どうも、ほにゃらら sp.です。
このコーナーではアクアリウムの森羅万象、あらゆる関連製品・生体について、
コリドラス飼育目線
での、見解・感想なんかを紹介していきます。
第2回では、コリドラスの飼育必需品とも言える、底床について。
中でも「田砂系の底床とその有用性」をお送りしようと思います。
田砂とは
古くからコリドラスを飼育されている方には説明不要かもしれません。
コリドラスに最適と人気が高く、ベストマッチと言える底床です。
田砂とは、田土(たんぼの土)の粘土質を取り除き、砂粒だけを分離精製した硬質の天然砂です。細かな粒子で適度な比重があり角も全くないため、砂底・砂礫底を生息場所とする生き物たちにとって理想的な環境と言えます。本来の自然での生態を観察でき、砂に潜る際や砂中の餌を物色する際に、体表の粘膜やヒゲを傷つける恐れがありません。また、微粒径の特性から水草の植栽も容易に行え、移植の際には根へのダメージを最小限に抑えられます。
田砂の商品パッケージ記載より
という具合で、低層で砂の上や中を生息環境とする生体を想定して製造されているわけですね。
ベストマッチなのもうなずけます。
要約すると、田砂がコリドラスに合う理由は4つ。
- 粒が小さい。
- 角が丸くノーズを傷つけない。
- 重さがあり舞いにくい。
- 水質に影響がない。
この4点がコリドラスにとって大変重要で、コリドラスが要求する条件を全て満たしています。
もう最高です。
そんな非の打ちどころがない「田砂」ですが、供給が安定しないという弱点があります。
コリドラスにとって大変理想的な砂ではあるのですが、どうしても大量生産ができない製品であるため、何かと欠品してしまいがちなのです……。すいません……。
一方で近年では、田砂に勝るとも劣らない、コリドラスにとって有用な底砂も多く出てきました。
コリドラス飼育の際には、田砂一択!とは言わずに、ぜひ検討したい選択肢です。
いくつかピックアップしますので、比較検討してみましょう。
田砂に勝るとも劣らない!オススメ底砂
コリドラサンド
もはや商品名からしてコリドラス専用感が漂いますね。
2021年発売と、田砂に比べかなり新しい製品なので、ご存じでない方もいらっしゃるかもしれません。
これ、田砂と比較してもかなりオススメできる底砂です。
色合いは田砂よりややオレンジ色が強いでしょうか。
粒サイズ・重さはほぼ同等で、使い勝手の良い底床です。
ナチュラルネグロサンド
ネグロ川をイメージした天然砂です。
田砂に比べさらに色が明るく、透明感が強いのが特徴です。
コリドラスの中にはネグロ川産のものもいるので、特にそのような種とはベストマッチかもしれません。
もちろん、コリドラスの産地に関わらず、どの種にもお使いいただけますよ。
使い勝手の良さも抜群です。
アマゾン川源流の白砂
アマゾン川源流で採取された、アンデス山脈の白い砂です。
白砂にはさまざまな種類がありますが、最も水質に影響が少ない底砂として好評です。
前に紹介した二種よりも粒が細かいですが、その割には重さがあり、メンテナンス時に舞いにくいのも特徴です。
Spring Water(湧水の砂)プレミアム
湧水環境をイメージした底砂です。
粒が小さく丸いので、コリドラスに最適です。
ここまで紹介した中では最も暗い色合いを持ちます。
田砂に最も近い色合いだと思います。
コリドラスの種類によっては、底砂の色が明るいと色が抜けてしまうものもいます。
特に黒系の発色をくっきりと表現させたい場合には、優先度の高い選択肢です。
暗色系で粒が小さく角丸の底砂では、この砂が最有力です。
スドー ボトムサンド
コリドラスを含む底棲魚専用に開発された底砂です。
田砂に比べさらに砂粒が小さく、ノーズを傷つけにくい点も特徴です。
粒がやや軽く、メンテナンス時に舞い上がりやすい点には注意します。
ピックアップ分は以上です。
他にも田砂に並んで有用な底砂はたくさんあります。
粒サイズ(小さいものが良い)、粒の形状(丸いものが良い)、粒の重さ(すぐ沈むものが良い)
の3点に着目して選んでみてくださいね。
細かい砂なら何でもOK!……ではない!?
粒サイズが細かい砂であれば、基本的にコリドラスであればなんでも使えると言われがちです。
が、しかし!ごく一部、例外的に相性が悪いものもあります。
それらの例外となる底砂の存在も知っておきましょう。
サンゴ砂系
商品名や商品説明に“サンゴ砂”や“コーラル”とある砂は要注意です。
“カルシウム”という単語が出てくる場合も同様です。
例え粒が細かいタイプでもあっても、このタイプの砂はコリドラスとはミスマッチ。
コリドラスは一般に、原産地では基本的にpH7以下となる弱酸性の環境で暮らしています。
サンゴ砂は硬度・pHを高める性質があり、アフリカンシクリッドや海水魚の飼育に向いていますが、コリドラスには不向きです。
アフリカンシクリッドとコリドラスの混泳相性も、良いとは言えません。別々に飼育することをおすすめします。
溶岩砂系
“黒い砂”は要注意です。
粒の細かさ、重さという観点では合格なのですが、粒の形状に難があります。
このタイプの砂は粒が鋭利なため、ノーズを砂に突っ込み餌を掘り探すコリドラスの性質とミスマッチです。
鋭利な粒がノーズを傷つけてしまい、自慢のヒゲが切れてしまうことがあります。
底砂を選ぶ際は、「角張りがないか」も重要な確認項目です。
基本的には何でも使えますが、水質に影響を与えるもの、粒の角が鋭利なものはコリドラスには向きません。
ぜひ、底砂選びの際は認識しておきましょう。
田砂は良い底床だけど……
以上、今回はコリから目線で見た田砂を中心とする「底砂」についてお送りしました。
なんだかんだ言っても、田砂はついつい頼りたくなる、安心と信頼と実績のある底砂です。
とはいえ、年々入手しづらくなってきていることも、また事実です。
古き良きものも大事ですが、新しい可能性を模索し、情報のアップデートを行うことも時には必要です。
田砂と比べても遜色のない、その代役を任せられる後発品の底砂は今回紹介したようにさまざまあります。
付加された個性を活かして選ぶことができると、よりオリジナリティのあるコリドラス飼育が楽しめると思います。
なお田砂も含めこれらの底砂は、洗えば繰り返し、半永久的に使えます。
既にお持ちの方は、大事に使うようにしましょう!
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