こんにちは、メダカ担当のスズキです(魚ではありません、人間です)。
世の中のメダカブームに乗ってメダカを飼い始めた人も多いのではないでしょうか。
「メダカの教室」は、そんなビギナー向けのなるほどシリーズです。
今回の授業は、初心者にありがちな失敗について。後編です。
その失敗、何が原因だったのでしょうか。
前回の復習(前編)はこちら
稚魚(針子)が次々に死んでしまう
比較的飼育しやすいメダカですが、特に生まれて2週間までの針子はデリケートで飼育が難しいとされます。次々に死んでしまうことも珍しくありません。原因を探ってみましょう。
原因:エサの量が足りない
メダカの稚魚の死因のトップは餓死といわれます。エサは稚魚が食べやすい稚魚用を与えていますか?
<針子に適しているエサ>
・針子の口はとっても小さい→小さな口でも食べられる粒サイズ
・沈んだエサは食べられない→沈みにくいもの(粉末タイプなら沈みません)
・成長に必要なタンパク質、骨格形成に必要なカルシウムを含んでいる
稚魚用エサを与えているなら、エサがいきわたっていない可能性があります。単純に量が足りないことに加え、水流などの影響でエサにたどり着けなかった、体の大きな稚魚ばかりがエサを食べてしまった可能性も考えられます。
ただし、エサを与え過ぎては水質悪化を招きます。そこで有効なのが生餌です。ふ化してすぐならゾウリムシ、ある程度大きくなったら、ミジンコまたはブラインシュリンプに代えていきましょう。グリーンウォーターもおすすめです。
稚魚の育成にピッタリ
原因:水流が強すぎる&フィルタ―に吸い込まれる
泳ぐ力がまだ弱い針子は、エアレーションの水流にすら負けてしまいます。フィルターが作り出す水流に体力を消耗してしまったり、エサにたどりつけなかったりします。フィルターに吸い込まれる危険性もあるため、少なくとも針子の間はフィルターは不要です。
原因:水温・水質に急激な変化があった
環境の変化に弱い針子にとって、水換えもストレスの原因に。スポイトを使った掃除と足し水で水質の維持に努めましょう。水質悪化を和らげる水草やグリーンウォーターも水質維持に有効です。
原因:稚魚のサイズ差が大きい
同じ時期に生まれた稚魚でも、ふ化から数週間もたつとサイズ差が出てくるものです。同じ水槽にサイズ差のある稚魚がいることで大きな稚魚が小さな稚魚を食べてしまう「共食い」が起きやすくなります。
サイズ別に選別し、水槽内には近いサイズの稚魚だけにするのが理想です。共食いが起きる予兆として、大きな稚魚が小さな稚魚を追い回します。追い回す行動を見たら選別するようにしてください。
しっかりエサやりしたつもりだったのに……。
まさかメダカが、それも稚魚同士で共食いするなんて衝撃です。
仕切り付きの飼育容器や隔離ネットを活用すると省スペースで飼育できます。
稚魚の育て方について詳しくはコチラ!
メダカが産卵しない
メダカを飼育するなら産卵、ふ化まで見届けたい。
でも、なかなか産卵しない……。産卵の条件を満たしていないのかもしれません。
原因:産卵の条件を満たしていない
メダカの繁殖には健康的なオスとメスがいることが前提です。これに①日照時間が1日13~14時間ある、②水温が20℃以上である、③栄養状態が良く、体力があるという条件が深く関わっています。季節や天候の影響も大きく、順調に産卵をしてきたメダカが梅雨になって「産卵しなくなった」ということもあるほどです。
メダカは日照時間で繁殖の時期を判断しています。室内は日照不足になりやすいので、照明を使うと良いでしょう。また、水温が低いとメダカは活動が鈍くなり、エサもあまり食べなくなります。産卵には大きなエネルギーをともなうため、しっかりエサを与えて栄養と体力をつけさせてください。
原因:生活リズムが乱れている
人間もメダカも健康でいるためには、規則正しい生活が欠かせません。
メダカは早朝に産卵を行う性質があります。屋内飼育の場合、昼夜の区別がつきにくくなります。
夜は部屋の明かりを完全に消して、昼夜をハッキリさせると良いでしょう。
産卵の条件をそろえよう
場合によっては、オスとメスの相性が悪いために産卵しないこともあります。
そんな場合はメダカを入れ替えてみてください。
繁殖について詳しくはコチラ!
屋外で飼育していたらメダカが死んだ、減った
屋外飼育では、場合によってメダカが死ぬ、減るケースがあります。
きちんと対策することで防ぐことは可能です。
原因:夏場の炎天下でゆであがった
メダカは日光浴が好きな生き物です。そうはいっても夏場の炎天下、メダカ水槽を直射日光にさらしておくことは水温が上がり過ぎを招き、全滅なんてことに……。すだれを使ったり、水草を入れたりして日陰を作ってあげてください。水温のチェックもお忘れなく。
原因:豪雨など増水によって流出した
大雨によって水槽から水があふれ出す(オーバーフロー)際にメダカが流出してしまうことがあります。多少の雨なら問題ありませんが、水質変化が起きるような大雨が予測される場合は、軒下に移動させるか波板などで雨よけになるカバーをしましょう。飼育容器にタオルをかけておくのも有効です。
原因:カラスなど天敵に食べられた
飼育下にあっても、メダカを狙う天敵は少なくありません。ノラネコやカラス、最近では都市部に進出しているアライグマやハクビシンはいずれも雑食性で、メダカが食べられてしまったケースが報告されています。動物や鳥類に限らず、昆虫もメダカを捕食することがあります。ネットなどでカバーをしておくと良いでしょう。
身近な天敵について詳しくはコチラ!
まとめ
今回は、初心者にありがちな失敗例について後編をお届けしました。
メダカを飼育の際は、失敗のポイントに気を付けてくださいね。
それでは次の授業をお楽しみに!
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