どうも、ほにゃらら sp.です。
今年も夏がやってまいりました。
夏の暑さ対策は、熱帯魚飼育において重要な課題のひとつでしょう。
何せ、もし対策が無ければ魚や水草が全滅しうるリスクを抱えているのですから……。
暑さ対策のアイテムとしては「冷却ファン」「クーラー」の2つが挙げられますが、今回はこのうち「冷却ファン」について、各製品の特色を掘り下げてご紹介します。
冷却ファンは水槽用クーラーに比べると冷却性能は弱いです。
しかし、その分安価で導入しやすいものが多く、配管などの知識も不要で設置も簡単です。
極端な高水温でなければ、冷却ファンだけでも十分に対応できる場面は多いでしょう。
一見似ている製品も、一つ一つ見ていけば少しずつ特色が異なります。
お手持ちの水槽の飼育環境にあった製品を選んでみましょう!
前提 冷却ファンが有効な場面
冷却ファンは基本的に室温30℃以下の環境で有効です。
それ以上の高温になる環境下では、製品本来の性能が十分に発揮されません。
また、水位の低下も激しくなるため、極端な高温環境での使用には注意が必要です。
31℃以上にも達するほどの高温となる環境下では、水槽の設置場所を見直したほうが良いでしょう。
この場合は水槽のある部屋のエアコン、水槽用クーラーを使用してください。
▼31℃を超える場合はこちらを参考
おすすめの冷却ファン ~2023夏~
冷却ファンとひと口に言っも製品によって特色はさまざまです。
いくつか人気商品をピックアップして、その特長を見ていきましょう。
テトラ 25℃ダブルクールファン CFT-60W
サーモスタット内蔵式の冷却ファンです。
水温が25℃になるまで動作し、25℃以下になると温度制御機能により運転を停止します。
これにより、冷え過ぎを防止します。
2つの小型クールファンで30~60cm水槽まで対応できます。
フレームレス水槽や幅16mmまでのフレーム付水槽、テトラオートワンタッチフィルターなどの外掛け式フィルターに取付が可能という点も見逃せません。
総じて幅広い水槽に対応できる汎用性の高さが魅力の冷却ファンといえます。
テトラの外掛け式フィルターを使用されている水槽の場合、さらに優先度は高くなるでしょう。
迷ったら本品を選んでおけば問題ないでしょう。
「テトラ クールファン」シリーズには他にも、対象水槽サイズが30cm水槽向けになった「テトラ 25℃クールファン CFT-30」や、コスト重視で温度制御機能がない「テトラ クールファンCF-60W」などもあります。
お手持ちの水槽に合わせ、お好みのものを選ぶと良いでしょう。
コトブキ工芸 スポットファン 204
シンプルイズベスト!な外掛け式の冷却ファンです。
サーモスタットによる温度制御機能など、送風以外の機能はありませんが、冷却ファンとして必要な機能が備わっており、コスト重視の場合は優先度の高い製品です。
比較的安価に導入できますが、それでも2~4℃程度の水温低下と十分な効果が見込めます。
ファンの吸気口に抵抗なく、360度全方向から空気を取り入れることが可能な設計となっています。
吸気ロスを減少し、気になる音も軽減します。
GEX アクアレイクール レギュラー
幅4.7×奥行5.8×高さ3.3cmと超コンパクトサイズの冷却ファンです。
本体は驚くほど小さいものの、60cm水槽でも約4℃下げられるという見た目に反したパワフルな冷却能力が注目の製品といえるでしょう!
