どうも、ほにゃらら sp.です。
このコーナーではアクアリウムの森羅万象、あらゆる関連製品・生体について、
コリドラス飼育目線
での、見解・感想なんかを紹介していきます。
第8回では、コリドラスっぽいけどコリドラスではない。
“コリドラスっぽい何か”といえる魚種を紹介していこうと思います。
お友達というか、親戚というか……。
そんな関係性にある魚種です。
コリドラスによく似た仲間
ブロキス・スプレンデス(コリドラス・スプレンデス)
学名:Brochis splendens
Corydoras splendens
旧ブロキス属に分類される、別名で「エメラルドグリーン・コリドラス」と呼ばれるほどコリドラスに近しい魚とされていた種です。
長年コリドラスではないとされていましたが、遺伝子解析の結果を見るとセミロングノーズ系コリドラスに近いことが判明し、実は近年コリドラス属に復帰したようです。
現状ではまだ「ブロキス」の方が流通名としては通りが良いので、今後徐々に切り替わっていくのかもしれません。
元々コリドラスとして分類されていた時代もあったので、コリドラス属には再復帰した形となります。
アエネウスが「赤コリ」、パレアタスが「青コリ」なら、本種は「緑コリ」という位置づけの種かもしれません。
旧ブロキス属とその他のコリドラスとの大きな相違点は背ビレの形状で、その他のコリドラス類に比べて間隔が広いのが特徴です。
サイズもかなり大きく、9cm程度とロングノーズ種に匹敵するほどです。
スクレロミスタックス・バルバータス
学名:Scleromystax barbatus(Corydoras barbataus)
リオデジャネイロ、サンパウロ原産の大型種で、非常に存在感があり魅力的なコリドラス近縁種です。
その体型はスマートで体高が低く、かわいいというよりはカッコイイ印象を与えます。
本種はかつて「コリドラス・バルバータス」としてロングノーズ種の代表だった種です。
後にバルバータス系のコリドラスは分類が見直され、現在では「スクレロミスタックス属」という別属に分離されました。
とはいえ、今もなおコリドラス扱いで人気の高い魚種であることには変わりはありません。
検索上の不便もあることから、引き続き「コリドラス・バルバータス」の名で流通することも多いです。
(スクレロミスタックスだと検索にヒットしないので・・・)
バルバータスと同じく、スクレロミスタックス属に移動となったコリドラスは他にも何種類かいます。
いずれも、引き続きコリドラスの名で流通することも多いです。
アスピドラス・パウキラディアートゥス
学名:Aspidoras pauciradiatus
アラグアイア川原産のコリドラス近縁種です。
アスピドラス属はコリドラス属と近縁なグループで、体型がやや細く、目が小さいなどの特徴を持ちます。
本種はアスピドラス属でも小型でポピュラーな種です。
体の細かいスポットが美しく、小型で愛嬌たっぷりです。
飼育は基本的にはコリドラスと同様で問題ありませんが、生息地が渓流域のため、高水温と水質の悪化に弱い点に注意してください。
アスピドラス属は全体的に流通が多くありません。
見かけた時が買い時です。
ブロッチ・ホプロ
学名:Megalechis thoracata
Hoplosternum thoracatum
ガイアナ、アマゾン川原産のナマズの仲間です。
ホプロステルナムはコリドラスなどに近縁なカリクティス亜科に属するグループで、やや扁平した頭部と長いヒゲが特徴的です。
本種はヨロイナマズの名で良く知られ、暗褐色の体色に黒班が無数に見られます。
飼育は容易で、コリドラス等と同様に下層で物陰に隠れていることが多いです。
やや大型に成長し、最大15cm程度まで成長します。
コリドラスを飲み込んでしまうリスクのあるサイズである点は注意しましょう。
エサは何でもよく食べますが、やや肉食性が強くアカムシ等の生餌が好物です。
繁殖も可能で、オスが泡巣を作ることが知られています。
ポートホールキャット
学名:Dianema longibarbis
ペルー原産のナマズの仲間です。
コリドラスとは比較的近縁な種で、カリクティス科に分類されます。
コリドラスに比べナマズらしい顔つきと、長いヒゲが特徴です。
最大12cmとサイズはやや大きくなりますが、生態にもコリドラスと似た点が見られ、性質は温和で飼育も容易です。
中型魚以上の魚との混泳が可能なため大型魚などの残餌の掃除役として人気の種です。
近縁種に尾ビレの柄が異なる「フラッグテール・ポートホール」も知られています。
こちらは尾ビレの柄がコリドラス・ロビネアエにそっくりな点は興味深い点です。
性質はポートホールキャットと同様です。
カリクティス・カリクティス
学名:Callichthys callichthys
ペルー、ブラジル原産のナマズの仲間です。
コリドラスを含むカリクティス亜科を代表する種で、ヨロイのような骨板に全身が覆われているため、アーマード・キャットやヨロイナマズの名称で知られます。
ホプロと同様に長いヒゲを持ちますが、ホプロの仲間に比べてより扁平した頭部を持ちます。
飼育は容易で、コリドラス等と同様に下層で物陰に隠れていることが多いです。
エサは何でもよく食べますが、やや肉食性が強くアカムシ等の生餌が好物です。
オスが泡巣を作ることが知られています。
擬態型
コリドラスとは遠縁ですが、コリドラスの柄に擬態しているといわれる種もいます。
ブラキラムディア・メエシ
学名:Brachyrhamdia meesi
ブラジル、アマゾン川原産のナマズの仲間です。
本種をはじめとしたブラキラムディアの仲間はコリドラスに擬態し、よく似た体色パターンを持つ種がいくつか知られます。
もともとこのグループの入荷量は少ないですが、その中でも一番入荷が多く見られるのはこのメエシです。
本種はコリドラス・ナッテレリーに擬態していると考えられ、体側の1本のラインが特徴的です。
単独での入荷は決して多くはありませんが、若魚はナッテレリーに混ざるほか、幼魚はコリドラス・ピグミーに混ざってくることがあります。
ベイツ型擬態
コリドラス同士の擬態は、お互いに毒を持った種同士で警告色を共有する「ミューラー型擬態」と呼ばれる様式をとります。一方で、コリドラスではなく毒を持たない魚種が毒を持つコリドラスに対して擬態するものを「ベイツ型擬態」といいます。
ブラキラムディア属の魚は毒を持たないようですが、毒を持つコリドラスに擬態し同じ警告色を外敵に見せることで、捕食者に対して毒があるかのようにアピールします。
これにより、身を守っているのではないかと思われます。
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