どうも、ほにゃらら sp.です。
このコーナーではアクアリウムの森羅万象、あらゆる関連製品・生体について、
コリドラス飼育目線
での、見解・感想なんかを紹介していきます。
第12回では、昨今大人気のメダカとコリドラスの混泳テクニックについて紹介していこうと思います。
コリドラスとメダカは混泳できる?
結論から申し上げますと、可能です!
コリドラスは水底を泳ぎ、メダカは水面を泳ぐ習性があります。
お互いに性格が温和で他魚への攻撃性がないため、混泳の相性は比較的良好な部類に入ります。
ただし、コリドラスは元々南米大陸の河川で、メダカは日本の小川で暮らしていた生き物です。
生息環境には大きな違いがあるので、両方が納得できる環境づくりをしていくことが重要です。
コリドラスとメダカ、それぞれにお互いが理想とする環境があります。
片方の理想ばかりを追求すると、もう片方にとっては居心地の良くない環境になってしまうかもしれません。
上手に混泳させるためには理想とする環境だけでなく、お互いが許容できる環境にも目を向け、両種が納得できる折衷案のような環境を整えることがポイントです。
幸い、コリドラスは一部を除けば環境適応力は高い部類に入ります。
コリドラスもメダカも、お互いにあまり細かい注文は付けてきません。
はじめての飼育であっても、さほど苦労なく混泳を楽しめます。
理想の環境を比較しよう
それではまず、コリドラスとメダカのそれぞれが理想とする飼育環境を比較してみましょう。
項目 | コリドラスの理想の環境 | メダカの理想の環境 |
---|---|---|
水温 | 24~28℃ | 5~28℃ |
水質 | 弱酸性~中性 6.0~7.0 | 弱酸性~弱アルカリ性 6.0~8.0 |
照明 | 気にしない | 屋内なら欲しい |
底床 | 目の細かい砂 | 気にしない |
フィルター | 外掛け、上部、外部 | 気にしない |
水流 | 多少あった方が良い | 強い水流は嫌い |
エサ | 沈下性 | 浮上性 |
メダカの品種は数多くありますが、いずれも種としてはミナミメダカ単独種です。
このため、基本的な性質はどの品種も同一です。
一方で、多種多様なコリドラスはそれぞれ種が違うので、理想とする環境は種ごとに異なります。
流通の多いポピュラーなコリドラスの性質はほとんど上記の表に当てはまりますが、一部のワイルド系コリドラスなど、流通の少ないマニアックな種は当てはまらないことがあるので注意しましょう。
下記の種であれば基本的に問題なく混泳できます。
アエネウス、パレアタス、パンダ、ステルバイ、トリリネアータス、ジュリー、パンク、コンコロール、アークアタス、ソダリス、レティキュラータス、ベネズエラオレンジ、シュワルツィ、ゴッセイ
など
水温
コリドラス:24~28℃
メダカ:0~28℃
メダカは元々日本の魚なので、温度が下がっても水が凍らなければ死んでしまうことはありません。
しかし、コリドラスは熱帯魚です。
このため、水温に関してはコリドラスの要求を優先しましょう。
ヒーターは必須です。
水温が常に24℃を超えるような暑い時期の場合は、ヒーターがなくても始められます。
しかしその場合は逆に暑くなりすぎるためクーラーが必要かもしれません。
30℃を超えると、メダカもコリドラスも弱ってしまいます。
30℃は超えないように管理しましょう。
水質
コリドラス:弱酸性~中性
メダカ:弱酸性~弱アルカリ性
メダカは適応力が高く、水質は特に選びません。
どちらかといえば中性付近の水質を好むようです。
一方でコリドラスも適応力は高くさほど水質を選びませんが、どちらかといえば弱酸性の水質を好む傾向があります。
コリドラスの要求を優先したほうが良いでしょう。
pH6.0~7.0の範囲で飼育するのが理想的といえるでしょう。
多少アルカリに傾いても、pH8.0くらいまでなら問題なく飼育できることが多いです。
照明
コリドラス:気にしない
メダカ:屋内飼育なら欲しい
照明はコリドラスの飼育において必須ではありません。
ただ、観賞のためには欲しいでしょう。
メダカは屋内飼育ならぜひ欲しいです。
両者の性質を考えると、照明はメダカの要求を優先したいところです。
照明はある程度の明るさが必要で、水草育成用のそれなりに光量が強いものが有効です。
目安として30cm水槽で1000lm程度のものが理想的です。
タイマーをセットして、1日14時間程度照射すると良いでしょう。
なお照射時間が長いとコケが発生しがちです。
その場合は照射時間を短くしたり、エサの量や水槽内の魚の数を調整したりしてください。
底床
コリドラス:目の細かい砂
