どうも、ほにゃらら sp.です。
このコーナーではアクアリウムの森羅万象、あらゆる関連製品・生体について、
コリドラス飼育目線
での、見解・感想なんかを紹介していきます。
第18回のテーマはロングフィンなコリドラスについて。
コリドラスの中には、ヒレが長~く伸びる種類もいます。
改良品種と野生種とでそれぞれいるわけですが、今回はそのどちらも紹介していきましょう!
ロングフィンなコリドラス 改良品種編
ブリードが確立されて入荷の多いコリドラスの中には、ヒレが伸びるタイプも知られます。
“ロングフィン”または“ハイフィン”と呼ばれ、いくつかの種で時折入荷が見られます。
基本的に各ヒレが全て長く伸びるので、“ロングフィンタイプ”と称されることが多いです。
こちらは比較的入手しやすい部類に入ります。
それぞれ定番種となるアエネウス、パレアタス、パンダの改良品種です。
背ビレ、胸ビレ、尾ビレが原種に比べて著しく伸長します。
飼育に関してはそれぞれの原種と特段変わった部分はなく、飼育しやすいコリドラスです。
ヒレが長く伸びるので、通常の個体よりも存在感が強く、見ごたえがある点は特徴といえるでしょう。
一方で、長いヒレにいたずらする魚との混泳には注意が必要になります。
比較的入手しやすいとはいえ、ロングフィンタイプは通常のタイプに比べると入荷量がそれほど多くはありません。
また、改良品種であるが故に、成長とともにヒレに曲がりなどが出ることがあります。
特に胸ビレの棘条が曲がることが多いです。
とはいえ、泳ぎに支障が無ければ個性として扱うと良いでしょう。
欲しい品種がいる場合は、定期的に入荷情報をチェックしておくと良いでしょう。
時折入荷が見られます。
▼入荷があれば表示されます。
ロングフィンなコリドラス 原種編
コリドラスの中には原種の時点でヒレが伸長するものもいます。
改良品種とは異なり、各ヒレではなく背ビレがピン!と伸長するものが多く知られます。
背ビレだけが伸びるので、“ハイフィンタイプ”と称されることが多いです。
いずれもシャープなフォルムの格好良さから、マニア人気の高い種が多く見られます。
また単純に飼育しているだけでは伸びず、美しく伸ばすには一定のテクニックも要求されます。
いかに現地の生息環境を再現するかの“腕の見せ所”でもあるため、マニア向けといえるでしょう。
入手のしやすさは種によってバラバラですが、入荷が少なく入手難易度は高めのものが多いです。
いわゆるレアコリと呼ばれるような、高額種も多く含まれます。
注目種
上記の背ビレが伸びるコリドラスの中から、いくつかピックアップして紹介します。
コリドラス・パレアタス
ブラジル、パラナ川原産のコリドラスです。
「青コリ」ことパレアタスは品種改良によりロングフィンタイプが作出されていますが、原種の時点でもオスは背ビレが伸長します。
ブリード/ワイルド問わず背ビレに伸長が見られます。
ブリード個体でも十分伸びるので、最も入手しやすい背ビレが伸びるコリドラスといえるでしょう。
ブリード個体は非常に多くの流通があって入手は容易ですが、ワイルド個体は極めて希少です。
画像の個体は、大変珍しいワイルドパレアタスのハイフィンタイプです。
コリドラス・レセックス
ブラジル、ジュタイ川原産のコリドラスです。
“レセックス”の名は実は通称で、学名はまだ与えられておらず未記載種となります。
マニアの間では「レセ」の略称で親しまれています。
最高のコンディションに仕上がった個体は全身が黒く染まり、オスの背ビレはまっすぐに伸長が見られます。このことからも、数あるコリドラスの中でも随一の整ったフォルムを持つ人気種です。
入荷頻度は少なめですが、人気があるためか、近年少しずつ流通量が増えてきました。
コリドラス・シュワルツィ
ブラジル、プルス川原産のコリドラスです。
白くまっすぐにそびえる背ビレの棘条が美しく、古くから人気の高い種として知られます。
この発色は小さいうちは強くないものの、状態良く飼育すると成長に従って背ビレ棘条の白さが際立ち伸長します。
なお、シュワルツィはこの背ビレの毒が他のコリドラスよりも強いので、刺されないように注意が必要です。
比較的流通量が多く入手しやすいコリドラスですが、大切に飼い込むことにより、端整に仕上がります。
