どうも、ほにゃらら sp.です。
今回ご紹介するのはコリドラス・ゴッセイ。
褐色の頭部には白いスポットが入り、背ビレと胸ビレは鮮やかなオレンジ色に染まります。
背中には濃紺の発色を持ち、独特な色彩が人気の高級感あるコリドラスです。
初輸入時は非常に高価な種として知られていましたが、現在では比較的入手しやすくなっています。
コリドラス・ゴッセイとは
生物学的情報 | |
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名前 | コリドラス・ゴッセイ |
学名 | Corydoras gossei |
分類 | ナマズ目カリクティス科コリドラス亜科 |
食性 | 雑食 |
ノーズ | ショートノーズ |
柄 | ゴッセイ系 |
分布 | ブラジル ― マモレ川 |
飼育要件 | |
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飼育しやすさ | ★★★★★ とても容易 |
入手しやすさ | ★★★☆☆ ふつう |
混泳しやすさ | ★★★★★ とても混泳向き |
最大体長 | 6cm程度 |
適正水温 | 22~27℃ |
pH | 生存可能:5.5~8.0 適正範囲:6.0~7.0 ※あまり気にしなくてOK |
備考 | 背ビレ/胸ビレの毒強め 刺されると痛みが強いので注意 |
コリドラス・ゴッセイはブラジルのマモレ川原産のコリドラスです。
他のコリドラスには見られない複雑な色合いを持っており、古くからポピュラーでありながらやや高級な種として知られています。
茶、オレンジ、紺の3色を基調とした高級感のある配色で、特に背ビレと胸ビレのオレンジ色は遠くからでも良く目立ちます。
尾ビレに入るバンド模様も、高級感を引き立てています。
オレンジの胸ビレを持つコリドラスとしては、他にステルバイが挙げられます。
ステルバイの柄をベースに、背の配色や各ヒレの柄をアレンジしたものがゴッセイ、という見方もできるかもしれません。
ゴッセイは、ポピュラー種としてはやや高額な部類に入ります。
輸入当初のように数十万円もするわけではありませんが、価格が落ち着いたとはいえ決して安価な種ではありません。
本種は個性的で目を惹く色彩を持つことと、まずまずの流通が見られるため、何かと目に留まりやすいコリドラスです。
自薦他薦を問わずコリドラスマニアといえる方の中には、初めて購入した高額種が本種だったという方も多いことでしょう。
本種はブリード個体とワイルド個体、どちらも流通が見られます。
ワイルド個体は大型で風格のある個体が多いです。
ただし、入荷の頻度はそう多くはありません。
一方でブリード個体は、ワイルド個体に比べて安価で入手しやすい点が魅力です。
サイズは小ぶりであることが多く、かわいらしさが垣間見えます。
本種はやや高級な種として知られますが、コリドラスとしては一般的な飼育難易度です。
熱帯魚飼育に必要とされる基本的な設備を整えていれば、それでOKです!
注意点があるにしても、底砂に砂粒の細かいものを採用するぐらいでしょう。
一応、大磯砂でも飼育は可能です。
飼育難易度としては「ごくふつうのコリドラス」といった印象で、これといって特別な注意点はありません。水質にさほど気を使わずとも、見事な発色を見せてくれます。
なお、取り扱いに関しては注意点があります。
背ビレと胸ビレにある毒性が一般的なコリドラスに比べてやや強いので注意しましょう。
詳しくは後述します。
ゴッセイ似のコリドラス
ゴッセイに似た柄を持つコリドラスは、いずれも背ビレと胸ビレの毒性が強いといわれています。
取り扱いの際はご注意ください。
コリドラス・ロングノーズゴッセイ(セウシー)
学名:Corydoras seussi
ブラジル、パカス川、ミモレ川原産のコリドラスです。
ゴッセイと同時期に日本に導入され、ゴッセイのロングノーズタイプということでこの名で呼ばれています。
なお本種は古くからロングノーズと呼ばれますが、実際にはセミロングノーズ系のグループに属します。
学名ではセウシー(seussi)といい、近年ではこちらの名で呼ばれることも増えてきました。
ゴッセイとはよく似ていますが別種です。
この学名はドイツのコリドラス研究家のワーナー・ゾイス氏に献名されました。
ゴッセイ柄の(セミ)ロングノーズ版といえる種で、風格のあるコリドラスです。
ゴッセイよりも白いスポットがくっきり入る傾向があり、美しさが際立ちます。
飼育に関しては容易で、他のコリドラスと大差ありません。
いつでも入手できるほどではありませんが、流通もまずまず見られます。
コリドラス・ファインスポットゴッセイ
学名:Corydoras sp.
