どうも、ほにゃららsp.です。
今回のテーマは身近で採集できる水草について。
前回は淡水魚を紹介しましたが、日本にも様々な水草が自生しています。
身近にいる水草を採集して楽しむのもまた、趣のあるものです。
今回の記事では日本国内、特に本州に幅広く分布している種類についてご紹介します。
なお、水草を採集する場合、いくつかの注意事項があります。
よく見かける水草で法律上の規制など注意事項があるものについても、あわせてご紹介します。
よく見られる在来の水草
日本産の水草は全般的に育成難易度が高めの傾向があり、水槽内で容易に育成ができる水草は意外と少ないです。
比較的、魚中心の環境でも育成が容易な4種を紹介します。
マツモ
学名:Ceratophyllum demersum
見つけやすさ:★☆☆
マツモは金魚藻の名でも知られ、水草や熱帯魚を知らない方でもその姿は見たことがあるであろうなじみの深い水草です。
育成は極めて簡単で、浮かせておくだけで育つ非常に丈夫な水草です。
フサフサとして透明、緑色で尻尾のような姿をしています。
一見柔らかそうな葉は触ってみると意外と硬く、松葉のような印象があります。
アクアリウムショップでは数多く販売されていますが、野外で採集するとなると意外と見かけません。
自然度の高い地域のため池や用水路などで見つかることがあります。
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ホザキノフサモ
学名:Myriophyllum Spicatum
見つけやすさ:★★☆
繊細な羽状の葉が美しい水草です。
日本に自生するミリオフィラムの一種でもあります。
育成は容易で、低光量・CO2無添加でもある程度育ちます。
ミリオフィラムの中でも特に水中を好む種で、他の種のように水上葉はあまり作りたがらない傾向があります。
セキショウモ
学名:Vallisneria asiatica
見つけやすさ:★☆☆
テープの葉が美しい水草です。
日本に自生するバリスネリアの一種でもあります。
育成は容易で、低光量・CO2無添加でもある程度育ちます。
低水温に耐性のあるバリスネリアの一種で、日本産淡水魚をメインとしたレイアウトでは扱いやすい後景草です。
野外では河川やため池よりも、湖に多く見られるようです。
特に湖では、湖岸に打ち上げられていることもよくあります。
クロモ
学名:Hydrilla verticillata
見つけやすさ:★☆☆
透明感のある葉を持ち、房状に育つ水草です。
アナカリス(オオカナダモ)やそれに近縁なコカナダモとよく似ていますが、本種はそれらよりも細く、若干硬質な葉を持ち色味も若干深いです。
本種は葉の縁辺がギザギザになっている点で、カナダモ2種とは区別できます。
育成は容易で、低光量・CO2無添加でもある程度育ちます。
野外では自然度の高い地域のため池などでまとまった数見られることがありますが、外見がよく似たオオカナダモやコカナダモに置き換わってしまっていることも多いです。
よく見られる外来の水草
野外で見かける頻度の多い、外来の水草です。
全国各地でみられる種をピックアップして紹介します。
なお、一部の種は「特定外来生物」という、法律で栽培が禁止されている種もいるので注意が必要です。
法律により栽培が禁じられていない外来種に関しては、育成可能です。
特定外来生物とは、日本の農林・水産業に重大な被害を及ぼす可能性があるとして、外来生物法により名指しで飼育が規制されている生物です。
特定外来生物に指定されている生物は野外でもよく見られ、珍しいものではありません。
しかしながら特定外来生物は、採集して持ち帰ってはいけません。
生きたままでの運搬・飼育は原則禁止されており、違反すると厳罰の対象となります。
なお、捕まえたその場でのリリースは、外来生物法上は問題のない行為です。
しかし、都道府県の条例などでリリースも禁止されている場合があるので注意しましょう。
※リリース禁止の地域で対象の特定外来生物を捕獲した場合は、その場で捕殺するほかありません。
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水草はその種類と部位によってはトリミングした切れ端からも再生することがあります。
