どうも、ほにゃらら sp.です。
今回紹介するのはコリドラス・パンダ。
名前の通りパンダに例えられる黒いバンドが入り、かわいらしい名前と容姿からコリドラスの中でもトップクラスの人気種です。
コリドラス・パンダとは
生物学的情報 | |
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名前 | コリドラス・パンダ |
学名 | Corydoras panda |
分類 | ナマズ目カリクティス科コリドラス亜科 |
食性 | 雑食 |
ノーズ | ショートノーズ |
柄 | アイバンド系 |
分布 | ペルー |
飼育要件 | |
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飼育しやすさ | ★★★★☆ 容易 |
入手しやすさ | ★★★★★ よく見かける |
混泳しやすさ | ★★★★★ とても混泳向き |
最大体長 | 5cm程度 |
適正水温 | 20~27℃ |
pH | 生存可能:5.5~8.0 適正範囲:6.0~7.0 ※あまり気にしなくてOK |
備考 | 導入時はややデリケート |
コリドラス・パンダは人気、知名度共にトップクラスのコリドラスです。
実は流通名だけでなく、学名までしっかり”panda”だったりします。
パンダに例えられるカラーリングと体形の組み合わせは大変に愛らしく、ネーミングも非常にマッチしていることから、動物のパンダ同様に人気が出るのはもはや必然だったのかもしれません。
本種は非常に人気が高いこともあり、養殖技術が確立されています。
東南アジアで大量にブリードされており、流通するものはほとんどがブリード個体となります。
まれにワイルド個体が流通することもあります。
こちらはブリード個体に比べると一回りほど大きいことが多く、“かわいらしい”というより“がっちり”とした体形をしています。
原産地はペルーです。
本種の飼育に関しては、熱帯魚飼育に必要とされる基本的な設備を整えていればOKです!
注意点を挙げるとすれば、底砂に砂粒の細かいものを採用するぐらいでしょう。
一応、大磯砂でも飼育は可能です。
しかし、1点だけ。
パンダに関しては、導入時に少し注意が必要です。
パンダはコリドラスとしては水質の変化に敏感で、一番最初の導入直後が一番状態を崩しやすい時期となります。
特に数多く流通するブリード個体の幼魚に関してはこの傾向が強いです。
水合わせの時間は長めに取り、じっくり合わせたほうが良いでしょう。
慣れるまで少し時間がかかりますが、一旦水槽の環境に慣れてしまえばコリドラスの例に漏れず丈夫な種です。
バリエーション
コリドラス・パンダは養殖技術が確立されているため、いくつかの改良品種が存在します。
元の素材が良いのでどの品種も魅力的ですが、いずれも少々クセがあります。
各品種の性質は、良く把握しておきましょう。
コリドラス・パンダ“ロングフィン”
各ヒレが伸長するように改良された品種です。
ヒレが長くなったことにより鑑賞価値が上がった反面、ヒレが傷みやすい点には注意が必要です。
導入時の環境変化で通常のパンダよりもダメージを受けやすく、その時期をいかに乗り切れるかが重要となります。
乗り切れれば丈夫です。
元々の愛らしさに加えヒレが伸長することに寄り存在感も抜群になりました。
パンダの群れの中に1匹アクセントとして加えても良いでしょう。
ロングフィンパンダはコリドラスの中では導入が難しい部類に入ります。
この最初の導入をクリアするためには、塩水浴は特に有効です。
メイン水槽に入れる前に、1週間ほど塩水浴させてから入れると良いでしょう。
コリドラス・パンダ“ゴールデン”
ゴールデンタイプの改良品種です。
一見アルビノのように白く見えますが、黒目であるためアルビノではありません。
アルビノとは異なり、黒を表現するメラニン色素を完全に失っているわけではありません。
そのため、本来アイバンドやスポットが入る部分にうっすらと痕跡が入ることがあります。
ゴールデンタイプは主にドイツでブリードされており、東南アジアブリードの通常のパンダよりも丈夫といわれています。
見た目はゴールデンタイプのほうが華奢な印象ですが、こちらの方が導入しやすくトラブルが起こりにくいようです。
コリドラス・パンダ“スケルトン”
透明麟タイプの改良品種です。
“ゴースト”とも呼ばれることがあります。
通常のパンダよりも黒が薄く、透明感のある色彩をしています。
また、エラブタがうっすらと透けて赤く見えるため、まるで頬が赤く染まったかのような印象を持ちます。
愛らしさが増していると捉えることもできるでしょう。
こちらも通常のパンダ同様、導入時にはややデリケートな面を見せます。
水合わせは入念に行った上で導入すると良いでしょう。
パンダ似のコリドラス
コリドラス・メタエ
学名:Corydoras metae
コリドラス・メタエはコロンビア、メタ川原産のコリドラスです。
古くから知られるポピュラーな種で、やや寸胴な体型と茶色の体色がかわいらしい種です。
アイバンドを持ち、背ビレから尻ビレ付け根にかけて黒のバンドが入ります。
メリニと異なり、背のバンドが脂ビレの根元にかかるのが相違点です。
コリドラス・メリニ