またUSB接続式なので、デスク・PC周りに小型水槽を配置する際も重宝します。
今風のアクアリウム事情に合わせた、新時代の冷却ファンという位置づけの製品といえます。
専用のアダプターを接続することで、通常のコンセントに接続することも可能です。
置き型で使える点も、冷却ファンとしては珍しい機能です。
水槽環境に合ったお好みの方法で設置が可能です。
また水槽サイズに合わせた3種のサイズ展開となっています。
60cmレギュラー水槽向けの他にも、小型水槽向け、大型水槽向けとそろっているので、手持ちの水槽サイズに合わせてベストな製品を選びましょう。
エヴァリス サーモ&フロー TX60
サーモスタット内蔵式の冷却ファンです。
機能としては先述の「テトラ 25℃ダブルクールファン CFT-60W」に似通った部分がありますが、こちらはファンが1台となり、集中的に送風を行えるのが相違点です。
冷却できる範囲の広さはテトラのほうが勝りますが、コンパクトな設置が可能という点ではこちらが勝ります。
水温が26℃を超えるとスイッチが入り、約2~4℃水温を下げることができます。
26℃以下になると自動で運転を停止し、冷え過ぎを防止します。
AQUAGEEK クールブラスト
風量調節が可能な外掛け式冷却ファンです。
またコンパクトサイズながら90cm水槽まで対応できるパワフルな最大風量も魅力です。
本品は風量の調節が可能なことで蒸発量の調節を行えるのも魅力でしょう。
冷却ファンの性質上、水の蒸発による水位低下は必ず発生します。
しかし、外気温が低い時は風量を弱めることで過剰な蒸発とそれによる水位低下を防ぐことができます。
ニッソー クールサイクロン レギュラー
コンパクトな形状の冷却ファンです。
扱いやすいシンプルな冷却ファンといえ、レームレス水槽・枠有り水槽どちらにも簡単に固定することができます。
60cm水槽対応となる「レギュラー」の他に、120cmクラスの大型水槽に対応する「ビッグ」「サーモプラス ビッグ」もあります。
水作 ミニクールファン USBstyle
垂直~45度まで角度調節可能な小型冷却ファンです。
USB電源を使用するため、デスク・PC周りに小型水槽を配置する際も重宝します。
上述の「GEX アクアレイクール」シリーズに似た部分がありますが、こちらはより小型水槽への使用に特化しています。
30cm以下の水槽や、ボトルアクアリウムなどではこちらも選択肢となるでしょう。
その他の冷却ファン
ここまでで紹介した冷却ファンは2023年夏までに発売された、人気商品の一例です。
他にもさまざまな製品がありますので、お好みの製品を探してみましょう。
後付け逆サーモスタット
ここまで紹介した製品の中には、サーモスタット機能が内蔵されており温度制御機能があるものと、ないものとが存在しました。
しかし温度制御機能がない製品を選んでも、「逆サーモスタット」と呼ばれる製品を接続することにより温度制御機能を追加することができます!
もし、冷え過ぎへの対策を後付けしたくなった場合は、この「逆サーモスタット」を接続することで解決します。付けておくと冷えすぎを防げるので安心ですね。
知っておきたい冷却ファンのあれこれ
冷却ファンを使用するにあたって、知っておきたい関連知識を紹介します。
フタの使用に制限がかかる
冷却ファンは送風面積が広いほど多くの気化熱を発生させることができるので、水温を下げる能力は高くなります。
しかし、水面広くに送風するためには、水槽へのフタの設置が難しくなります。
レイアウトがメインの水槽ではあまり問題になることはないかもしれませんが、エビやハチェット、ドジョウやハゼの仲間など、飛び出し事故が多い生体をメインで飼育する水槽の場合はご注意ください。
これらの生体が多く暮らす水槽の場合には、スポット的に送風できる製品の方が、フタが併用できるので有効な場合もあります。
また、飛び出し事故は水位を下げることでもその確率を低減できます。
なお飛び出し対策として完全に密封した場合、送風できる場所が無いので冷却ファンは設置できません。
この場合は水槽用クーラーを使用した方が良いでしょう。
水位の低下が早くなる
冷却ファンは気化熱を原理として水温を低下させています。
気化熱とは、液体が蒸発して気化するときに吸収される熱のことをいいます。
このため、冷却ファンを稼働させると水位の低下が早くなることは避けられません。
水の蒸発が主なメカニズムであるため、気化されればされるほど水温が下がりますが、それに伴い水位もどんどん下がります。
冷却ファンを付けている水槽は著しく水位が下がりますので、できれば毎日観察して必要であれば足し水を行ってください。
また、このことから冷却ファンを付けたまま長期間外出すると、思いもよらぬほど水位が低下している場合があるので注意が必要です。
使用環境にもよりますが、1~2日程度であれば問題はないことが多いです。
フィルターなどのポンプの給水口よりも水位が下がってしまうと、故障や事故の原因となりうるため注意が必要です。
温度を上昇させる効果はない
当然と言えば当然ですが、冷却ファンに水温を低下させる機能はあっても水温を上昇させる機能はありません。
例えば「26℃で自動制御」と書かれていた場合、26℃まで水温が下がるように運転してくれます。
しかし、冷却ファンですので26℃未満の時に26℃まで温める機能はありません。
常に一定の水温を要求し、高くても低くてもダメというようなシビアな要求をしてくる生体に関しては、クーラーとヒーターを併用するのが一般的です。
水温を上昇させたい場合はヒーターを使用しましょう。
おすすめの冷却ファン まとめ
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