黒メダカ<改良メダカ解説>

メダカ
メダカ

どうも、ほにゃらら sp.です。

今回ご紹介するのは黒メダカ。

品種改良がなされていない、野生のメダカと同じ体色をしたものがこの黒メダカです。

見た目は野生のメダカと同じですが、完全に同じものではありません。
ここ、後々重要になるので覚えておいてくださいね。

最も野生個体に近い表現を持つことから、自然な雰囲気のビオトープを再現したい場合には人気のメダカです。

黒メダカとは

基本情報
飼育しやすさ★★★★★
とても容易
入手しやすさ★★★★★
よく見かける
維持しやすさ★★★★★
とても簡単
最大体長3~4cm程度
適正水温5~28℃
作出年
表現系の構成要素黒体色(野生型)

黒メダカはすべてのメダカの原型ともいえる品種です。
メダカの体色の遺伝において、いうなればデフォルト、初期色と呼べる色彩がこの黒メダカです。

メダカの色素細胞は黒、黄、白、虹の4色あり、黒メダカの色彩はこのうちすべての色素細胞がそろっている状態です。

すべての改良メダカはこの黒メダカから生じた突然変異個体をベースに作出されています。

このため、改良メダカとしては起源という位置付けにあります。
野生のメダカそのものの体色をしているため、改良品種としてよりも自然のメダカが泳ぐ姿を楽しみたいという方にはぴったりといえるでしょう。

その性質上どちらかといえば、睡蓮鉢やビオトープで親しまれることの多い品種でもあります。

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飼育のコツ

黒メダカを上手に飼育するためには、次のポイントを意識すると良いでしょう。

観賞スタイル

上見、横見、どちらでも観賞が楽しめます。

野生の姿そのままのメダカを飼育してみたい方にはおすすめです。

容器

黒系の容器が良いでしょう。

白系の容器で飼育すると色味が飛んでしまいます。
黒い容器で飼育したほうが、本来の発色が引き立ちます。

黒容器での飼育がおすすめです。
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エサ

餌に関しては特別な注意事項はありません。
一般的なメダカ用のエサで大丈夫です。

エサは特別こだわらなくてもOK
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黒メダカは野生のメダカではない

黒メダカについて、一つ重要なことを知っておきましょう。

黒メダカは、野生のメダカと同じ体色を持った品種です。
外見でこそ区別はつきませんが、野生のメダカではありません。

黒メダカならではの特性

黒メダカはその他の改良メダカとの飼育を比べると、いくらか独自の特性があるように感じられます。

警戒心が強い

黒メダカは他の改良メダカに比べると、若干人に慣れにくい傾向があります。
慣れるまではすぐに物陰や植物に隠れます。

もちろん、時間をかければ人に慣れます。
他の改良品種と混泳させると、人に慣れやすくなるようです。

丈夫で病気にかかりにくい

もともとの性質なのか、他の改良メダカに比べると強健です。
元々メダカは丈夫で飼いやすい魚ですが、黒メダカはさらに丈夫です。

ただし、水カビ病はよく見られる傾向があります。
強健であるがゆえに水カビが多少ついたぐらいでは平気なのか、あるいは後述の遊泳性が高い点がスレやすい原因になっている?のかもしれません。

遊泳性が高く、多少の水流にも負けない

一般にメダカは水流を好みません。
しかし、黒メダカに関しては多少の水流は平気なようです。

半面、飛び出し事故も多いです。
屋内の水槽で飼育する際は、フタをしておいた方がよいでしょう。

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放流について

たとえ野生のメダカと同じ色をしていても、絶対に放流してはいけません。
自然を豊かにするつもりが逆に外来種として交雑の問題を引き起こすなど、目に見えない形で自然を破壊してしまう結果になり得ます。

なお野生のメダカから殖やした個体であったとしても、基本的に放流してはいけません。

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バリエーション

黒系メダカには大きく分けて2つのパターンあります。

1つは野生のメダカと同じ体色をしたもので、これが黒メダカとよばれるものです。
もう1つは黒い発色を強調したタイプで、「〇〇ブラック」「オロチ」などの名前で呼ばれるものです。

前者は野生のものと同じ体色なので、改良メダカとしては品種開発が盛んではありません。
一方で後者は様々な派生系が作出されています。

ここでは後者のうち、基本となる2品種を紹介します。

小川ブラックメダカ

黒メダカよりもさらに黒い発色を追求した品種です。

このタイプの発色を持つ品種は複数おり、総じて野生の体色を持つ黒メダカと区別する意味でも“ブラック系”と呼ばれることがあります。

白い容器で飼育すると色が抜けてしまいやすいので、黒い容器で飼育することが強く推奨されます。

小川ブラック 横見
しっかりと黒みが強い
黒メダカ 横見
黒というよりは茶色に近い

オロチメダカ

多くの黒系メダカがいる中で、最も黒いとされている品種です。

黒系メダカの多くは黒い容器で飼育することで真っ黒の姿を見せるものの、黒い容器以外では色が抜けてしまい真っ黒のものは見られませんでした。

しかし、オロチは背地反応しないため、どんな容器に入れても色が落ちません。
白い容器で飼育すると、他の黒系品種との差が際立ちます。

目の周りやヒレなどを含み全身が黒くなるので、まさに黒を極めたメダカといえるでしょう。

オロチメダカ 横見
全身真っ黒です。

黒メダカ まとめ

黒メダカ。

すべてのメダカの中で最も基本形となるメダカです。
野生のメダカと同じ体色をしているため、自然の風景を再現したビオトープには良く似合うといえるでしょう。

一方で、見た目が同じなだけで野生メダカではありません。
殖やした個体なども絶対に放流してはいけません。

自然の原風景の再現を重視したビオトープなどで、飼育を楽しんでくださいね。

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投稿者
ほにゃらら sp.

福島県産のワイルド個体。
ロカリティの詳細は残念ながら記録がない模様。
アクアリウム歴はだいたい20年くらい。
「同属内で多様なバリエーション」が好き。若干コレクター気味。
つまりコリドラスや、ミクロソリウムが最高。ということですね。

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