電気代のかさむ冬場、少しでも電気代を節約したいと考えますよね。当然ですが、水槽のヒーターは寒い冬場はフル稼働。そんな水槽のヒーターにはどれぐらいの電気代がかかっていて、その電気代は節約できるのかも気になりますよね。今回はそんな水槽のヒーターの節電について調べてみました。
ヒーターの電気代はどれぐらい?
一般的に電化製品の電気代金の計算式は以下となります。
1時間あたりの電気代
=消費電力(kW)×1kWhあたりの料金単価(円/kWh)
したがって、
①実際に自分が電気会社と契約している1kWhあたりの料金単価がいくらなのかを理解する
②その電化製品がどれぐらいの消費電力なのかを理解する
その二点から始まります。
今回問題となるのは「その電化製品がどれぐらいの消費電力なのか」という点です。電化製品、特に水槽用ヒーターの場合、サーモスタットの働きで設定の温度になるとヒーターが切れる仕組みとなっています。そのため、常に同じだけの一定電力を消費しているわけではないことがポイントです。
では、実際に2パターンを見比べてみましょう。
【パターン1】
100Wのヒーターが3時間稼働、料金単価20円の場合(ちょっと安めのプラン程度の金額)
⇒ 100W×3h÷1000×20円/kwh=6円
【パターン2】
200Wのヒーターが1時間稼働、料金単価26円の場合(大手電力会社の一般的なプランの金額)
⇒ 200W×1h÷1000×26円/kwh=5.2円
上記2パターンを見てあることに気づくのではないでしょうか。ヒーターのW数や契約電気料金ばかりに目がいきがちですが、実際に大きな影響が出るのは、ヒーターの稼働時間なのです。
つまり、ヒーターの電気代を抑えたいなら、できる限りヒーターが稼働し続けないよう工夫することが重要と言えるでしょう。
水槽の置き場所を見直そう
「ヒーターの稼働を抑える」ために、まず一番に考えるべきことは水槽設置の場所です。当然ですが、気温が下がる場所に置いていると水は冷えやすく、ヒーターもフル稼働しないと間に合いません。
- 窓際
- 玄関先
- 廊下
- 人があまり立ち入らない部屋
- 人の出入りの多い部屋の入り口付近
上記の場所は外気の影響を受けやすく、部屋の暖房の恩恵を受けづらい場所であり、水槽のヒーターの頑張りに頼らざるを得ない状況になります。
一番良いのは人が快適に過ごせる温度の室内です。家の中で人が寒いと思う場所は水槽にとっても寒い場所なのです。電気代を考えると、冬は暖かく、夏は涼しい場所に水槽を設置することが一番の節電につながります。
一般的に、水槽内を局地的に冷やすヒーターやクーラーよりも、室内を快適な温度に保つエアコンの方が断然省エネ設計といわれています。エアコンなどの空調も上手に使いながら水槽内の温度を保つ工夫を行いましょう。
水槽を保温しよう
それから、もう一つ大事な考え方があります。せっかく温めた水を放熱しないようにすることです。熱は、温度の高いところから低い所へ移動していきます。むき出しの水槽ではせっかく温めた水槽内の水の熱は、外気にダダもれの状態に。もちろん水が通るパイプ、外部フィルターや上部フィルターからも熱は逃げていきます。少しでも放熱を防ぐためにも、水槽自体や水が通る機材に保温対策をすることで、水温を保ちやすくなります。
水槽にフタを設置する
古典的かつ基本的な方法ですが、ガラスフタ(プラスチックのフタでももちろんOK)を設置をしましょう。水槽にフタを設置するだけでかなりの水温の低下を防ぐことができます。最近のLEDではあまり効果は高くありませんが、水槽に照明を載せている場合はフタが照明の熱を蓄えるため保温効果はさらに上がります。
逆に夏場は、ガラスフタを外すだけで水温の上昇を多少なりとも抑えることが可能です。
アルミ断熱材
保冷バッグなどに使用されるアルミ断熱材をとにかく巻きまくる作戦はかなり有効な手段です。切って加工がしやすいアルミシートは、水槽のみならず、あらゆる形状のフィルターやホースを放熱から守ることが可能です。もちろん夏場の水温上昇防止にも役立ちます。
発泡スチロール
保温といえば発泡スチロールです。冷凍の商品を発送するときにも使われる発泡スチロールの断熱効果は抜群。熱を徹底的に逃がしません。アルミの断熱材もそうですが、一番の難点は見栄えの低下です。保温した面をインテリアで目立たなくさせるなど、ある程度の工夫が必要になります。
効率的なヒーターの設置
ヒーターの電気代を抑えるため、できる限りヒーターが稼働し続けないよう、ヒーターの容量は余裕のある大きいW数のものを選ぶと、
・稼働時間が少なくなり電気代が抑えられる
・水温変化に素早く対応ができて生体への負荷を減らせる
(=病気の罹患も防げる)
特に60cm以上の大型水槽にヒーターを設置する場合、大容量のヒーターが必要になります。広い水槽内の水温ををむらなく保つために、ヒーターで温められた水が隅々まで行きわたるように工夫をする必要があります。
また、急なヒーターの不調(一般的にヒーターの寿命は1~2年といわれています)は水槽で飼育する熱帯魚の命取りになるために保険をかけておきたいものです。それには、特に大型水槽には大容量のヒーターを1つ設置するのではなく、あえて小容量のヒーターを複数設置することを強く推奨します。300W×1本よりも、150W×2本の方がはるかに安全・安心なのです。
水槽容量とヒーターのW数早見表
目安となる水槽サイズ | ~30cm (10L以下) |
~30cm (20L以下) |
~45cm (40L以下) |
~60cm (60L以下) |
~70cm (100L前後) |
~90cm (150L前後) |
~120cm (200L前後) |
ヒーターW数 | 50W未満 | 50W~ | 100W~ | 150W~ | 200W~ | 300W~ | 500W以上 |
まとめ
真夏の保冷と、真冬の保温はアクアリストにとっては悩みの種。ただ、工夫次第では電気代を安く抑えて効率的に乗り越えることができるんです。冬場なら、
・寒くない設置場所
・断熱
この2点を工夫するだけでもだいぶヒーターの電気代は変わってきますよ。ぜひ今年の冬はひと工夫した「冬のアクアリウム」に挑戦してみてはいかがでしょうか。
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