どうも、ほにゃらら sp.です。
今回は、アクアリウムにおける「流木」の基本的性質と選び方について解説していきます。
水槽レイアウトにおいて流木は欠かせないものですが、いくつかの注意事項があります。
おおざっぱには、「アク」と呼ばれる水質への着色と、pHに与える影響の2点です。
この辺りをちょっと掘り下げてみようと思います。
流木の基本的性質
流木は水槽に入れることで自然な風景の演出には欠かせない素材です。
水草レイアウトで流木の使用が定番であるように、アクアリウムにおいて流木は欠かせません。
しかし、見た目だけでなく水質にも少しだけ影響があるのです。
ほぼすべての流木は腐植酸の溶出により「水質を酸性に傾ける」性質を共通で持っています。
このため、育てたい魚や水草によっては相性の良し悪しを確認する必要があるのです。
アク抜きとは?
流木から溶出する腐植酸を可能な限り除去する作業です。
ブラックウォーターにしたいなどの目的があるなら、そのまま使えることもありますが、基本的にはバケツに石などの重しと一緒に、1週間ほど漬け込んで腐植酸を溶出させます。
また、ほとんどの流木は最初は浮いてしまい、沈まないことが多いです。
これは流木内部の組織に空気がたまっているためです。
水にしばらく漬けこむことにより、この空気を追い出して水に置きか換われば沈むようになります。
ただし、中には沈まないものもあります。
チャームで販売中の流木は、基本的に大型の窯でまとめて煮込み、アクを抜いてから販売しています。
このため、最初から沈みやすく、アクも少ないものが多いです。
とはいえ、アク抜き作業完了からお手元に流木が届くまでにはタイムラグがあります。
着色防止や再度沈ませるためには、再度アク抜き作業が必要になることもあります。
この性質から石と異なり、購入して即日使えるとは限らない点は必ず認識しておきましょう。
アク抜きをしても浮いてしまうとき
一部の流木は、アク抜きを行ってもどうしても沈まないことがあります。
そのようなときは、次の方法を試してみると良いでしょう。
- さらに煮込んでみる
- 石などの重しを使って強制的に沈める
- 塩ビ板などにビスで固定し、板ごと沈め底床の重さで固定する。
流木レイアウトの必需品 活性炭
上述の腐植酸の特性から、レイアウト水槽で使用する場合は活性炭の追加はほぼ必須です。
製品によってははじめから付属していることもありますが、少量では吸着しきれません。
流木の投入量にもよりますが、多めに入れる際はできるだけ併用をお勧めします。
活性炭にはさまざまな製品があります。中でも「ブラックホール」シリーズは吸着性能が優れていると評判です。
弱アルカリ性を好む魚と相性が悪い?
酸性 というワードを聞いてピン!と来た方はいるかもしれません。
グッピーや金魚、アフリカンシクリッド等の、弱アルカリ性を好む魚とは相性が悪いんじゃないか?と。
実際のところ、よほど極端に弱アルカリ性の硬水を好む種類でなければ大丈夫です。
また、底床に大磯砂などを採用することでこの傾きは軽減できます。
グッピー、金魚のレベルなら問題ありませんが、アフリカンシクリッドに関してはちょっと考えたほうが良いかもしれません。
アフリカンシクリッドに関しては、かなり弱アルカリ性で硬水に寄った環境を好むため、どちらかといえば石をメインにしたレイアウトのほうが良いでしょう。
テトラ、ラスボラ、コリドラスなどの一般的な熱帯魚の多くは、弱酸性の軟水環境を好むものが多いです。この観点では、流木はむしろ相性が良いといえます。
ちょっと注意 レインボーフィッシュ
水草レイアウト水槽においてテトラやラスボラと同じ感覚で群泳させることが多いグループですが、一つだけ注意点があります。
ソイル+流木といった定番の組み合わせのように、硬度を上げる素材を用いない組み合わせでは、調子を崩すことがあります。
底床に大磯砂や、レイアウト素材に石を採用していると、それらが多少なり硬度を補給するため、調子が良くなります。
pHは低くても問題ないのですが、硬度があることが重要そうです。
基本的な流木の形状
流木が水質に与える影響はほとんど共通していますが、形状により使い方が全く異なります。
主な形状と、人気の流木をいくつかピックアップして紹介します。
塊状流木
塊状流木は流木レイアウトを組み上げる上での基礎や土台として主に使用します。
存在感のある形状で比較的扱いやすい、スタンダードな流木です。
1本で使うことは少なく、通常は複数本を組み合わせて使います。
形状はさまざまで、組み合わせたり積み重ねたりすることで複雑なレイアウトを組み上げていきます。
