熱帯魚が餌を食べないとき

エサを食べない
エサを食べない

どうも、ほにゃらら sp.です。

今回は餌を与えても魚が食べないときに確認すべきチェック事項をご紹介します。

「目の前にあるんだから食べてくれよ……」
ただエサを投入するだけでは、この思いが魚に届くことはありません。

餌を与えているのに食べてくれない。そんなときはいくつかの原因が考えられます。
実は多くの熱帯魚は一週間くらい餌を食べなくても平気です。
焦らず、丁寧に調べて原因を特定しましょう。

買ったばかり?

もしかして、その魚は購入して間もないでしょうか?

購入して間もない場合、まだ環境に慣れていないことからすぐに餌を食べてくれない場合があります。
ショップで食べていたものと同じ餌を与えたとしても、環境の変化になじんでいない場合は食べてくれません。

同居魚が食べている様子を見せるなど、しばらく様子を見るとそのうち食べるようになると思います。

ただし痩せてくる場合は危険信号です。
その場合は、こちらを試してみてください。


水質が合っていない

見た目に異常がない場合は、病気を発症するほどでもないものの、何かしら調子を崩しているのかもしれません。一旦水換えして様子を見ると良いでしょう。

水換えを刺激に、食いを取り戻すこともありますよ。

pH・硬度やレイアウト素材、ろ材の組み合わせが適切でない可能性もあります。
例えば、本来弱酸性を好む魚を弱アルカリ性のpHで飼育している、またはその逆で本来弱酸性を好む魚を弱アルカリ性で飼育しているなど。硬度が高過ぎたり、低過ぎたりしていないかも注意が必要です。
弱酸性を好む生体でも、硬度は0よりは少しあった方が良いというケースは多くあります。
また、好む水質であっても、pHの下げ過ぎ、上げ過ぎというパターンもあるかもしれません。

弱酸性に傾ける要素
  • ソイル
  • 流木
  • CO2の添加

下げれば良いってワケじゃない

アピストグラマ・トリファスキアータ

アピストグラマは一般的に弱酸性の軟水を好みますが、種類によって適切な値には差があります。

例えば、トリファスキアータ下げ過ぎても調子を崩します。pH6.5前後と、中性に近い弱酸性で最も調子が良くなります。

弱アルカリ性に傾ける要素
  • 大磯砂(など砂利系の底床)
  • かざりサンゴ、貝殻

素材の組み合わせ、重要です

バタフライ・レインボー

テトラやラスボラ同様、水草水槽に合う小型美魚として知られるレインボーフィッシュ。

水質に対する要求はあまり高くないのですが、実は少し硬度がある環境を好みます。
流木中心+ソイルのレイアウト水槽で調子を崩すことがあるのはこのためです。

底床やレイアウト素材などとの相性が悪い可能性も疑ってみてください。


病気かもしれない?

いつもは餌を食べてくれる魚が突然食べなくなったときは、この可能性を疑います。
また、本来群れを作る魚が一匹だけはぐれているときも、病気の可能性を疑いましょう。
何かしら病気にかかっている場合、見た目に異常があるはずです。

体表やヒレを注意深く観察し、もし問題があれば薬浴を開始するといった対処すべきでしょう。

見た目に特に異常が見られない場合は、0.5%塩水浴を試します。
塩水浴についての詳しくは、こちらの記事をご覧ください。


水温が合っていない

もしかしてヒーターやクーラーが故障していませんか?
ヒーターの製品寿命は約1年といわれています。

昨日まで元気だった魚がやけに大人しいときは、水温を確認してみましょう。

ヒーターはある日突然故障してしまうこともあるので、予備を持っておくと安心です。
クーラーの場合は、循環用のポンプが故障している可能性があります。
ポンプが動いていない場合は、一旦電源をOFFにしてインペラー部(プロペラのところ)を確認しましょう。軸が折れていたり、プロペラの羽が破損しているかもしれません。


餌付けが必要?