魚とは異なり、破片の捨て方が適切でないと非意図的な放流につながってしまうこともあるので注意が必要です。
水草の外来種は、その多くがアクアリウム由来です。
管理には、より一層気を付けなければなりません。
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オオカナダモ
学名:Egeria densa
別名:アナカリス
見つけやすさ:★★★
透明感のある緑が美しい、金魚藻として有名な南米原産の水草です。
アクアリウムにおいてはアナカリスの名前でよく知られています。
水草の中でも極めて強健な種として有名で、低光量・CO2無添加でもぐんぐん育ちます。
見た目が美しく、水質浄化作用も高く、葉が柔らかいので草食性の生き物の植物質補給にも最適です。
食べられてもすぐ殖えるので、継続的な給餌にも低コストです。
このように、水槽内で育成する分には心強い性質を持ちます。
しかし、野外に逸出してしまうと一転します。
強健すぎる性質が災いし、圧倒的な増殖力で在来の水草を駆逐してしまい、自然環境に有害な存在となってしまうのです。
実際に全国各地の用水路などで、普通に見られてしまうのが現状です。
生き物を飼育する上では非常に有用な水草ですので、屋外に逸出しないよう、適切に管理してください。
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ハゴロモモ
学名:Cabomba caroliniana
別名:カボンバ
見つけやすさ:★☆☆
フサフサとした繊細な葉がきれいで金魚藻として有名な北米原産の水草です。
アクアリウムにおいては古くからカボンバの名でよく知られます。
金魚のおやつや水質浄化、鑑賞用などの目的でよく用いられています。
オオカナダモに比べると育成はやや難しく、極端にpHが低かったり、高水温であったりすると溶けてしまう場合があります。
育成条件が他の種に比べややシビアになるなためか、野外でも定着例もみられるものの、そこまで多くはないようです。
ホテイアオイ
学名:Eichhornia crassipes
別名:ホテイソウ、ホテイアオイ、ウォーターヒヤシンス、布袋葵見つけやすさ:★☆☆
金魚鉢によく浮かべられる南米原産の浮草です。
フロート状に膨らんだ葉柄により水面に浮かび、房状の根を水中に下ろします。
この根は金魚やメダカの産卵床としても最適であり、繁殖用兼余剰栄養分の吸収用としてもよく使われます。
基本的に耐寒性は持たないため、全国的に越冬はできません。
しかし、温暖な地域では屋外で冬を越すことがあるようです。
温暖な地域では定着例が知られています。
冬季には枯れてしまうとはいえ、環境が合うと1シーズンだけで1株から数百株以上に殖えることが知られています。
水面を覆いつくし、在来の水草の生育に影響を与えるため、絶対に逸出させてはいけません。
ウォーターマッシュルーム
学名:Hydrocotyle vulgaris
別名:ウォーターコイン、ウチワゼニクサ
見つけやすさ:★☆☆
1本の葉柄の先端に円形の葉を付けるかわいらしい見た目をした水生植物です。
水中、水上どちらの環境にも適応でき、ビオトープにも好んで用いられます。
気温が高くなると成長が盛んになり、ランナーを四方八方に伸ばしながら成長していきます。
耐寒性を持つ植物ですので、冬季には地上部が枯れるものの、屋外で冬越し可能です。
一方で、逸出した場合は定着リスクの高い植物となります。
絶対に逸出させてはいけません。
上記3種に比べると野外で見かける頻度は多くありませんが、一部の地域で定着が見られるようです。
「ブラジルチドメグサ」という、本種によく似た特定外来生物に指定されている植物があります。
そちらは葉の直径が最大で7cmにも及ぶほど大きく、肉厚で光沢のある葉を付けることで区別できます。
ブラジルチドメグサは栽培不可です。
オオフサモ(特定外来生物につき栽培不可)
ボタンウキクサ(特定外来生物につき栽培不可)
身近に採集できる水草 まとめ
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