メダカ:気にしない
底床はコリドラスは最も気にかける要素です。
できるだけ目の細かい砂が理想的です。
一方でメダカは、基本的に表層を泳ぐため底床はそこまで気にしません。
水質に大きく影響を与える者でなければ、何を敷いても構いません。
両者の性質を考えると、底床はコリドラスの要求を優先しましょう。
フィルター
コリドラス:外掛け、上部、外部
メダカ:気にしない
コリドラスの飼育には、外掛け式、上部式、外部式のいずれかのフィルターが有効です。
一方でメダカは基本的にフィルターの種類を選びません。
屋内水槽の場合、何かしらのフィルターが付いていればなんでも構いません。
このため、フィルターはコリドラスの要求を優先しましょう。
外掛け式、上部式、外部式のいずれかがおすすめです。
30cm以下なら外掛け式、それ以上なら上部式、外部式のどちらかが良いでしょう。
水流
コリドラス:ある程度の水流を好む
メダカ:強い水流は嫌う
水流はお互いの好みが異なります。
コリドラスにとって水流はあってもなくても構いませんが、多少あった方を好みます。
一方でメダカは、強い水流を好みません。
間を取ると、折衷案として弱い水流を作るのがベストということになります。
専用に水流ポンプなどを設置するとメダカが参ってしまうので、フィルターからの水流のみで十分でしょう。
したがって水流に関してはメダカの要求を優先しましょう。
外掛け式フィルターであれば流量調節つまみでできるだけ水流を弱めるのが理想的です。
上部式フィルターや外部式フィルターの場合は、排水を壁に当てることなどで軽減できます。
エサ
コリドラス:沈下性
メダカ:浮上性
エサは両者の好みが全く異なります。
コリドラスは沈んだ餌しか食べることができず、メダカは水面のエサを食べることに特化した口の形状をしています。
沈下性だけ、浮上性だけを与えるとどちらかがエサを食べにくくなってしまうため、両方を併用しましょう。
コリドラスはメダカのエサの食べ残しもある程度食べてくれますが、食べ残しのみではいずれやせ細ってしまいます。
メダカをメインとし、コリドラスは掃除役……という採用も考えられますが、その場合であったとしてもコリドラス専用のエサも与えましょう。
混泳時のチェックポイント
コリドラスとメダカの混泳は、上記を守っていれば基本的に問題なく楽しめます。
ほとんどのコリドラスは混泳可能ですが、一部の種で相性が良くないものもいます。
組み合わせ例
メダカとコリドラスの色彩を合わせると、いい感じの組み合わせに見えると思います。
メダカは表層を泳ぐのに対し、コリドラスは底層を泳ぐので遊泳域がかぶりません。
にぎやかな水槽となるでしょう。
メダカは上見が基本とされますが、単色系やラメ系、透明麟、ロングフィンなどは横見の水槽でも楽しめます。
いくつか例を紹介しますので、ぜひあなただけの理想的な組み合わせを探してみましょう。
ベネズエラオレンジ&楊貴妃
オレンジの発色を持つもの同士の組み合わせです。
暖かみのある組み合わせで水槽を彩ります。
パレアタス&ブルースターダスト
通称「青コリ」と「ブルースターダスト」による、青い光沢発色を持つもの同士の組み合わせです。
こちらは寒色系の組み合わせで、クールな印象を与えます。
ラメ系の発色は横見でも楽しめるので、幹之メダカよりも横見の飼育に向いています。
パンダ&スケルトンパンダ
パンダと呼ばれるもの同士の組み合わせです。
どちらも愛らしさが際立ちますね。
アエネウス“アルビノ”&アルビノメダカ
アルビノ同士の組み合わせです。
白い体色に紅い眼が際立ち、どこか神秘的な魅力があります。
▼こちらも参考
イルミネータス“ゴールド”&夜桜ゴールド
とにかく金ピカ!
金色に輝くコリドラスとメダカの組み合わせです。
派手な組み合わせが好きなあなたに。
コリドラスとメダカの混泳 まとめ
お互いの理想環境をおさらい
項目 | コリドラスの理想の環境 | メダカの理想の環境 |
---|---|---|
水温 | 24~28℃ | 5~28℃ |
水質 | 弱酸性~中性 6.0~7.0 | 弱酸性~弱アルカリ性 6.0~8.0 |
照明 | 気にしない | 屋内なら欲しい |
底床 | 目の細かい砂 | 気にしない |
フィルター | 外掛け、上部、外部 | 気にしない |
水流 | 多少あった方が良い | 強い水流は嫌い |
エサ | 沈下性 | 浮上性 |
黄色い部分を優先します。
エサに関しては沈下性と浮上性、両方与えましょう。
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