どうも、ほにゃらら sp.です。
今回お届けするのは、熱帯魚に与える餌の選び方について第2弾。
前回は人工飼料について紹介しましたが、今回は乾燥アカムシや乾燥イトミミズをはじめとした「乾燥餌」について深掘りしていこうと思います。
乾燥餌 たまに与えるリッチなおやつ
「乾燥餌」とは、乾燥赤虫や乾燥イトミミズに代表される嗜好性の高い生鮮原料を乾燥加工した餌です。ブラインシュリンプやミジンコ、それ以外のバリエーションもあります。
手軽に保管ができ、容易に与えられ、しかも嗜好性が高いという点がこの餌の特徴です。
※活き餌や冷凍餌に比べると嗜好性は劣ります。
赤虫やイトミミズ、ブラインシュリンプといった餌を与えるには、本来であれば飼育、または冷凍保管が必要です。
しかし、乾燥タイプであればその必要がありません。
手軽に与えられるのが最大のメリットです。
基本的には乾燥しているので、水槽に入れると水に浮きます。
水に入れてしばらくするとふやけて柔らかくなり、魚にとって食べやすくなります。
乾燥餌は人工飼料を与えても食べてくれないときや、繁殖を狙いたいときなどに有用です。
その上で、活き餌を個別に飼育したり、冷凍庫に保管したりすのは家族とトラブルを招きそう……といった場合に活躍します。
乾燥アカムシ
嗜好性の高いアカムシを乾燥させた餌です。
人工飼料を食べてくれないときや、繁殖させたいときには定番の餌で、古くから用いられています。
なかなか沈まない性質から、浮上性の餌を好む魚種に向いています。
一方で、低層魚にはあまり向いていません。
乾燥イトミミズ
嗜好性の高いイトミミズを乾燥させた餌です。
基本的にキューブ状のものが販売されていることが多いです。
赤虫よりも脂肪分が多い傾向があり、より太らせたいときには有効な選択肢となります。繁殖を狙いたい魚や、低層魚に効果的です。
一方で、与えすぎると体型が崩れるので注意が必要です。
キューブ1個で量が多いときは、ちぎって与えると良いでしょう。
そのまま入れると浮きますが、水槽のガラス面に押し付けることで面に貼り付けることができます。
低層魚に与える場合は、この方法で与えると食べやすくなります。
乾燥ミジンコ
ミジンコを乾燥させた餌です。
赤虫を食べきることができないほどの小型魚に使われることが多いです。
栄養価に関しては赤虫に準じます。
熱帯魚も食べますが、どちらかといえばメダカや金魚、日本産淡水魚などで好んで用いられる傾向があります。
クリル
オキアミを乾燥させた餌です。
基本的に中~大型魚向けとなります。アベニーパファーなどのフグ類は人工飼料に餌付きにくい性質がありますが、クリルであれば食べてくれることも多々あります。
肉食性、特に甲殻類を好む魚種が人工飼料を食べてくれないときに有効な選択肢です。
オスカーやアーリー、フラワーホーンといった中大型になるシクリッド系の魚種や、スネークヘッド、アロワナなどとの相性が抜群です。
活き餌や冷凍餌の用意が難しい場合に活躍します。
ただし、単用すると栄養バランスが悪いので、ゆくゆくは人工飼料に餌付けるようにしましょう。
クリルも食べないようであれば、活き餌や冷凍餌でないと食べてくれない可能性が高いです。
いわゆる、気難しい性格の個体と判断します。
乾燥コオロギ(乾燥昆虫)
コオロギを乾燥させた餌です。
クリルと近い立ち位置にあり、基本的に中~大型魚向けとなります。
主として爬虫類用に販売されていることが多いですが、天然原料を乾燥させただけのものであれば魚にも与えられます。
特にスネークヘッドやアロワナが好みます。
コオロギ以外にも乾燥させた昆虫餌としてはミルワーム、カイコ(サナギ)、アメリカミズアブなども知られています。
対象魚の食性や個体の好みに応じて、使い分けると良いでしょう。
FD(フリーズドライ)ブラインシュリンプ
ブラインシュリンプを凍結乾燥(フリーズドライ)させた餌です。
基本的にキューブ状ですが、簡単にボロボロと崩せます。
赤虫よりさらに栄養価が高く、嗜好性も抜群に高いです。
その分、内容量に対し割高となる傾向はあります。
基本的にブラインシュリンプの成体を凍結乾燥させたものであるため、稚魚育成には不向きである点に注意します。
親魚の栄養増強が目的であれば、大変効果的です。
対象魚は基本的に赤虫に準じます。
すり潰せば稚魚も食べますが、その場合はより有効な選択肢があります。
乾燥餌 まとめ
どうしても人工飼料を食べてくれないとき、嗜好性の高い「乾燥餌」は強い味方です。
冷凍餌や活き餌に比べると嗜好性は落ちますが、手軽に与えられるという点でこちらが勝ります。
嗜好性が高い一方、栄養価は人工飼料に比べると偏っています。
乾燥餌を食べる個体であれば、しばらく慣らせば人工飼料を食べてくれる確率は高いです。
なるべく、常用しないように注意しましょう。
もし人工飼料を食べてくれず、乾燥飼料も食べてくれないようであれば、その場合は冷凍餌か活き餌が選択肢になってきます。
▼こちらを参考
魚種 | 有効な乾燥餌 |
---|---|
グッピー | アカムシ イトミミズ ブラインシュリンプ ミジンコ |
プラティ・卵胎生メダカ | アカムシ イトミミズ ブラインシュリンプ ミジンコ |
カラシン・小型テトラ | アカムシ イトミミズ ブラインシュリンプ ミジンコ |
コイ・ラスボラ | アカムシ イトミミズ ブラインシュリンプ ミジンコ |
ローチ・ボーシャ・タニノボリ | イトミミズ |
フライングフォックス/アルジイーター | アカムシ イトミミズ ブラインシュリンプ ミジンコ |
ドワーフシクリッド | アカムシ イトミミズ ブラインシュリンプ ミジンコ |
アフリカンシクリッド | アカムシ イトミミズ ブラインシュリンプ ミジンコ クリル |
エンゼルフィッシュ | アカムシ イトミミズ ブラインシュリンプ ミジンコ クリル |
ディスカス | アカムシ イトミミズ ブラインシュリンプ ミジンコ クリル |
ベタ・グラミー・アナバス | アカムシ イトミミズ ブラインシュリンプ ミジンコ |
コリドラス | イトミミズ |
オトシンクルス・ロリカリア | なし ※植物食傾向が強いため嗜好性低 |
プレコ | イトミミズ ※プレコの中でも肉食性が強い種に有効 ※植物食傾向が強い種には嗜好性低 |
レインボーフィッシュ | アカムシ イトミミズ ブラインシュリンプ ミジンコ |
ハゼ・ゴビー | アカムシ イトミミズ ブラインシュリンプ ミジンコ |
フグ・パファー | アカムシ イトミミズ クリル ※乾燥アカムシ、イトミミズには反応しにくい クリルが最も反応しやすい |
エビ・ビーシュリンプ | イトミミズ |
※乾燥餌は基本的に水に浮くため、低層魚やエビ類にとっては食べにくいです。
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