どうも、ほにゃらら sp.です。
今回はアクアリウムの一大事、「停電」が起きた場合にやるべきことを紹介します。
停電が発生した際に、即座にやるべきことは3つあります。
①安全の確保
②水温の維持
③酸素の供給
安全の確保
まず停電が発生した場合、地震や台風、落雷など災害が原因の可能性もあります。
ガスや水道の確認も必要かもしれません。
大切な熱帯魚を守るために、すぐに処置に当たりたくなる気持ちはよく分かります。
しかし、まずは冷静に。周囲の状況を確認しましょう。
身の回りの安全が確保できてから、熱帯魚の処置に当たってください。
また、家電製品は水槽周りに限らずコンセントは一旦すべて抜きましょう。
停電復帰時に一斉に稼働することで負荷がかかり、ブレーカーが落ちるのを防ぐためです。
水温の維持
身の回りの安全が確保できたら、真っ先に水温の維持に務めます。
熱帯魚の場合、何よりも水温維持が重要です。
季節が生死の分かれ目に
水温維持の難易度は、季節に大きく依存します。
春、秋>冬>夏 の順に生存確率が高く、夏が一番低く、難易度が高いと言えます。
熱帯魚なので夏場の方が水温が維持できそうに思えますが、逆に水温が上がりすぎてしまいます。
保温する方法は応急処置でもいくらか用意できますが、保冷する方法を緊急時に用意することは困難です。
このため、気温が安定する春・秋が最も生存確率が高く、次点で冬、最も難しいのが夏となります。
多くの熱帯魚は一時的に20℃程度までなら下がっても復調できますが、30℃を超えると深刻なダメージを受けることがあります。
水温維持の優先度が高くない魚種
一方で、もしメダカや金魚など日本の気候に適応している魚種を無加温で飼育している場合は、必ずしもこの保温は重要ではありません。その場合は、エアレーションの方を優先してください。
ただ、ヒーターなどで加温して飼育している場合は、温度差が生じるので保温は必要です。
保温の優先度は高くありませんが、外気温が高い場合保冷は必要です。
酸素の供給
酸素の供給は最重要に思えますが、実はそれほど優先度が高くありません。
水温変化によるダメージと、酸欠によるダメージを比べると、酸欠の方がまだ軽微です。
したがって、まず水温の維持に努め、その次にもし可能ならエアレーションを確保します。
最も理想的なのは、電池式または充電式のエアーポンプです。
「携帯用エアーポンプ」と総称されるので、そのカテゴリから探すと良いでしょう。
エアーポンプの役割
エアレーションの役割は二つあります。
一つは、水中へ酸素を供給すること。
これはエアレーション本来の役割です。生体が大型だったり、数が多い場合は重要です。
生体があまり大きくない場合や、数が少ない場合はそれほど重要でもなかったりします。
もう一つは、水を攪拌し、“淀み”を生じさせないようにすること。
淀みは多くの熱帯魚にとって大敵です。
全く止水の状態では水質が悪化しやすくなります。
エアレーションによる攪拌はこの対策として重要です。
普段はフィルターが水の攪拌を担っていますが、停電時はフィルターが全く稼働しないのでこれが起こりません。
エアレーション自体よりも水面に動きがある方が酸素が多く溶け込むといわれており、この攪拌自体に酸素を溶かす効果があると言えます。
まず水温の維持が最優先で、次に可能であればエアレーションを確保してください。
酸素石
緊急時に利用できるもう一つの選択肢として、「酸素石」も有用です。
こちらは水に入れるだけで一定期間、水槽内に酸素を供給してくれる製品です。
もちろん電源不要なため、停電時にも使えます。
体長10cm以上になるような中~大型魚には力不足ですが、小型魚であればこちらで十分なことも多いでしょう。
予備のエアーポンプを持っておくよりも、より経済的な選択肢となります。
最終手段 ペットボトルシェイク
予備のエアーポンプもない、酸素石もない。
そんな時の最後の手段です。
飼育水をペットボトルに半分くらいとり、よく振ってから水槽内に戻すことで酸素の供給ができます。
供給できる酸素は心もとなく、停電が復帰するまで定期的に供給する必要がありますが、全くないよりはマシです。
酸欠による全滅確率を数%でも下げる可能性のある選択肢として、万策尽きた時の最後の手段に知っておくと良いでしょう。
その他の有用なアイテム
停電時のアクアリウムにおいてやるべきことは水温の維持とエアレーションです。
その他に、こんなとき、あると有用なアイテムもいくつか紹介します。
ゼオライト・活性炭
停電が数日にわたって長期化してしまう場合に有効です。
フィルターが稼働しないため、当然フィルター内のバクテリアによるろ過作用が期待できません。
こうなると、生体から排出されるアンモニアの蓄積が発生してしまいます。
この対策として、ゼオライトに吸着させるという対策は有効です。
濁りや悪臭は活性炭に吸着させます。
ただし、一般的な熱帯魚水槽が停電に耐えられる時間は最大でも24時間程度です。
それ以上長期化する場合は、全滅のリスクは避けられないことを念頭に置いた方が良いでしょう。
ポリタンク
どうしても魚を連れて移動する必要がある場合に有用です。
取っ手がついており、生体を水ごと運べるので、移動しなければならない場合の最終手段はこれになります。
ただし、保温・保冷など水温維持ができない点に留意します。
したがって、短時間の移動か、金魚やメダカなど低水温に耐性のある魚種でしか使用できません。
携帯式エアーポンプを片方の口から入れることで、酸素供給も可能です。
停電が復旧したら
停電が復帰したら、接続していた機器のコンセントを一つずつ差し戻し、正しく動作するか確認しましょう。
特に、ヒーター、クーラー、循環用ポンプは正しく動作するか要確認です。
フィルターも製品によっては空回りしてしまう場合もあるので、必要であれば呼び水をして再起動してください。
また、停電の時間が長い場合、魚や水草が調子を崩すことがあります。
フィルター内部や水槽や底床の淀みから汚れが出てきたり、その中に潜んでいた菌類が水槽内に広がったりすることがその一因です。
結果、水質の悪化や病気の原因になることがあります。
インフラが復旧し安全が確保された状況であれば、早めに1/3~1/4程度の水換えを行うと効果的です。
停電の際にすべきこと まとめ
停電の発生は熱帯魚飼育において、全滅という結果に至ることも珍しくありません。
それほどまでに致命的な事故であると言えます。
それでも、対策を知っておくことで大切な熱帯魚を失う確率を少しでも下げることはできるので、ぜひ押さえておきましょう。
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