水槽の水質改善にも活着材にも。お手軽な炭を使いこなそう

水が黄ばんだ
水が黄ばんだ

燃料に脱臭、調湿、土壌改良、そして水質浄化。
アクアリウムでもおなじみの炭は、姿や形を変えながら身の回りで活躍します。
さて、そんな炭にも〇〇炭といくつか種類があり、特徴も少しずつ異なるのをご存じですか。
ぜひ、その特徴を知ってアクアリウムに生かしてみませんか。

アクアリウム用品に用いる炭の種類

一般に、炭とは木材を蒸し焼きにして作った黒色の燃料のことをいい、その種類は多岐にわたります。
ただ、水槽飼育において燃料とは無縁です。アクアリウム用品で扱われる炭のほとんどは、竹炭、備長炭、活性炭のほぼ3種類に限られています。

竹炭

竹炭はモウソウチクやマダケなど、木材ではなく竹を原料とした炭です。木炭と比較してコンパクトで、吸着力が大きいといわれています。

水槽内では浄化作用のほかに、活着材としても利用されます。

備長炭

木炭には製法によって黒炭、白炭の2種類があり、備長炭は白炭に分類されます。白炭は炭化温度は黒炭より高温で、湿り気のある灰をかけて空気を遮断、消火するために灰色がかっています。

備長炭にも浄化作用はありますが、水槽内では活着材としての利用が目立ちます。

活性炭

竹炭は竹から、木炭は木材が原料ですが、活性炭の原料となるのは炭材。すなわち、炭化できる物質はすべてが原料となります。

炭を「賦活ふかつ(活性化)」させることでより吸着作用が強まり、高い浄化能力を持っているのが特徴です。

活性炭について

クラッシュタイプ…断面が結構鋭利のため、魚の体表を傷つけることがあります。
活性炭はフィルターやろ過槽内入れて使います。
水槽内に直接入れる場合は不織布やネットなどに入っているタイプがオススメです。

水槽内での炭のはたらき

炭は水槽内で主に「吸着」というはたらきをします。炭の表面にはごく小さく、細かな孔が無数にあります。その孔にニオイや有害物質などを閉じ込めていくのが吸着というわけです。炭を賦活させた活性炭は、より微細構造が発達することで比表面積が大きく、吸着力を高めています。では、水槽内での炭のはたらきについて見てみましょう。

ニオイ吸着

水面に近づくとなんだかイヤなニオイがしませんか。フィルタ―のろ材など、水槽に炭を取り入れることで吸着作用によりニオイを抑えることができます。なお、ニオイはエサの食べ残しやフンなどの汚れ、コケが原因です。定期的に水換えや掃除を行うようにしてください。

ニオイ対策にオススメの炭アイテム

にごり・黄ばみ吸着

水槽の水が白く濁った場合、砂の粉末やレイアウト素材の石などによる無機物によるもの、微生物など有機物によるものと2つの原因があります。このうち、炭による吸着作用が発揮されるのが無機物によるにごりです。

水槽の水が黄ばむ場合、流木のアクや水の富栄養化などが原因にあります。炭の吸着作用は黄ばみにも及びますが、流木は煮込むことでアクを抜くことができるのでぜひお試しください(まれに抜けない場合があります)。また、水が富栄養化するとコケが生えやすくなり、ニオイの発生源にもなりやすい点に留意しましょう。水の富栄養化による黄ばみには水換えがもっとも有効な対処方法です。定期的に水換えや掃除を行うようにしてください。

黄ばみについて詳しくはコチラ

黄ばみ対策にオススメの炭アイテム

薬浴後の脱色

特に活性炭では、色素の吸着という点で魚病薬の有効成分でもある色素にも有効です。
そのため、魚病薬の使用時は活性炭は取り出しておきましょう。
水槽の色を取り除くためには、薬浴後に活性炭を投入します。

活着材として

水草やコケには活着性を持つ仲間がいます。活着材には石や流木がよく知られていますが、炭も立派な活着材になるんです。竹炭や備長炭の場合、活性炭ほどではなくても吸着作用があって、ナチュラルな雰囲気も生かせます。
チャームでは、竹炭や備長炭を土台にした水草やモスを販売しています。

オススメの備長炭・竹炭付き

炭を使う上での注意点

炭のはたらきを理解したところで、注意点についても見てみましょう。

水中のアンモニアは吸着しない

炭は身の回りでも多く利用され、脱臭効果をうたうアイテムは定番です。中でも吸着作用が強い活性炭を利用したアンモニア臭対策をうたうアイテムを見かけることがあるのではないでしょうか。しかし、活性炭がアンモニアに対して吸着作用を発揮するのは空気中だけ。水中に溶けてしまったアンモニアを吸着することはほとんどないとされています。

これは、活性炭が水になじみにくい有機物と化学反応し、吸着する特徴によるものです。活性炭はろ過バクテリアがそれ以上分解しにくい有機物を吸着しやすい一方、アンモニアをはじめ亜硝酸、硝酸の吸着は期待できません。

水槽を立ち上げたばかり、セット初期に水質を安定させたいときなど、アンモニアを吸着させたい場合はゼオライトなどのアンモニア吸着剤を使用してください。

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ちなみに、チャームでは生体の発送時にアンモニア吸着剤を使用しています。ご存じでしたか?

定期的に交換する

炭の吸着作用は半永久ではありません。使用を続けると徐々に吸着力は落ちていくものです。
活性炭などはメーカーが推奨する交換時期がめやすとなります。
交換時期に従う、または吸着力がイマイチになってきたと感じたら交換して良いでしょう。

使用前にすすぐ

炭をそのまま入れると水が黒っぽくなります。炭の種類によっては微細な黒い粉が浮くこともあります。炭の粉や黒い成分は魚には無害ですが、軽く水ですすいでから使用してください。

まとめ

今回はアクアリウムによく使われる炭の種類からそのはたらきまでご紹介しました。
お値段も比較的リーズナブルなので、ぜひ炭のパワーを水槽に取り入れてみませんか。

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