アクアリストの皆さんこんにちは、Tです。アクアリウムのことで情報収集をしている時、聞きなじみのない言葉の羅列に何を言っているのか分からない!なんて経験、ありませんか?アクアリウム超初心者の筆者はよくあります。本記事は、アクアリウム界でよく使われる用語の解説記事です。
今回のテーマは「KH」。
KHってなんだ?それでは行ってみましょう。
水槽の水の状態を表す単位の数々
水槽という閉ざされた空間で展開されるアクアリウムでは、もちろん水槽内の環境が生き物・水草の状態や命に直結します。そんな時、頼りになるのが水槽の水の状態の指標となる言葉です。
アクアリスト
師匠、どうしましょう。最近水草がうまく育ってくれません。CO2も添加してライトの点灯時間もしっかり管理しているのに……。
師匠
それは困ったね。原因の1つとしてKH値が関係しているかもしれないね。
アクアリスト
……KHってなんですか?
水槽の環境の要素を指し示す「硬度」
KHを知るためにはまず「硬度」について理解を深めましょう。硬度という言葉はさまざまな分野で出てくるもの。物質表面の硬さを表すこともありますが、液体における硬度は水に溶けている『カルシウムイオン』と『マグネシウムイオン』の量を指します。硬度が高ければカルシウムやマグネシウムがたくさん溶けている水、つまり「硬水」ということになります。逆に硬度が低ければ「軟水」となるわけです。
水槽内の環境の指標となる言葉「KH(炭酸塩硬度)」とは
ただし、硬度はあくまでミネラル分全体の指標。KHはそれよりもさらにピンポイントです。
KHは炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムが水に溶けて発生したカルシウムイオンとマグネシウムイオンの量のことを指します。
この図からも分かるように、KHは水の硬度の一部に過ぎません。極端な例を出すと、KHが0でもGHが10といった水質はあり得ます。魚やエビへの影響を考える場合は、水槽内の全てのミネラル分を考えることが必要です。
KHの役割
水質(pH)の変化のしやすさの目安になる
KHは、一時硬度とも呼ばれ、水中の二酸化炭素の量と水質の変化のしやすさに影響してきます。
水質の変化(pHの変動)を緩やかにする作用(緩衝作用)があり、KH値が低ければ低いほど水質が安定しづらいということになります。
CO2の添加量が分かる
CO2を添加するとpH・KHが低下しやすくなります。pHが下がると水中のCO2の量が増えていき、水草の栄養の一部となり光合成が活発になります。しかしCO2をたくさん溶かしてみても、KHが高いために緩衝作用の働きでpHが下がらないことがあります。これでは、水草がCO2を有効活用できず、うまく育たない種類も出てきてしまいます。
KHの値を知ることでどれくらいのCO2を添加すれば良いか、現在水中にどれくらいCO2があるのかが分かります。
なお、CO2添加直後では正確なKHが測定できません。数時間おいてからKHを測定してください。
KH値を求める式
CO2濃度(mg/l)=KH×10(-pH)×3.72×10⁷
KHを測定・調整するにはどうしたらよいか
KHを測定したい場合は、専用のキットや試験薬があるのでそれらを使用しましょう。
KHを上昇・低下させたい場合は専用の薬品がありますので、水草水槽ではそれらを使うと便利です。
ビーシュリンプなど、薬品に敏感な生き物は、天然素材の物を使用しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?少し難しい内容でしたね。KHについてはこちら3つを覚えておきましょう!
KHが高いとpH変化の緩衝材となり急激なpH変化が起きにくい
KHが低いと、pHの変化が急激になる→pHショックを引き起こしやすい
pHが低くてもKHが高い場合もある→CO2が水中に溶けにくい
この言葉は、アクアリウム界ではよく出てくる言葉です。言葉の意味を理解することで、よりアクアリウムを奥深く楽しむことができるとの同時に、ご自分の水槽への理解も深まったのではないでしょうか?
ちなみに……アクアリウム超初心者でありバイク大好きな筆者、この言葉を初めて知って真っ先に思いついたものは、日本のバイクメーカー・カワサキの名車、KHシリーズでした(通称 ケッチ)。今もなお、この言葉を聞くたびにケッチが頭をかすめることは言うまでもないでしょう。
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