単純に水草の巻き付け用として使用する場合、この塊状流木が最も安定感があります。
水草の巻き方
流木への水草の巻き付け方については、こちらの記事をぜひ参考にしてください。
棒状流木
棒状流木はその名の通り、シンプルな棒のような流木です。
ウィローモスなどを巻いた流木は、ビーシュリンプなどのエビ類に最適な足場です。
見た目も自然的で、モスが成長すればするほどより自然な印象が一層増していきます。
細い枝一面に苔むした姿は、棒状流木ならではの持ち味といえます。
細長くて不格好な枝で終わってしまうのか、組み合わせにより素晴らしいワンポイントとして活躍させるのか。レイアウトのセンスと手腕がその命運を握ります。
枝状流木
枝状流木は複雑にうねった枝ぶりが特徴的な流木です。
細長いという点では棒状流木と共通ですが、こちらは単体でもある程度の鑑賞性がある点が魅力です。
形状にもよりますが、小型水槽であれば1個置くだけでもレイアウトの主役になり得ます。
もちろん複数本組み合わせたり、モスなどを絡めたりすることで、より自然観を演出できる素晴らしい素材へと昇華します。
枝状流木の派生品として、ルーツウッド、ブルームウッドも紹介します。
基本的な使い方は枝状流木に準じます。
作りたいレイアウトの雰囲気に合わせて、お好みのものを使うと良いでしょう。
ルーツウッド
ルーツウッドは枝状流木に比べると枝、幹ともに太めとなる流木です。
根に由来する流木のため、枝ぶりのうねりが大きく、やや存在感のある印象です。水草を中央の幹に活着させる場合にも相性が良いです。
アヌビアスやミクロソリウムなどを幹に付けると安定するでしょう。
ブルームウッド
ブルームウッドは枝状流木に比べると細く繊細な枝ぶりが特徴的な流木です。
枝の付き方がやや直線状で密生する傾向があり、水草の活着には少々難があるかもしれません。
モスを絡めるように活着させると、他の素材ではまねできない素敵な形に仕上がります。
極上流木
ここまで紹介した各種の枝状流木系素材の性質を、良いところどりしたような高品質の流木です。
水草を活着させて良し、モスを絡めて良し、とにかく汎用性の高い素材です。
細く繊細な枝ぶりのレイアウトを組み合わせるには、かなり有力な選択肢となるでしょう。
サンゴウッド
サンゴのようにゴツゴツとした形状が太く大胆にうねる枝ぶりと、丸い節が随所にみられる個性的な形状の流木です。
塊状流木と枝状流木の良いところを持ち合わせた形状ともいえます。
どんな活着系水草とも合いますが、元々の形状が個性的なので水草も相応のものを選んでも面白いかもしれません。
サンゴウッドは基本的に一点物での販売となります。
お好みの形状を選んで購入することが可能です。
上質流木 雅
なめらかで質感に優れた、雅な雰囲気の高品質な流木です。
「塊状流木」の一種のため、使い方自体は塊状流木に準じます。
「雅」の大きな特徴として、表面にささくれが少なく滑らかな点が挙げられます。
表面が滑らかなので、プレコやオトシンクルスなどの張り付く習性を持つ生体との相性も優れます。
その上でウィローモスやアヌビアスなど水草を巻き付けやすい形状である点も、雅の特徴です。
塊状流木をベースとした本格派の水草レイアウトを組み上げたいときに最もオススメできる流木です。
雅は一点物販売も行っており、お好みの形状のものを指定して購入することも可能です。
上質流木 禅
上質流木 禅は塊状流木と枝状流木の長所を持ち合わせた流木です。
重厚感と複雑な枝ぶりが魅力的で、これ単品でレイアウトが整うほど存在感があります。
チャームで取り扱っている流木の中では、最高級クラスともいえる上質な流木です。
「白陰(しろかげ)」と「黒影(くろかげ)」の2種類あり、レイアウトに合わせてお選びください。
また、サイズの割に他の流木に比べアクが少ないのも禅の特徴です。
流木である以上全く出ないわけではありませんが、どちらかといえば「黒影」のほうがアクの出が少ないです。
水草レイアウト水槽なら、迷ったときは黒影のほうがオススメです。
禅は基本的に一点物販売となります。
お好みの形状のものをお選びください。
流木の組み方 参考動画
流木の配置はなかなか悩ましいものです。
基本的な4パターンの配置を動画で紹介していますので、ぜひご覧ください。
アクアリウムにおける流木の選び方 まとめ
アクアリウムで用いられる流木にはさまざまな種類があります。
今回は一部人気商品をピックアップして紹介してみました。
基本的な流木とその性質はこれでもうバッチリです。
流木の選び方は完璧といえるでしょう!
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