学名:Corydoras melini
コロンビア、メタ川原産のコリドラスです。
茶褐色のボディに、斜めに入るブラックバンドが美しく人気の種です。
メタエとよく似たアイバンドと背に黒いバンドが入り、生息地も同じメタ川です。
こちらは背の黒いバンドが脂ビレにかからない点で区別できます。
メタエ同様、ポピュラーな割にコリドラスとしては飼育が若干難しい部類に入ります。
水質の変化にはデリケートで、弱酸性の水を好みます。
コリドラス・ロレトパンダ(オルテガイ)
学名:Corydoras ortegai
ペルー、プトゥマヨ川原産のコリドラスです。
コリドラス・ロレトエンシスとパンダを足して2で割ったような色柄をしていることから、“ロレトパンダ”の愛称で親しまれます。
体形はロレトエンシス似、体側や尾ビレに斑点模様が入りますが、アイバンドと尾の付け根のスポットはパンダによく似ています。
有用なアイテム
コリドラス・パンダは落ち着いてさえしまえばほとんど教科書通りのコリドラスですが、最初の導入時にだけ注意が必要です。
水合わせは入念に行ったほうが良いでしょう。
また、水質は弱酸性に傾いていた方が、最初の導入をうまく乗り切りやすくなります。
性質上、ソイルの採用が難しいため、ろ材に弱酸性に傾ける性質のある製品を採用しておくと良い結果が得られる可能性が高くなります。
コリドラスはさほど気にしなくても良い種が多いのですが、パンダに関しては弱酸性に傾けておいた方が安定した長期飼育ができると思います。
コリドラス全般に共通する基本的な性質については、コリドラス共通ページをご覧ください。
混泳について
コリドラス・パンダは非常に混泳向きのコリドラスです。
コリドラス同士であれば基本的に問題ありません。
テトラやラスボラといった、人気の小型熱帯魚とも混泳相性は抜群です。
グッピーやプラティとも混泳可能ではあるものの、弱酸性を好むパンダの性質とは若干合わない点は留意しましょう。
グッピーやプラティが好む環境にパンダが合わせると、パンダが調子を崩してしまいがちです。
パンダの好む環境にグッピーやプラティが合わせてもらう形であれば、混泳はできます。
動物園をイメージした名前の熱帯魚を集めてみました。
混泳相手 | 混泳相性 | 備考 |
---|---|---|
グッピー | ◎ | グッピーは弱アルカリ性を好みます。 |
プラティ・卵胎生メダカ | ◎ | 多くの卵胎生メダカは弱アルカリ性を好みます。 |
カラシン・小型テトラ | ◎ | |
コイ・ラスボラ | ◎ | |
ローチ・ボーシャ・タニノボリ | ◎ | ローチ、タニノボリ系は好相性です。 ボーシャ系の攻撃性を持つ種では注意が必要です。 |
フライングフォックス/アルジイーター | ◎ | |
ドワーフシクリッド | ◎ | |
アフリカンシクリッド | × | |
エンゼルフィッシュ | 〇 | |
ディスカス | 〇 | |
ベタ・グラミー・アナバス | ◎ | |
コリドラス | ◎ | |
オトシンクルス・ロリカリア | 〇 | 大型種の場合、遊泳域が重なるのでエサの取り合いが発生することがあります。 サイズや飼育数、遊泳スペースを調整すれば問題はありません。 ※一般的なオトシンクルスやオトシンネグロは特に問題はありません。 |
プレコ | 〇 | 大型種の場合、遊泳域が重なるのでエサの取り合いが発生することがあります。 サイズや飼育数、遊泳スペースを調整すれば問題はありません。 ※タイガー、ブッシープレコ系はトラブルを起こしにくいでしょう。 ※セルフィン、ロイヤルプレコ系は力関係を要観察です。 |
レインボーフィッシュ | ◎ | |
ハゼ・ゴビー | 〇 | 遊泳層が被るため、攻撃性の高い種では注意が必要です。 |
フグ・パファー | × | |
エビ・ビーシュリンプ | 〇 | 稚エビは食べられる可能性があります。 |
※混泳相手の種や性格によっては、例外もあります。
◎・・・混泳に適した組み合わせです。
〇・・・混泳は可能ですが、種や個体の性格によっては工夫が必要な場合もあります。
△・・・混泳は不可能ではありませんが、適しているとは言えません。工夫次第で可能になる場合もあります。
×・・・混泳には適さない組み合わせです。
基本的には、コリドラスに対し攻撃を仕掛ける生体でなければ、ほとんどなんでも混泳可能です。
コリドラスがトラブルの火種になることは少ないですが、コリドラス以外の同居魚同士の相性はよく考えてあげてくださいね。
コリドラス・パンダ まとめ
コリドラス・パンダ。
コリドラスの中ではトップクラスの人気種ですが、飼育にはちょっとだけ注意点があることが分かりましたね。
最初だけ少し面倒を見てあげる必要がありますが、一旦落ち着いてしまえば丈夫で他のコリドラスと変わりません。
また、特徴的なパンダのような色柄には、野生下ではきっと何らかの役割があるのでしょう。
本種と似た色彩の種類が他にあまりいない点も、興味深い要素とは思います。
どんな理由があるのか、なぜ似た色彩のコリドラスが居ないのか、あるいは見つかっていないだけなのか。
いろいろ想像を膨らませてみるのも楽しいですね。
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