背ビレの伸長が楽しめるワイルド系コリドラスの中では、最も入手しやすい部類の種といえるでしょう。
コリドラス・スーパーシュワルツィ
シュワルツィと同じくブラジル、プルス川原産のコリドラスです。
シュワルツィよりも一回り大きくなり、背ビレもより伸長し、体側の模様もより整った模様になる傾向があります。
シュワルツィの上位種のような扱いを受けているコリドラスです。
本種は一般的なコリドラスより一回り大きくなります。
強い水流と溶存酸素の要求が強く、大型水槽で楽しみたいコリドラスです。
入荷にはシーズンがあり、例年12月頃にまとまった数が入荷してくることが多いです。
それ以外の時期の入荷は散発的で、入手難易度は高めです。
また、本種をはじめとしたプルス川原産のコリドラスには、背ビレが伸長するものが多く見られます。
シュワルツィ、プルケール、スーパープルケール、ロブスタスなどもプルス川が故郷です。
▼こちらも参考
コリドラス・オガワエ
ブラジル、プルス川原産のコリドラスです。
コリドラス・アルマータスと似た体型を持ち、大きな瞳がかわいらしい種です。
体には細かいゴマ模様を持ち、伸長する背ビレや尾ビレが特徴的です。
状態良く飼育すると、体色が飴色を帯びてきます。
顔つきや体型も他のコリドラスに比べるとやや異質で、独特な見ごたえのある種です。
飼育に関しては導入時にややデリケートな部分が見え、特に混泳には注意が必要です。
他のコリドラスよりも一回り大きくなりますが、見た目に反して臆病なうえ食も細いです。
十分にエサが行き渡るように配慮すると良いでしょう。
入荷頻度は少なめです。
コリドラス・“ハイフィン アルマータス”
ペルー、ナナイ川原産のコリドラスです。
その名の通り、長い背ビレが特徴的な種です。
“ハイフィン・アルマータス”という名称は流通名で、“アルマータス”の名で呼ばれるコリドラスは複数知られています。
本種はそのうちの一種で、本種自体は未記載種と考えられています。
繊細で煌びやかな体色も本種の魅力です。
不明点の多い種ですが、ロレトエンシスやオガワエなどに近い種でないかと思われます。
性質もそれらと似かよって、やや食が細く臆病な傾向があります。
本種も入荷頻度は少なめです。
コリドラス・ゼブリーナ(CW111)
ブラジル、クルア川原産のコリドラスです。
白い体色に黒い不規則なゼブラ模様が入り、成長するにつれて伸長するオスの背ビレのフォルムが大変個性的な種です。
各ヒレにはくっきり鮮やかにバンド模様が入ります。
原種ですが背ビレ以外の各ヒレも伸長するので、調子良く育てると大変見ごたえのある姿に仕上がります。
レアコリドラス最高峰の一角ともいえる、極めて希少かつ高額な種です。
手に入れる機会のあった方は、ぜひ大事に仕上げてみてください!
背ビレを伸長させるには
改良品種に関しては特にコツ等はありません。
各ヒレが伸びる突然変異個体を固定化したものなので、特に何もしなくても各ヒレが伸長した優雅な泳ぎを見せてくれます。
しかし、原種系コリドラスの背ビレの伸長に関しては別。
美しいシルエットに仕上げるには、若干のコツがあります。
まず大前提として、
- 背ビレが伸長するのはオス
- 強い流れが背ビレの伸長を促す
と、いわれています。
雌雄判別
背ビレが伸びる種であっても、若い個体は背ビレが伸びていないことも多いです。
このため、雌雄判別の難易度は高めです。
一般にいわれる腹ビレの形状の他、背ビレが伸長する種では背ビレの先端が三角形に尖っているならオス、丸まっているならメスの可能性が高いです。(ただし、100%ではありません)
強い水流
背ビレの伸長を促すには強い水流が有効といわれています。
排水を壁に押し当てることで水流を弱めるテクニックがありますが、背ビレが伸長する種に関してはむしろ、そのまま勢いよく排水させたほうが良いです。
お使いのフィルターの種類によっては水流が弱い場合もあります。
その場合はサーキュレーター(水流ポンプ)の導入を検討してみると良いでしょう。
サーキュレーターは主に海水水槽で使われる製品ですが、河川の速い流れを再現したい場合にも有用です。
外部式フィルターを使用している場合は、ディフューザーも有効です。
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