から相性の良いメダカ同士でペアになり、繁殖行動に至ります。

なお、メダカのメスはオスを視覚で見分けており、見慣れたオスの方が求愛を受け入れるまで時間がかからないとされています。

メダカの生活リズムを整える

人が健康でいるためには、規則正しい生活を送る必要がありますよね。
メダカにも同じことが言えます。

メダカは早朝に産卵を行います。特に屋内飼育の場合は、昼夜の区別がつきにくくなります。夜は部屋の明かりを完全に消して、昼夜をハッキリさせてください。

照明の消し忘れ対策にはタイマーがおすすめ。設定した時間でスイッチの切り替えができ、節電にも有効です。

飽和給餌で栄養と体力をつける

繁殖を目指す場合、メダカにはしっかり栄養と体力をつけさせるために「飽和給餌」を行いましょう。飽和とは最大限、それ以上増やすことはできないという意味で、限界量までエサを与えるというわけです。一度に大量のエサを食べることはできないため、同じエサであれば3~5倍の量を小分けにして与えていきます。次第にメダカがまるまると太っていくのが分かるでしょう。

ただし、エサの量が増えた分、水が汚れやすくなります。ろ過が間に合っていなければワンランク上のフィルターを使うなどの対応が必要です。

そこでおすすめなのがミジンコなどの生餌です。生餌であることから食べ残しても水が汚れにくい、屋外飼育ならミジンコそのものをどんどん増やせるメリットがあります。

繁殖のために必要なアイテム

繁殖用セット・ペアも取り扱っています

品種改良に挑戦してみよう!

メダカ飼育の醍醐味は、品種改良という人も少なくありません。
何度か繁殖に成功したら、自分だけのオリジナル品種づくりに挑戦してみませんか。
品種改良に必要なのは、知識(メンデルの法則)と観察力、根気です。

まずは自由に楽しんでみる

挑戦してみたいけれど、なんだか難しそうだなぁ……。
はじめのうちは、好きな品種同士を交配させて自由に楽しんでみると良いでしょう。

いろいろなパターンで交配していくうちに、相性の良い表現・相性の悪い(同時に出すことができない)表現が分かってくるはずです。

F1から遺伝する代表的な形質

親メダカが持っている形質は、必ずしも子メダカ(F1)に現れることはありません。
それでも、一部にはF1から現れる形質(顕性形質)もあります。
すぐに結果を出したい場合、F1から現れる形質から選んでみると良いでしょう。

F1から現れる形質一覧
・透明鱗
・体外光
・体内光
・ラメ
・松井ヒレ長
・リアルロングフィン
・ヒレ光(モルフォ)

体色や形質の組み合わせによって相性の悪いものもあります。
(ここでは、紅白や斑、ヒカリ体型は除いています。)

相性の悪い形質と体色

透明鱗×ラメ
透明鱗×半透明鱗
半透明鱗(オーロラ)×パンダ(透明鱗のため)
ラメ×ヒレ長 
※ラメは乗るがヒレが伸びにくい、ヒレが伸びるがラメが乗りにくいといわれています。
ラメ×黄体色、茶体色、朱赤体色
体外光×黄体色、茶体色、黄金体色、コハク体色、朱赤体色
※体外光×朱赤系は改良メダカブームの前から挑戦していますが、未だに成功者はいません。
体内光×黄体色、茶体色、ブラック体色、黄金体色、コハク体色、朱赤体色
ヒレの変化×ヒレの変化
※ロングフィン×スワロー、モルフォ×ヒレ長などは相性が悪いといわれています。

相性の悪い基本品種と形質

黒メダカ×体内光
白メダカ 特になし
青メダカ 特になし
ヒメダカ×体外光、体内光、ラメ

積極的に情報を集める

品種改良は非常に奥の深い世界です。
分からないことは生産者や愛好家の人に聞く、SNSを有効に使って情報を集めると良いでしょう。
メダカを通じて同じ趣味仲間を増やしていく……そんなこともできるのもメダカ飼育の楽しみではないでしょうか。

必ず実行したい!品種改良における大事なポイント

・親メダカの組み合わせは必ずメモに残しておく
→交配はオスとメス1匹ずつの1ペアで行うようにします。

・容器はたくさん用意しておく
→ペアごとに容器が必要になります。

改良メダカの歴史についてはこちら

まとめ

今回は、「繁殖」についてお届けしました。
メダカの飼育は単純なようでとても奥深いものなんです。
それでは次の授業をお楽しみに!

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