ブラジル、マモレ川原産のコリドラスです。
コリドラス・ゴッセイとよく似た模様を持つエレガンスな体型のコリドラスです。
ゴッセイと比べて頭部のスポットが大きく際立つことから、「ファインスポットゴッセイ」と呼ばれる人気の高いコリドラスです。
古くから知られる種ですが、学名に関しては未記載となるようです。
ゴッセイ柄のエレガンスタイプ版らしく、目がやや下寄りに位置しています。
いわゆる「タレ目」顔をしており、ゴッセイ柄との組み合わせが独特の愛らしさを醸し出します。
流通量は少なく、コリドラス・ゴッセイに混ざって輸入される程度です。
単独での輸入はほとんどありません。
コリドラス・トレイトリー
学名:Corydoras treitlii
ブラジル原産のコリドラスです。
ゴッセイ同様に体側の濃色の太いラインを持つロングノーズ系の大型種で、コリドラス・ゴッセイのロングノーズ版として古くから知られています。
「ロングノーズ・ゴッセイ」の名で流通するセウシーは実はセミロングノーズ系の種であるのに対し、こちらは真のロングノーズ系に属する種となります。
ただし本種はここまで紹介した類似種とは異なり、ある程度コンディションが仕上がらないと発色が見られないようです。
このため一見ゴッセイとはかけ離れた色彩をしていますが、コンディションが仕上がると頭部が褐色に染まり、スポットが表現されてくるようです。
有用なアイテム
ゴッセイの飼育に関しては教科書通りの飼育で十分対応できるため、初心者の方でも飼育しやすいコリドラスです。
コリドラス全般に共通する基本的な性質については、コリドラス共通ページをご覧ください。
混泳について
ゴッセイは非常に混泳向きのコリドラスです。
コリドラス同士であれば基本的に問題ありません。
グッピー、プラティ、テトラ、ラスボラ……。
人気の小型熱帯魚とも混泳相性は抜群です。
ちょっと高級感のあるドット柄熱帯魚いろいろ
混泳相手 | 混泳相性 | 備考 |
---|---|---|
グッピー | ◎ | グッピーは弱アルカリ性を好みます。 |
プラティ・卵胎生メダカ | ◎ | 多くの卵胎生メダカは弱アルカリ性を好みます。 |
カラシン・小型テトラ | ◎ | |
コイ・ラスボラ | ◎ | |
ローチ・ボーシャ・タニノボリ | ◎ | ローチ、タニノボリ系は好相性です。 ボーシャ系の攻撃性を持つ種では注意が必要です。 |
フライングフォックス/アルジイーター | ◎ | |
ドワーフシクリッド | ◎ | |
アフリカンシクリッド | × | |
エンゼルフィッシュ | 〇 | |
ディスカス | 〇 | |
ベタ・グラミー・アナバス | ◎ | |
コリドラス | ◎ | |
オトシンクルス・ロリカリア | 〇 | 大型種の場合、遊泳域が重なるのでエサの取り合いが発生することがあります。 サイズや飼育数、遊泳スペースを調整すれば問題はありません。 ※一般的なオトシンクルスやオトシンネグロは特に問題はありません。 |
プレコ | 〇 | 大型種の場合、遊泳域が重なるのでエサの取り合いが発生することがあります。 サイズや飼育数、遊泳スペースを調整すれば問題はありません。 ※タイガー、ブッシープレコ系はトラブルを起こしにくいでしょう。 ※セルフィン、ロイヤルプレコ系は力関係を要観察です。 |
レインボーフィッシュ | ◎ | |
ハゼ・ゴビー | 〇 | 遊泳層がかぶるため、攻撃性の高い種では注意が必要です。 |
フグ・パファー | × | |
エビ・ビーシュリンプ | 〇 | 稚エビは食べられる可能性があります。 |
※混泳相手の種や性格によっては、例外もあります。
◎・・・混泳に適した組み合わせです。
〇・・・混泳は可能ですが、種や個体の性格によっては工夫が必要な場合もあります。
△・・・混泳は不可能ではありませんが、適しているとは言えません。工夫次第で可能になる場合もあります。
×・・・混泳には適さない組み合わせです。
基本的には、コリドラスに対し攻撃を仕掛ける生体でなければ、ほとんどなんでも混泳可能です。
