どうも、ほにゃらら sp.です。
今回は淡水フグから見た、主要な熱帯魚との混泳相性を早見表にしてみました。
淡水フグとそれ以外の熱帯魚を混泳させる際の判断の目安にご活用ください。
混泳における淡水フグの傾向
混泳適性:×
淡水フグはその名の通り、淡水域に適応したフグの仲間です。
フグの仲間は大部分が海水魚ですが、特にユーラシア大陸には淡水性の種も数多く分布しています。
人によく慣れ頭も良く、愛嬌を振りまくので人気のグループですが、基本的に強い攻撃性を持ち、全くもって混泳に向かない熱帯魚の代表です。
淡水フグの仲間は、単独飼育が原則となります。
淡水フグ代表 アベニー・パファー
例えば淡水フグで最も人気といえるアベニー・パファー。
同種間、他魚に対しても非常に気の荒い部分を見せ、ヒレをかじることがあります。
アベニー・パファーは超小型種なので、本種よりサイズの大きい魚とであれば混泳が可能な場合もあるものの、水草をよく茂らせておくなど隠れ家がないとすぐにケンカしてしまいます。
また、対策をしても混泳のリスクは高めです。
トラブルを絶対に避けたいのであれば、アベニー・パファー単独で飼育したほうが安心です。
汽水フグ代表 ミドリフグ
一口に淡水フグといっても、本来は汽水域に分布しており、汽水での飼育が適切な種も多いです。
例えば淡水フグの中でも知名度が高い「ミドリフグ」は、純淡水での飼育は適しておらず汽水での飼育が適切です。
※ミドリフグとして流通する種には複数種知られています。
種によって性質が異なりますが、ここでは最も流通が多くみられる”Tetrandon nigroviridis” を対象とします。
淡水フグとして販売されている種であっても、種によって好む水質は大きく異なります。
少なくとも純淡水で飼育可能な種なのか、汽水での飼育が適切な種なのか、良く調べてから飼育しましょう。
汽水域に生息する種は一時的に純淡水に耐えられることはあっても、長期間耐えることはできません。
純淡水での飼育では、短命に終わってしまうことが多いです。
汽水の作り方は、人工海水を規定量より少なめに溶かして作ります。
例えば海水の1/3の塩分の汽水を作りたい場合は、製品に記載のある規定量の1/3の量を真水に溶かせばOKです。
ミドリフグは混泳に関して、全く不向きと言えます。
単独飼育が良いでしょう。
水質ごとの代表魚種
▼淡水フグの基本的な情報はこちら
混泳相性一覧表
混泳相手 | 混泳相性 | 備考 |
---|---|---|
グッピー | × | 淡水フグが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。 |
プラティ・卵胎生メダカ | × | 淡水フグが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。 |
カラシン・小型テトラ | × | 淡水フグが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。 |
コイ・ラスボラ | × | 淡水フグが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。 |
ローチ・ボーシャ・タニノボリ | × | 淡水フグが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。 |
フライングフォックス/アルジイーター | × | 淡水フグが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。 |
ドワーフシクリッド | × | 淡水フグが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。 |
アフリカンシクリッド | × | お互いに激しく攻撃し合うため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。 |
エンゼルフィッシュ | × | 淡水フグが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。 |
ディスカス | × | 淡水フグが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。 |
ベタ・グラミー・アナバス | × | 淡水フグが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。 |
コリドラス | × | 淡水フグが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。 |
オトシンクルス・ロリカリア | × | 淡水フグが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。 |
