バタフライ・レインボー<熱帯魚解説>

レインボーフィッシュ
レインボーフィッシュ種類解説(熱帯魚)

どうも、ほにゃらら sp.です。

今回ご紹介するのはバタフライ・レインボー。
水草レイアウト水槽では定番のレインボーフィッシュですね。

黄色いボディに背ビレと尻ビレが白く染まり、黒い細かいスポットが入ります。
繊細な美しさを持っており、どんなレイアウトにもよく似合います。

テトラやラスボラに次ぐ第3の小型美魚として、レインボーフィッシュの地位を確立した立役者のうちの一種といっても、過言ではないでしょう。

バタフライ・レインボーとは

生物学的情報
名前バタフライ・レインボー
学名Pseudomugil gertrudae
分類トウゴロウイワシ目トウゴロウイワシ亜目メラノタエニア科シュードムギル亜科
食性雑食
分布ニューギニア南部
オーストラリア北部
飼育要件
飼育しやすさ★★★★★
とても容易
入手しやすさ★★★★★
よく見かける
混泳しやすさ★★★★★
とても混泳向き
最大体長4cm程度
適正水温20~27℃
pH生存可能:6.0~8.0
適正範囲:7.0~7.5
備考特になし
標準的なレインボーフィッシュです。

バタフライ・レインボーは(ニューギニア南部、オーストラリア北部)原産のレインボーフィッシュです。

バタフライ(蝶)に例えられるように、オスの背ビレと尻ビレは大きく伸長します。
メスはこの伸長は控えめです。

「ポポンデッタ・フルカタ」と同じPseudomugilシュードムギル属に分類されており、水草レイアウト水槽に群泳させる小型美魚として古くから根強い人気を誇ります。

60cm水槽で20~30匹ぐらいを目安に、群泳させるとレイアウトが引き立ちます。

岩組レイアウトに
オススメ
岩組レイアウト

水草レイアウト水槽に泳がせる小型魚としては、「テトラ」「ラスボラ」「レインボーフィッシュ」が3大美魚といえるでしょう。

このうちレインボーフィッシュに関しては、他のグループよりも硬度のある環境を好む傾向があります。
pHはちょうど7.0の中性付近が最適です。
どちらかといえば、弱酸性よりもむしろ弱アルカリ性に傾いていたほうが調子が良い傾向があります。

このため、流木よりも石を中心に組んだレイアウトのほうが本種が好む水質になりやすく、ゆえに岩組レイアウトでの適正が高いのです。

風山石
木化石
溶岩石
龍迅石

一応、適応力の高い魚種ですのでソイルと流木を組み合わせたスタンダードな流木レイアウトにも適応できます。

しかし低硬度、低pHに偏らせた環境にするのであれば、テトラやラスボラなどを採用したほうがより良い発色が見られるでしょう。


バリエーション

バタフライ・レインボー アルー4

インドネシア、アルー諸島原産のバタフライレインボーの1タイプです。
4タイプいるといわれる地域変異の1つで、黄色みが薄くなって青白さが際立ちます。

青みが強い美しさは独特な味わいがあり、海外の愛好家からも注目を集めました。
入荷のタイミングは非常に限られています。

飼育に関しては、通常のバタフライ・レインボーと特に変わりません。

アルー4との比較
  1. ボディが黄色
  1. ボディが青白

シルエットはよく似ていますが、ボディの発色で一目瞭然です。
通常のバタフライレインボーは黄色が強いのに対し、アルー4は青さが際立ちます。

▼アルー4について詳しくはこちら

バタフライ・レインボー“アルー4”<熱帯魚解説>
バタフライ・レインボー”アルー4”はバタフライ・レインボーの地域変異型です。4タイプあるうちの一つで、青さが強調された色彩で愛好家を魅了しています。

バタフライ・レインボー似のレインボーフィッシュ

デリケートブルーアイ・レインボー

学名:Pseudomugil tenellus

ニューギニア南部、オーストラリア北部原産のレインボーフィッシュの仲間です。

他の種に比べてやや地味な体色からか、注目を浴びることは少ない種です。
しかし、飼い込むほどに味わい深い魅力を発揮し、体側の金の輝きとブルーに光る目や特に赤く色づく赤い背ビレは美しく、ゴージャスな雰囲気が出てきます。

デリケートの名称から飼育が難しそうな印象を受けますが、実際はブルーアイ系のレインボーフィッシュの中でも飼育は容易な部類です。
温和なので混泳にも最適です。

シュードムギルsp.ティミカ

学名:Pseudomugil luminatus
Pseudomugil sp.“Timika”
Pseudomugil paskai?
Pseudomugil sp.“Red Neon”

イリアンジャヤ西部、ティミカ原産のレインボーフィッシュです。

各ヒレにはバタフライ・レインボーと良く似た細かな黒いスポットを持ち、シルエットもそっくりです。
成熟した個体では体側後半部は濃いオレンジの発色を見せます。
やや彩度の強いバタフライといったような見た目に仕上がります。

