どうも、ほにゃらら sp.です。
今回は「吸着材」について。
水槽内の不純物を吸着するためのアイテムですが、一口に吸着材と言ってもいろいろあります。
そのあたりを掘り下げて説明します。
吸着剤とは
吸着剤とは、水槽内の不純物を吸着除去するためのアイテムです。
化学的ろ過の一種でもあり、ろ材の一種と捉えることもできるでしょう。
基本的に他のろ材同様、フィルター内に入れて使用します。
▼こちらも参考 「化学ろ過」に相当する箇所となります。
吸着材の種類
吸着材は基本的に3種類に大別されます。
種類によってできることが違うので、目的に応じて使い分けましょう。
活性炭
活性炭は白濁りや黄ばみといった、“水への着色”の除去に長けた吸着材です。魚病薬による着色も吸着します。
不快な悪臭を吸着する効果もあります。
ほとんどのフィルターに標準で付属しており、水槽の水を透明に保つ上で欠かせない役割を担ってくれます。
なお勘違いされることが多いのですが、活性炭にアンモニアの吸着除去機能はほとんどない点には注意が必要です。
アンモニアの吸着除去には後述するゼオライトが有効です。
製品によって形状はさまざまですが、どの製品も効果自体は同様です。使用するフィルターの形状や、ろ材に練り込むなど付加された機能などを見て、好みに応じて選ぶと良いでしょう。
▼こちらも参考
ゼオライト
ゼオライトはアンモニアの吸着に長けた吸着材です。
硝酸塩や重金属を吸着除去する機能も持ち合わせています。
活性炭に次いで吸着材としては一般的で、ほとんどのフィルターに搭載されています。
というのも、アンモニアは熱帯魚にとって毒性が強いので、もし飼育水中に含まれるようであれば真っ先に除去しなければならないからです。
ゼオライトは比較的安価な上、吸着効果も強いのでさまざまな場面で採用されています。
一方で、吸着量の限界を迎えると吸着効果はなくなるため、こちらも定期的な交換が必要です。
製品に記載の期限を目安に、定期的に交換していくことが水質維持の上で重要です。
ゼオライトの吸着作用は「イオン交換」という性質を利用したものになっています。
アンモニアは水中では「アンモニウムイオン」というイオンの形で存在しており、これに対しゼオライトは「アンモニウムイオン」「カルシウムイオン」「マグネシウムイオン」など水中に含まれる陽イオンを選択的に吸着する特性があります。
この特性を利用して水中のアンモニアの除去に使用されます。
なお除去したアンモニアはなくなるわけではなく、ゼオライト内で保持されます。
そしてゼオライト自体も多孔質であることが多く、硝化バクテリアが定着しやすい構造になっているものも多いです。
吸着したアンモニアに誘引される形で硝化バクテリアが定着すれば、ゼオライト自体がろ材としても活用できます。
ただし、限界まで吸着した状態で長期間放置すると吸着した有害物質を再放出することがあるので注意が必要です。基本的には製品に記載のある期限のタイミングで交換しましょう。
リングろ材などの多孔質な生物ろ材と併用することで、ろ材側にバクテリアの定着を促すことができます。この組み合わせでの使用は大変効果的です。
副次的ですがカルシウムイオンやマグネシウムイオンを吸着する効果もあるため、硬度を若干ながら下げる作用もあります。弱酸性の軟水を好む熱帯魚に有効といえます。
※ゼオライト単体での硬度低下効果は大きくありません。
pHやGHを大きく下げたい場合は、専用の調整剤を使用したほうが良いでしょう。
またゼオライト単体での効果は微々たるものであるため、アルカリ性を好む熱帯魚にも問題なく使用できます。
ケイ酸塩・リン酸塩吸着材
ケイ酸塩・リン酸塩はコケ発生の原因となる物質です。
水中のケイ酸塩が多いと茶ゴケが、リン酸塩が多いと緑ゴケが発生しやすくなります。
これらの吸着剤を添加することで水中に含まれる量を低減させ、コケ発生の原因を減らします。
このタイプの吸着材はふつう、フィルターには標準搭載でないことが多いです。必要であれば、別途追加が基本になります。
効果期間は水道水の原水の成分によって大きく異なります。
お住まいの地域によって長持ちすることもあれば、すぐに効果が切れてしまうこともあります。
試薬を用い測定しつつ、効果が見られなくなったら交換してください。
※ケイ酸塩・リン酸塩吸着材は淡水、海水どちらかでしか使用できない製品も多いです。
ご購入前に、どちらの水槽に対応する製品となるかはよくご確認ください。
フィルター機種別 導入方法
投げ込み式フィルターの場合
外掛け式フィルターの場合
上部式フィルターの場合
外部式フィルターの場合
いろいろな吸着材 まとめ
物理ろ過や生物ろ過に比べると、吸着材による化学ろ過はやや優先度が落ちます。
しかし、重要な役割の一つであることに変わりはありません。
目的に応じてろ材の内容をいじれるようになると、アクアリストとしてまた一つレベルアップしたといえそうですね。
コメント