リン・リン酸について

水質ってなに?
水質ってなに?用品解説

水草の育成や熱帯魚の飼育では、「水槽」という限られた空間の中でバランスを保ちながら環境を維持することが大切です。飼育水はさまざまな物質が作用しあって環境を変化させますが、今回はその中でも「リン酸」をピックアップし、その効果と注意点について解説します。

リン・リン酸とは

リンは熱帯魚用の飼料に多く含まれており、オキアミは特にリンの含有量が多いといわれています。リンが酸化した物質がリン酸です。リン酸は遺伝子の元になるDNA(核酸)の重要な構成成分であり、生物の細胞膜の構成成分です。糖類と結合して生物体内でのエネルギーのやりとりに役立ちます。

アクアリウムでは生き物の生命活動を行っている限り排出され、魚粉などが主成分のエサには必ず含まれています。水槽は閉鎖空間のため水替えをしないとリン酸が蓄積していきコケが生えてくるのです。

リン酸のメリットとデメリット

リン酸はアクアリウムにおいてどのような作用をもたらすのでしょうか?

メリット

まずはメリットとして、適量のリン酸が飼育水に含まれていると起こる作用を紹介します。

・水草の肥料になる
・pHの変動を抑制する

先述したとおり、リン酸は植物の成長に欠かせない三大栄養素のひとつです。これは水草でも同じことが言え、リン酸は水草の育成には欠かせない存在となっています。また、アクアリウムではpHの変動を緩やかにしてくれる作用を持ち、急激なph変動が起こりにくくなります。

デメリット

リン酸が過剰に蓄積すると起こる作用をデメリットとして紹介します。

・コケが発生しやすくなる

リン酸が過剰に蓄積された水槽内は黒ヒゲゴケなどの藻類が発生しやすい環境になっています。水草が吸収しきれなかったリン酸はコケの栄養分になります。黒ヒゲゴケに限らず、コケの発生が多いと感じたときはリン酸過多になっている可能性を疑いましょう。

スポンジフィルターのスポンジ部分に発生した黒ヒゲゴケ

リン酸と窒素の関係

植物が必要とする三大栄養素にはリン酸の他に「窒素」と「カリウム」があります。リン酸は特に窒素と密接な関係で結ばれており、植物が正常な育成ができるよう吸収した窒素分をタンパク質(細胞)に代えるためにリン酸が手助けをしています。これが「窒素同化作用」です。 リン酸が不足すると、この作用が鈍り健全な生育を実現できなくなってしまいます。 アクアリウムの水槽内では窒素は積極的に水草に消費されますが、餌やフンなどリン酸を含む要素が多く、需要と供給のバランスが崩れてリン酸過多に陥りやすいです。

リン酸の過多に対する予防・対策

では、リン酸過多にならないように気を付けるにはどうしよいのでしょうか。いくつかのポイントをご紹介します。

・エサを与えすぎない
・生き物の飼育数を抑える
・成長が速い有茎草や浮草を多く植える
・定期的な換水、底床掃除をしっかりと行う
・追肥は少しずつ行う

エサを与えすぎない

熱帯魚のエサは多量のリンを含みます。エサのあげすぎによって出た残餌は、水に溶け水槽内のリン酸濃度を上げる要因となります。エサの与えすぎは水質を悪化させるきっかけになってしまうのです。

生き物の飼育数を抑える

生き物のフンや残餌の放置によって蓄積しやすくなるリン酸ですが、生き物の飼育数を抑えればどちらとも根本的に解決できます。

成長が速い有茎草や浮草を多く植える

成長が速いという事は、それだけ栄養分の吸収が速いという事です。ハイグロフィラやロタラなどの有茎草を植えたり、根からよく養分を吸収する浮草などを入れると自然の力でリン酸の過剰な蓄積を防ぐ事ができます。

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定期的な換水、底床掃除をしっかりと行う

とはいえ、生き物にエサを与えないという選択肢はありません。水槽内のリン酸濃度を薄めるためには定期的な換水が必須です。沈殿した餌が底床内に残っていてはなかなかリン酸濃度は低減しないので、しっかりとした底床掃除が重要になります。また、リン酸が蓄積しているという事は硝酸塩も蓄積している事が多く定期的な換水も必須です。

底床掃除にはプロホースの使用が便利です。

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追肥は少しずつ行う

水草に追肥する際の基本です。追肥は一度に多量行ってしまうと、水草が吸収しきれません。水槽内に残った栄養分はコケが発生する原因になります。

おすすめのリン酸測定試薬・除去剤

自分の水槽の中にいったいどのくらいリン酸が蓄積しているのか?それを簡単に教えてくれるのが「リン酸測定試薬」です。定期的に試薬でリン酸の濃度を測っておけば水換えのタイミングを把握するための指標にもなります。また、一通りコケの除去と底床掃除を行ったけれど不安!という方は「リン酸除去剤」活用しましょう。それではそれぞれおすすめの商品をご紹介します。

まずはリン酸測定試薬です。こちらの商品がおすすめ!

セラ PO4(リン酸)テスト 15mL

淡水・海水両用できる測定試薬です。簡単な色比較でリン酸塩値を測定することができます。

続いてリン酸除去剤です。こちらの商品がおすすめ!

エーハイム リン酸除去剤 (6個入り) 淡水海水用

pHを変動させることなく、水槽内のコケ発生の原因となるリン酸塩やケイ酸塩を吸着して除去する吸着剤です。熱帯魚、海水魚、サンゴやソフトコーラル、水草、エビ、カニ等の飼育水槽に使用でき、外部式フィルター、上部式フィルター、外掛け式フィルター、オーバーフローフィルター等に使用できます。

B-blast 究極のコケ知らズ リキッド 500ml

コケの二大発生原因「硝酸塩」「リン酸」を除去するコケ抑制剤です。水草に対して作用するタイプの調整剤ではないためウィローモスやリシアに対しても被害はなく、水草水槽でも安心してご使用いただけます。
安心して利用できます。

カミハタ フォスフェイトリムーバー PO4X4 250ml

高分子ポリマーに鉄を結合させたユニークな淡水・海水両用のリン酸吸着材です。表面積が大きく、効率の良い吸着効果が期待できます。

リン酸除去剤は熱帯魚メインの水槽で使用すると効果的です。水草レイアウトがメインの場合は、水草の成長を阻害してしまうためリン酸除去剤の使用は控えましょう。この場合は液肥の添加と水替えで調整します。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございました。
リン酸の過剰蓄積を防ぐことは、水草レイアウトの美しさを保つことにつながります。基本的なことを押さえれば怖くありません。何ごとも初心を忘れずに!

投稿者
T

1997年10月8日生まれ。愛知県出身。アクアリウムは初心者で、ビギナーの心に寄り添った記事を目指しています。自宅でフトアゴヒゲトカゲを飼育(8歳)趣味のオートバイはかれこれ6年目に突入。

ティーよりコーヒーが好き。

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