【アルビノ種とは】
熱帯魚の販売名などで『アルビノ●●』とよく聞くことがあっても、『アルビノって何?』と思う方も多いのではないでしょうか。そこで今回はアルビノについて分かりやすく説明していきます。
アルビノは、メラニンの生合成に関わる遺伝情報の欠損により、先天的にメラニン色素が極度に欠乏した明るい(白または白に近い)体色で赤い目を持つのが特徴です。
先天的な常染色体の潜性遺伝のため、遺伝子型が潜性遺伝ホモの場合、表現型としてアルビノとなります。
ちなみに、以前使われていた「優性遺伝」「劣性遺伝」という呼称は、遺伝子に優劣があるという誤解と偏見を生むとの指摘により、
2017年から優性遺伝は「顕性遺伝」、劣性遺伝は「潜性遺伝」という表現に変更されています。
【アルビノ種のほとんどがブリード個体】
当然ですが、生存競争の激しい自然界に於いて「白い」ということは、生存競争において足枷以外の何物でもありません。
魚類は体色変化をさせて自然に溶け込み、生存率を上げています。白ければ「自分はここにいます!」と捕食者に知らせるようなもの。格好の餌食となるばかりで、白いというだけで致命傷なのです。
また、アルビノ種は総じて視力に問題の多いことが多く、やはり野生化での生き残りにはどうしても不利になってしまいます。
そのため、流通するアルビノ個体がほぼ100%ブリード個体であることは言うまでもありません。
※なお、ワイルド個体のアルビノは非常に貴重な存在であることから、超レア個体として高額で流通することもあります。
二度とお目にかかれないまさに希少な1匹。
【ゴールデン(黄変個体)とは何が違うの?】
ゴールデンも体色が明るい突然変異の一つで改良品種もよく知られています。
体色はアルビノよりも黄色味が強いことが多く、目は黒いことが多いです。
改良品種では遺伝的にゴールデン体色を固定していますが、野生下などでは外的要因や環境で体色が変化した1世代限りの個体も知られています。
ノーマル、アルビノ、ゴールデンの比較↓
ゴールデン、アルビノにも色々なバリエーションがあります。
ゴールデンやアルビノを表現する遺伝子が複数ある場合、他の遺伝子により体色などに違いがある場合があります。
ゴールデンのタイプ違い↓
【誤解されやすいアルビノ】
そういえば、「アルビノブラックネオンがブラックと書いてあるのに白いんですけど…⁉」
というややお怒り気味のお問い合わせをいただいたことがあります。
「お客様…アルビノは…白いんです…ブラックと書いてあっても…白いんです…」と、
しどろもどろで返答した記憶がふとよみがえりました。
名前に騙されてはいけません。ブラックネオンだろうがレッドオスカーだろうが白いのです。
メラニン色素の欠乏による白化、それがアルビノなのです。
【いろいろなアルビノ種】
ただ、アルビノとはいえ真っ白になる種、赤みを帯びる種、体色がだいぶ暗い色の種と、さまざまな体色のアルビノもいます。
コリドラスステルバイ アルビノ
原種の胸ビレのオレンジが残るので、他のアルビノ系コリドラスと判別が容易です。
ポリプテルスセネガルス アルビノ
かわいらしい外見ですが、体形やヒレに奇形が出やすいといわれています。
アルビノエンペラーテトラ
ネオランプロローグスブリチャージ アルビノ
アルビノレッドオスカー
成長と共に赤いラインが出てきて非常に素敵です。
アルビノカイヤン
画像で並べてみるとやはり圧巻ですね。
水面の揺らめきできらめくホワイトに、神々しさすら感じてしまいます。
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