どうも、ほにゃらら sp.です。
今回ご紹介するのはバタフライ・レインボー“アルー2”。
水草レイアウト水槽では定番のレインボーフィッシュ「バタフライ・レインボー」の地域変異型です。
通常のバタフライ・レインボーでは黄色いボディに背ビレと尻ビレが白く染まり、黒い細かいスポットが入ります。
これに対し、アルー2はボディや各ヒレが青白く染まる点が最大の特徴。
加えて、尾ビレの先端がオレンジ色に染まって美しいコントラストを見せるように
通常とはひと味違う美しさで愛好家を魅了します。
アルー4以上に流通は少なく、入荷は希少な極美種です。
▼通常のバタフライ・レインボーはこちら
バタフライ・レインボー“アルー2”とは
生物学的情報 | |
---|---|
名前 | バタフライ・レインボー“アルー2” |
学名 | Pseudomugil gertrudae “aru2” |
分類 | トウゴロウイワシ目トウゴロウイワシ亜目メラノタエニア科シュードムギル亜科 |
食性 | 雑食 |
分布 | インドネシア-アルー諸島 |
飼育要件 | |
---|---|
飼育しやすさ | ★★★★★ とても容易 |
入手しやすさ | ★☆☆☆☆ とても珍しい |
混泳しやすさ | ★★★★★ とても混泳向き |
最大体長 | 4cm程度 |
適正水温 | 20~25℃ |
pH | 生存可能:6.0~8.0 適正範囲:7.0~7.5 |
備考 | 特になし 標準的なレインボーフィッシュです。 |
バタフライ・レインボー“アルー2”はインドネシア、アルー諸島原産のレインボーフィッシュです。
バタフライ(蝶)に例えられるように、オスの背ビレと尻ビレは大きく伸長します。
メスはこの伸長は控えめです。
アルー諸島産の地域変異は4タイプいると言われており、アルー2はその一つです。
アルー2は、通常流通する個体に比べて青白さが際立ち、尾ビレの先端部がオレンジに染まる独特な色彩を持っています。
味わいのある色彩ですが入手機会が少なく、マニア需要の高い地域変異個体です。
60cm水槽で20~30匹ぐらいを目安に群泳させるとレイアウトが引き立ちますが、大変貴重で高価な魚です。したがって、数を導入するには自前でのブリードが前提となるでしょう。
通常流通する個体がレイアウト水槽に群泳させる目的で飼育されることが多いのに対し、こちらはペアで購入してじっくり繁殖を狙うなど、マニアックな楽しみ方での需要が多くなります。
バリエーション
バタフライ・レインボー
通常流通するバタフライ・レインボーです。
アルー2に比べ、ボディが黄色く染まります。
安価で流通量も非常に多く、水草レイアウト水槽に群泳させる場合はこちらが基本となるでしょう。
バタフライ・レインボー “アルー4”
本種とはまた異なる、インドネシア、アルー諸島原産のバタフライレインボーの1タイプです。
4タイプいるといわれる地域変異の1つで、青さが際立ちます。
アルー2に比べるとさらに青みが深まった発色を示します。
一方で、尾ビレにはオレンジ色の発色は見られなくなりました。
アルー諸島産の地域変異はいずれも入荷が少ないのですが、アルー4は比較的入荷の機会がある方です。
飼育に関しては、通常のバタフライ・レインボーと特に変わりません。
有用なアイテム
おすすめの組み合わせは次の通りです。
水槽 | フィルター | 底床 | 餌 |
---|---|---|---|
30~90cm | 外掛け、上部、外部 | ソイル、大磯砂、砂利、砂、セラミック | 顆粒、フレーク |
30cm水槽以下であれば外掛け式、それ以上のサイズの場合は上部式か外部式がおすすめです。
水草水槽では外部式が良いでしょう。
サンゴ砂以外であれば、何でも使えます。
レインボーフィッシュは中性に近い水質を好むので、大磯、砂利系がおすすめです。
水草水槽に群泳させたい場合、ソイルでも飼育可能です。
フレークまたは顆粒がおすすめです。
基本的には選好みせず、よく食べる個体が多いです。