ここまでチェックしてダメとなると、いよいよ餌付けが必要な個体なのかもしれません。
種類によっては人工飼料に餌付かず、生餌しか食べないものもいます。

このような場合には、生餌を与えるのが有効です。

生体の種類にもよりますが、まずは冷凍餌や加工餌を与えてみましょう。
それがダメなら活きた餌を与えると良いでしょう。

確実性重視なら、最初から活き餌を試すのも有効です。

餌を口に入れた後に吐き出す場合は、餌として一旦認識はできています。
しかし、合わないと判断しているかもしれません。

この場合は食べてくれるまであと一歩です。
近い形状・性質の別の餌を与えると良いでしょう。

人工餌に餌付きにくい魚種の例

フグの仲間

アベニーパファー
フグの仲間

アベニーパファーをはじめとしたフグの仲間は拒食を起こしやすいことで知られます。
人工飼料には餌付かない個体も少なくありません。

そのような個体には、冷凍赤虫クリルが有効です。
これらの餌で徐々に慣らしていき、やがては人工飼料に切り替えます。

人工飼料を食べない個体も一定数存在します。
そのような個体の場合は、そのまま冷凍赤虫かクリルで育てます。


バジスの仲間

スカーレットジェム
バジスの仲間

スカーレットジェムをはじめとしたバジスの仲間は、トップクラスに人工飼料に餌付きにくいグループとして知られます。止まっている餌を餌と認識することができないらしく、人工飼料は赤虫などに形状を似せることでやっと反応してくれるかどうか、といったところです。

基本的に人工飼料はほぼ食べないため、ブラインシュリンプ冷凍赤虫を主食として与えましょう。徐々に慣らしていけば、人工飼料を食べることもあります。


ヨウジウオの仲間

レインボーパイプフィッシュ
ヨウジウオの仲間

口が細長いヨウジウオの仲間は、ブラインシュリンプの幼生などの微細な餌しか食べません。慣らせば冷凍ブラインシュリンプを食べるようになります。

その性質上、人工飼料は基本的に食べられません。生餌での管理が基本となります。


試したい餌一覧

人工飼料に餌付かないときは冷凍餌・生餌を試しましょう。
どの餌を食べるかは、魚のサイズ、習性、生態から推測し、いろいろ試してみる必要があります。

冷凍の餌でも(死んだ餌でも)食べてくれるのか、生きた餌でないと食べてくれないのかは個体によります。こればかりは試してみないと分かりません。

ここでは体長10cm以下の小型魚を対象に、いくつか例を紹介します。


冷凍赤虫

餌食いが悪い魚に、まず最初に試したい餌です。

人工飼料を食べない小型魚でも、冷凍赤虫なら食べてくれることが多いです。

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冷凍ミジンコ

赤虫を食べられないほど口が小さな魚や、赤虫を食べてくれないときに試したい餌です。

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イトメ(イトミミズ)

赤虫を食べない場合にこちらを試します。
大抵の場合、イトメ、赤虫、ミジンコのいずれかは食べてくれるでしょう。

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ミルワーム

赤虫では小さ過ぎる場合、口が大きい魚の場合に与えます。
目安として体長15cm以上の魚の場合、赤虫よりこちらの方が有効な場面があるかもしれません。

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缶入りなどの扱いやすい加工タイプもあります。

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クリル(オキアミ)

エビなどの甲殻類を主食とする魚種に有効です。
甲殻類が主食の生体には先にこちらを試しましょう。
虫系の餌を試して食べない場合、こちらを試すと食べてくれることがあります。
特に拒食を起こしやすいフグ類には有効です。

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※大型魚用のクリルもあります。魚種に合わせてサイズを選びましょう。


ブラインシュリンプ

非常に微細な甲殻類の幼生です。
通常、卵で販売されているのでこれをふ化させて与えます。
食い付きが良いですがふ化させる手間があります。

ふ化させる必要のないむき身タイプの製品もあります。
そのまま与えられますが、卵に比べると食い付きが劣る傾向があります。

熱帯魚の繁殖の際の必需品ですが、餌付きにくい小型魚に与える活き餌としても優秀です。

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冷凍タイプの製品もあります。

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餌を食べてくれないとき まとめ

魚が餌を食べてくれないときのトラブル対処法。
これで一通りお伝えしました。拒食で悩んだときはぜひ試してみてください。

魚が餌を食べない原因はさまざまなものがあります。
一つ一つ丁寧に原因をつぶしていかないと、なかなか真の原因にたどり着くことは困難です。

中には食性が不明なまま入荷してくる魚もおり、こういったものには本当に試行錯誤しながら取り組む必要があります。

餌を食べてくれないということは、「餌を食べる気力がない」「餌として認識できていない」のどちらかです。

気力がない場合は、水質や病気に原因がある可能性を疑います。
導入したばかりの場合も、まだ環境に慣れていないのでこちらのパターンです。

餌として認識できていない場合は、その魚の生態や近縁種の食性をまず調べてみましょう。
調べて分かったことから想像を膨らませ、あれこれ工夫しながら試してみるのが重要ですね。

投稿者
ほにゃらら sp.

福島県産のワイルド個体。
ロカリティの詳細は残念ながら記録がない模様。
アクアリウム歴はだいたい20年くらい。
「同属内で多様なバリエーション」が好き。若干コレクター気味。
つまりコリドラスや、ミクロソリウムが最高。ということですね。

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