プレコ | × | 淡水フグが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。 |
レインボーフィッシュ | × | 淡水フグが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。 |
ハゼ・ゴビー | × | 淡水フグが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。 |
フグ・パファー | △ | お互いに攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。 小型種であれば、同種同士なら混泳可能な場合もあります。 |
エビ・ビーシュリンプ | × | エビはフグ類にとって大好物です。 もはやエサでしかありません。 |
混泳できることもある淡水フグ
基本的に淡水フグの仲間は混泳に向きません。
ですが、一部の淡水フグの仲間には比較的温和とされる種類もいます。
温和な性格の個体を引き当て、ポイントを抑えると混泳できる場合がある種類を紹介します。
いずれにせよ他魚種に比べ、混泳のリスクは高めです。
トラブルを避けたい場合は、単独飼育を推奨します。
アベニー・パファー
学名:Carinotetraodon travancoricus
Tetraodon travancoricus
淡水フグの代表種です。
淡水フグの中でも世界最小の種で、最も人気で入手しやすいのは本種といえるでしょう。
成魚でも3cmほどの超小型種であるため、本種より大きく動きが機敏な魚であれば混泳ができる場合もあります。
動きの遅い種や、ヒレが大きく長い種とは全く混泳に適しません。
混泳させる場合は水草などで隠れ家を作り、遊泳域が重ならないよう十分なスペースを設けると、成功しやすくなります。
南米淡水フグ
学名:Colomesus asellus
アマゾン川流域に生息するフグの仲間です。
個体差はありますが、本種は他のフグの仲間に比べ比較的温和といわれています。
このため種類や匹数を調整すれば、比較的混泳には成功しやすい部類に入ります。
アベニー・パファーと同じく、十分なスペースを確保することがポイントです。
本種はアベニー・パファーより大きくなり、最大で7cmほどに成長します。
このため本種より大きく、動きが機敏な魚と組み合わせると良いでしょう。
テトラオドン・ショウテデニー
学名:Tetraodon schoutedeni
コンゴに生息するフグの仲間です。
アフリカの淡水フグとしては最小種で、成魚でも9cm程度です。
本種は淡水フグの仲間としては最も温厚な部類に入るといえ、他の種に比べトラブルを起こしにくいです。
サイズが同程度か本種より大きい魚であれば、混泳も比較的成功しやすいでしょう。
ただし動きの遅い種や、ヒレが大きく長い種との組み合わせは避けたほうが無難です。
本種は入荷量が少なく、高価な種と知られます。
一部のハイマニアからは渇望され、幻のフグとして珍重されています。
淡水フグと混泳できない熱帯魚
淡水フグは単独飼育が原則です。
小型種では同種以外のほとんどすべての魚種とは混泳が難しいという認識でOKです。
大型種では1水槽1匹での飼育が基本となります。
他魚との混泳は難しいけれど……
フグの仲間は基本的に頭が良く、好奇心が旺盛です。
また非常に丈夫な歯を持っており、貝や甲殻類を殻ごとバリバリとかみ砕いて食べてしまいます。
ましてや小魚など、簡単に噛みちぎられてしまいます。
何にでも興味を持つ性質と、他の魚ではあまり見られない強靭な歯の組み合わせが、混泳においては悪い方向に働いてしまっています。
気になるものはとにかくかじってしまう習性を持ちますが、貝を嚙み砕けるほどの鋭い歯に噛みつかれては、他の魚はひとたまりもありません。
フグの目線では遊び半分の行動でも、他の魚には致命傷を与えてしまうのです。
しかし、フグは頭が良いので物覚えが良く、人にもよく慣れます。
ぷりぷりと愛嬌を振りまく仕草が楽しめるペットフィッシュは、他を探してもフグの仲間だけでしょう。
特に目が大きく、表情豊かな点がそう感じさせるのかもしれません。
フグは攻撃的とよくいわれますが、実際のところ「好奇心旺盛」な性質と貝を噛み砕けるほどの「鋭利な歯」が組み合わさった結果、他の魚種に対しては脅威となっています。
歯が鋭利だから、フグにとっては遊びのつもりでも一発で致命傷を与えてしまう。
好奇心が旺盛だから、何回でも(相手にとっては執拗に)噛みついてしまう。
フグ特有の性質が、混泳においてはことごとく悪い方向に噛み合ってしまっています。
このため単独飼育がベストであり、フグも他の魚も平和に暮らせます。
トラブルが起こらなければ飼育者も安心です。
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