アルー2はバタフライ・レインボーの地域変異型ですが、飼育に関しては何ら変わりません。
教科書通りの飼育で十分対応できるため、初心者の方でも飼育しやすいレインボーフィッシュです。
レインボーフィッシュ全般に共通する基本的な性質については、レインボーフィッシュ共通ページをご覧ください。
混泳について
バタフライ・レインボーは非常に混泳向きのレインボーフィッシュです。
同程度のサイズのレインボーフィッシュ同士であれば基本的に問題ありません。
グッピー、プラティ、テトラ、ラスボラ……
人気の小型熱帯魚とも混泳相性は抜群です。
水草レイアウト水槽に合う小型魚いろいろ
混泳相手 | 混泳相性 | 備考 |
---|---|---|
グッピー | ◎ | |
プラティ・卵胎生メダカ | ◎ | |
カラシン・小型テトラ | ◎ | テトラ類は弱酸性を好みます。 |
コイ・ラスボラ | ◎ | |
ローチ・ボーシャ・タニノボリ | ◎ | ローチ、タニノボリ系は好相性です。 ボーシャ系の攻撃性を持つ種では注意が必要です。 |
フライングフォックス/アルジイーター | ◎ | |
ドワーフシクリッド | 〇 | サイズ差に注意 |
アフリカンシクリッド | × | |
エンゼルフィッシュ | △ | サイズ差に注意 |
ディスカス | △ | サイズ差に注意 |
ベタ・グラミー・アナバス | ◎ | |
コリドラス | ◎ | |
オトシンクルス・ロリカリア | ◎ | |
プレコ | ◎ | |
レインボーフィッシュ | ◎ | |
ハゼ・ゴビー | 〇 | |
フグ・パファー | × | |
エビ・ビーシュリンプ | 〇 | 稚エビは食べられる可能性があります。 |
※混泳相手の種や性格によっては、例外もあります。
◎・・・混泳に適した組み合わせです。
〇・・・混泳は可能ですが、種や個体の性格によっては工夫が必要な場合もあります。
△・・・混泳は不可能ではありませんが、適しているとは言えません。工夫次第で可能になる場合もあります。
×・・・混泳には適さない組み合わせです。
基本的には、レインボーフィッシュに対し攻撃を仕掛ける生体でなければ、ほとんどなんでも混泳可能です。
レインボーフィッシュがトラブルの火種になることは少ないですが、レインボーフィッシュ以外の同居魚同士の相性はよく考えてあげてくださいね。
レインボーフィッシュ以外の生体間での相性はあるので、留意しましょう。
ただし、アルー2を飼育するということは混泳水槽で楽しむ目的よりも、繁殖などに取り組むことが多いでしょう。
繁殖に取り組む場合は、アルー2単独で飼育したほうが良いです。
繁殖について
流通の少なさゆえに情報の少ない種ですが、十分に成熟したペアであれば繁殖は容易と思われます。
バタフライレインボーや、アルー4のノウハウがきっと活かせることでしょう。
水草の繁茂したレイアウト水槽で本種を単独飼育していると水草などの基質に粘着卵を産みます。
ウィローモスなどを良く茂らせておくと良いでしょう。
孵化後の稚魚は小さいのでインフゾリア等を用意する必要がありますが、ある程度育てばブラインシュリンプ幼生を食べられるようになります。
バタフライ・レインボー“アルー2” まとめ
バタフライ・レインボー “アルー2”。
大きな背ビレと尻ビレを広げて舞う姿は、まさに水草水槽に舞う蝶のよう。
通常のバタフライ・レインボーに比べ明るさの強い色彩が魅力です。
ヒレの先端のオレンジの発色に希少性を感じますね。
流通が少なく高価な魚種ですので、ぜひ繁殖にチャレンジしたいところ。
繁殖方法自体は通常のバタフライ・レインボーと同様といわれており、インフゾリアの用意からブラインシュリンプ幼生を食べるまでの期間が難関となります。
アルー2は希少で入手が難しいレインボーフィッシュですが、ヨーロッパブリードの個体が少しずつ流通し始めています。
もし今後人気と需要が出てくれば、今より入手しやすくなるかもしれません。
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