コリドラスがトラブルの火種になることは少ないですが、コリドラス以外の同居魚同士の相性はよく考えてあげてくださいね。
コリドラス以外の生体間での相性はあるので、留意しましょう。
繁殖について
一般的にコリドラスは繁殖が難しいと言われます。
しかしゴッセイは、その中では比較的繁殖が狙える部類に入ります。
繁殖を狙う場合は赤虫やイトメをたっぷり与えると良いでしょう。
また、オス2匹メス3匹程度で飼育するのがおススメです。
コリドラスの繁殖には性成熟が重要で、寿命が長いほど成熟が遅いです。
ゴッセイの場合、ワイルド個体とブリード個体どちらの流通も見られますが、ブリード個体は小型で若い個体が多いです。
ワイルド個体の方が大型で成熟した個体を入手しやすいため、繁殖に成功しやすいかもしれません。
ブリード個体も十分に時間をかければ繁殖は狙えることでしょう。
十分に成熟するとオスがメスをしきりに追うようになり、pHの変動や水温などの変化をきっかけに産卵行動に至ります。
卵は非常に粘着性が高く、水槽面やパイプ、流木などに数個ずつまとめて産卵します。この産卵時にはTポジションと呼ばれるユニークな行動が見られます。
産卵直後の卵は簡単にはがせるので、別容器に移し十分にエアレーションします。
孵化後の稚魚はヨークサックが吸収された後、ブラインシュリンプの幼生を孵化させて与えます。
毒について
ゴッセイは他のコリドラスに比べ、ヒレの毒性が少し強いことで知られています。
触るな危険
ゴッセイに刺されると他のコリドラスよりも患部が痛むことが多いので、絶対に素手で触らないようにしましょう。
水合わせについて
コリドラスは輸送中に、自身が分泌した毒でダメージを受けることがあります。
ゴッセイに関しては独特のにおいが感じられるほど毒が強く、長時間の輸送ではダメージを受けやすい傾向にあるようです。
このため、入荷直後はふわふわと浮いて泳いでいる状態になることが多いです。
これは輸送中に自らの毒で受けたダメージで一時的に弱っている状態(自家中毒)といわれています。
清浄な水でしばらく飼育していると回復し、底を泳ぐようになります。
ゴッセイが輸送されてきた水は白濁したり、泡だっていることもあり、それぐらい毒性が強いことがうかがえます。
購入時の袋の中の水は、輸送中に分泌された毒が充満している可能性があります。
絶対に水槽内に入れないようにしましょう。
メンテナンス時の注意
水槽掃除などで魚を隔離するとき、ゴッセイと他の熱帯魚を洗面器などの狭い容器に移さないようにしましょう。
移動のストレスでゴッセイが毒を分泌し、容器の水量が少ないとその影響が強く出ます。
コリドラスはこの毒に対して比較的強いものの、テトラやラスボラなどの小魚では水量が少ないと致命的なダメージを受けることがあります。
水槽内から一時的に隔離する必要がある場合は、ゴッセイはゴッセイだけで分けておいた方が良いでしょう。
毒性の強い2大コリドラス
コリドラスは全般的に弱毒を持つ魚種ですが、ゴッセイとシュワルツィ、およびそれらに似た柄を持つ種に関しては、その中でも特に毒性が強いといわれます。
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飼育時は十分な水量があるので、この毒はまったく影響ありません。
メンテナンス時などで隔離する際や輸送時など、水量が少なくなると影響が出ることがあります。
コリドラス・ゴッセイ まとめ
コリドラス・ゴッセイ。
美しいオレンジに染まる背ビレに、褐色の地肌でスポットが美しく散らばる頭部。
加えて、背部に見られる濃紺の体色は、コリドラス全体を探してみても個性派といえる色彩です。
まずはアエネウスに始まり、ステルバイでバリエーションを知り、アドルフォイでその奥深さを知る。
そして、ゴッセイの華やかな色彩で、コリドラスの無限の可能性を知ることになるでしょう。
ここまでくれば、もう怖いものはありません。
コリドラスの魅力にどっぷりと浸かり込むこと間違いなしです。
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