人間も季節の変わり目は体調を崩しやすいもの。気温が下がるにつれてアクアリウムではヤツらの白い影が忍び寄ってきます。勘のいい方はお気づきでしょう。それは……
そう、ヤツらとは白点病 のことです。
季節の変わり目、特に気温が下がるこの時期は要注意。今回は白点病対策についてお話しします。
白点病とは
対策するにはまずは敵の情報を知るべき。白点病について軽く説明します。
魚の体表に白点虫という寄生虫が寄生し、細かい白点がたくさん付く病気。そのまま放置するとやがて衰弱・死亡してしまいます。
白点虫について
白点虫は、原生動物の繊毛虫に分類され、ゾウリムシと近縁な生物です。白点虫の成虫は直径0.5mm程度の円形または楕円形で、その周囲は、繊毛とよばれる細かな毛で被われています。
白点病は進行が早い病気です。それは、白点虫のライフサイクルが非常に早いことによります。1個の成熟虫が24時間以内に数千倍にも増えてしまいます。
▽もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください▽
白点病を発生させないために
24時間で数千倍…..すさまじい勢力ですね。こんなやっかいな白点虫ですが、発生させないように対策は打てます!
白点病が発症する主な原因をまとめました。
・水質の悪化による魚の抵抗力の低下
・水温の上下
・急激な水温の低下
・新しく導入された魚や水草、他の水槽で使っていた機材に元々寄生・付着していた
白点病の具体的な対策例
水質の悪化を防ぐために、1週間に1度、水換えを行いましょう。きれいな水を維持したい気持ちは痛いほど分かります。しかし、毎日水換えをすると、水質が変化してしまい逆効果なんです。また、水換えする際の水温にも気を付けましょう。水槽に合わせた水温の水で換水してください。
今の季節、特に気を付けたいのが水温の変化です。水温が25℃以上になると白点虫は増殖できません。保温器具を使い水温を26~27℃の一定に保つか、少し高めの28℃~30℃で飼育することで白点病予防に役立ちます。また、水温計を使って日頃から水温をチェックしておくことも大切です。
また、魚を購入はしっかり管理が行き届いたcharmで購入すること、その水槽内に病気の魚がいないかどうかを確かめましょう。お祭りなどで買った魚はすでに弱っていて病気を発症することも多いです。水槽に入れる前に落ち着かせる意味も含めて薬浴させましょう。
もし白点病を見つけてしまったら……
敵を見つけたら即排除!早期発見が問題解決のカギです。兵器として「白点病治療薬」を投入しましょう。白点病に関しては、白点が数個ぽつりぽつりと認められる程度なら、すぐに手を打つことで完治するケースが多いです。初期段階ではヒレに白点が見られることが多いのでよく観察しましょう。なお、紛らわしいのですが、換水した際に気泡がヒレについていることがあります。
早期発見できれば飼育水の加温と塩水浴で十分効果的です。塩水浴についての詳しい解説はこちらの記事をご覧ください。
全身が白点に覆われてしまうほど病状が進行すると治療は困難です。
メチレンブルー、マラカイトグリーンなどの青系の色素剤が有効です。メチレンブルーやマラカイトグリーンは、使用すると水槽のシリコン・エアチューブを染色してしまう点に注意します。
隔離ができず、またシリコン・エアチューブの染色も避けたい場合は塩素系の魚病薬が有効です。
それぞれの薬のメリット・デメリットを表にまとめてみました。症状や水槽に合った方法を選んでください。
メリット | デメリット | |
青系の色素剤 | 重症の場合に効果大 白点病以外にも使える 使用量少なくコスパが良い | 外観重視の水槽では使えない |
塩素系 | 外観重視の水槽でも使用可能 薬効期間が長い | 効果はメチレンブルー系に比べると劣る 白点病にしか効かない 使用量が多くコスパが悪い |
塩 | 初期症状なら加温と併用で効果大 一番安上がり | 薬効期間短いので換水重要 重症化していると力不足 |
魚病薬の詳しい扱い方については、日本動物薬品株式会社様のYoutTubeチャンネルをご確認ください。
実は、白点虫が「体表に寄生している間」と「シスト」の状態では、薬品の効果がありません。
「十分に成熟し魚体から離れた成虫」と、「水槽内を泳ぎ回る仔虫」に対して効果があるのです。
体表に寄生している時間を短くするには、「水温の上昇」が有効です。
一般に、高水温では成長速度が速くなるため、魚体から離れるタイミングが早くなります。
魚体に付いている間は薬品が効きませんが、魚体から離れたタイミングで薬品が効き殺虫されます。
白点病にかかりやすいと言われている魚種
金魚
カラシン(テトラ)
ラスボラ
プラティ
ナマズの仲間(コリドラス以外)
ローチの仲間
逆に古代魚の仲間は「ガイノン鱗」で守られているため白点病にはなりません
白点病はうつる?
白点病はうつるとよく言われます。これは、白点病を発症した生体が水槽にいる時点で水槽内には目に見えない仔虫が蔓延している可能性が高いためです。根本の予防が重要ということですね。
最後に
今回はやっかいな白点病についてお話しました。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
こちらの記事ではさまざまな病気とその対処法がぎっしり書かれています。
あわせてご一読ください。
コメント