飼育は導入時に注意が必要で、水質の変化やスレに弱い面を見せます。


有用なアイテム

バタフライ・レインボーの飼育に関しては教科書通りの飼育で十分対応できるため、初心者の方でも飼育しやすいレインボーフィッシュです。

レインボーフィッシュ全般に共通する基本的な性質については、レインボーフィッシュ共通ページをご覧ください。


混泳について

バタフライ・レインボーは非常に混泳向きのレインボーフィッシュです。
同程度のサイズのレインボーフィッシュ同士であれば基本的に問題ありません。

グッピー、プラティ、テトラ、ラスボラ……。
人気の小型熱帯魚とも混泳相性は抜群です。

レイアウト重視でバタフライ・レインボーとの混泳相手を選ぶ場合、2点コツがあります。

まず1つは、レインボーフィッシュを組み合わせる場合はなるべくサイズが同程度でシルエットが異なる種を組み合わせると良いでしょう。
「ネオンドワーフ・レインボー」や「ニューギニア・レインボー」などがオススメです。

もう1つは、テトラ類との組み合わせです。
テトラ類とは概ね混泳可能ですが、本種が中性付近の水質を好むことを考えると、弱酸性に傾けなくてもある程度発色の出る種との混泳が向いています。
「カージナル・テトラ」や「ブラックネオン・テトラ」などがオススメです。

弱酸性を要求する種は微妙かも
ラミーノーズ・テトラ
レッドファントム・テトラ

「ラミーノーズ・テトラ」や「レッドファントム・テトラ」などは、混泳自体は可能です。

しかし、レインボーの好む環境に合わせた場合、発色を引き出すのが難しいかもしれません。

ヒレをかじる種は避けましょう
エンペラー・テトラ
インパイクティス・ケリー

「エンペラー・テトラ」や「インパイクティス・ケリー」などの、多少でもヒレをかじってしまうテトラ類との混泳はあまり向きません。

テトラ類同士であればさほど問題にならない組み合わせでも、レインボーフィッシュはテトラほど機敏ではありません。
ヒレを痛めると、観賞価値を大きく損ないます。

混泳相手混泳相性備考
グッピー
プラティ・卵胎生メダカ
カラシン・小型テトラ
テトラ類は弱酸性を好みます。
コイ・ラスボラ
ローチ・ボーシャ・タニノボリ
ローチ、タニノボリ系は好相性です。
ボーシャ系の攻撃性を持つ種では注意が必要です。
フライングフォックス/アルジイーター
ドワーフシクリッド
サイズ差に注意
アフリカンシクリッド
×
エンゼルフィッシュ
サイズ差に注意
ディスカス
サイズ差に注意
ベタ・グラミー・アナバス
コリドラス
オトシンクルス・ロリカリア
プレコ
レインボーフィッシュ
ハゼ・ゴビー
フグ・パファー
×
エビ・ビーシュリンプ
稚エビは食べられる可能性があります。
バタフライ・レインボーの混泳相性表
※混泳相手の種や性格によっては、例外もあります。
◎・・・混泳に適した組み合わせです。
〇・・・混泳は可能ですが、種や個体の性格によっては工夫が必要な場合もあります。
△・・・混泳は不可能ではありませんが、適しているとは言えません。工夫次第で可能になる場合もあります。
×・・・混泳には適さない組み合わせです。

基本的には、レインボーフィッシュに対し攻撃を仕掛ける生体でなければ、ほとんどなんでも混泳可能です。
レインボーフィッシュがトラブルの火種になることは少ないですが、レインボーフィッシュ以外の同居魚同士の相性はよく考えてあげてくださいね。

レインボーフィッシュ以外の生体間での相性はあるので、留意しましょう。


繁殖について

十分に成熟したペアであれば繁殖は容易です。
水草の繁茂したレイアウト水槽で本種を単独飼育していると水草などの基質に粘着卵を産みます。
ウィローモスなどをよく茂らせておくと良いでしょう。

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ふ化後の稚魚は小さいのでインフゾリア等を用意する必要がありますが、ある程度育てばブラインシュリンプ幼生を食べられるようになります。

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バタフライ・レインボー まとめ

バタフライ・レインボー。

大きな背ビレと尻ビレを広げて舞う姿は、まさに水草水槽に舞う蝶のよう。
状態良くじっくり飼育すると、オスは各ヒレが伸長し、小型魚ながら見ごたえがある姿に育ちます。

岩組系レイアウトなら特にイチオシの小型美魚です。
ぜひ、群泳させてみてくださいね。

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投稿者
ほにゃらら sp.

福島県産のワイルド個体。
ロカリティの詳細は残念ながら記録がない模様。
アクアリウム歴はだいたい20年くらい。
「同属内で多様なバリエーション」が好き。若干コレクター気味。
つまりコリドラスや、ミクロソリウムが最高。ということですね。

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