こんにちは、5分でわかる!のスズキです。
メダカを飼う感覚で熱帯魚らしい観賞性が手に入り、
繁殖も容易で品種改良や品評会へのチャレンジ精神をかきたてる……。
グッピーはまさに、熱帯魚飼育がはじめての方にもピッタリな入門種。
「グッピーの教室」は、グッピー飼育初心者向けのなるほどシリーズです。
今回の授業は、グッピーの定番品種の特徴・見分け方について。
グッピーの魅力である色彩やヒレの形、混泳上の注意点など解説します。
名前でわかるグッピーの特徴
グッピーというと、カラフルで大きな尾ビレでひらひらと泳ぐイメージがあるでしょうか。
そんなグッピーを飼ってみたいと検索すると、実に多種多様なグッピーがいることに驚くかもしれません。いくつか見ていると、名前や見た目になんとなく法則のようなものがあることに気付くことでしょう。実際、名前にグッピーの特徴が集約されているのです。
グッピーは繁殖のしやすさもあって、体色や模様、尾ビレの形など、さまざまな組み合わせから品種が次々と作り出されてきました。特徴的な模様や尾ビレの形にはそれぞれ名称(形質)があります。種類の異なるグッピーでも、共通した名称を含んでいればその部分は同じ特徴を持つというわけです。
例として、ブルーグラスグッピーとブルーグラスリボングッピーを並べてみました。ブルーの青、グラスと呼ばれる尾ビレの形は共通しています。違いとなるリボンとは、オスのゴノボジュウム(交接器)が長く伸びる特徴を持つ名称のことです。
国産グッピーの場合、品種名の付け方には規則があります。
体色、色彩・模様、尾ビレの色彩・模様・形、ヒレの形という順番になります。
(色彩・模様と尾ビレの色彩・模様・形が逆になることもあるようです)
名称の意味を知っておくとグッピーを選ぶ上でも役に立ちます。
それでは、観賞ポイントを見ていきましょう。
グッピーならではの色彩・模様
グッピーといえば、やはりそのカラフルな色彩、模様こそ観賞ポイントのひとつ。
単色系のグッピーからヒレを含めた全身に色彩や模様が入るものまで実に多彩です。全部は紹介しきれないので、代表的・特徴的なものをピックアップしました。
タキシード
タキシードは、体の後ろ半分から尾ビレに向かって黒色が入り、前後半で印象が異なる点がユニーク。ネーミングもタキシードを着ているかのような見た目に由来するようです。
コブラ
コブラなんてグッピーらしくないネーミングですが、ヒレを含めた全身に細かな網目のような柄が人気です。柄の主張の強さで他のグッピーにはない存在感をアピールします。
オールドファッション
オールドファッションは、体に大きめの黒いスポットとカラフルな多色をのせているのが特徴。柄の出方は個体ごとに異なります。
ピングー
尾筒の後半がピンクや黄色になるのがユニーク。さらに、タキシード遺伝子を持つ個体だけに表現され、持たない場合は「パンダ」と呼ばれます。
プラチナ
プラチナは、上半身に光沢をのせたもの。ピカピカときらめくようです。
グッピーの印象的なヒレを楽しむ
グッピーの魅力を支える大きな尾ビレの形、模様も観賞ポイントです。
尾ビレ以外のヒレにも特徴を持つ品種もいて、色彩や模様と組み合わさることでより魅力的に。
見比べてみても面白いですよね。
尾びれをフリフリしたかわいい泳ぎも愛らしい。
ぜひコチラの動画をご覧ください。
まずは定番の模様から。グッピーの尾ビレの模様といえば、こんなイメージの人が多いことでしょう。
グラス
体の透明度が高く、尾ビレに細かい黒いスポットが入る定番人気の模様です。スポットの入り方には個体差が大きいものの、繊細な美しさは変わりません。
モザイク
尾ビレに大きめの黒いスポットがモザイク模様を描く定番人気の模様です。模様の入り方、色彩によって、とても見映えがします。
ここからは特徴的な尾ビレ、ヒレの形に注目してみてください。
ラウンドテール
ラウンドテールは丸みのある形がかわいらしい。
スピアテール
スピアとは「やり」のこと。引き締まった印象を与えます。
ライヤーテール
上下に分かれた尾ビレは、ライヤーと呼ばれる弦楽器を横から見た形にたとえられています。
ソード(トップ・ボトム・ダブル)
トップソードは尾ビレの上端部が伸長し、シャープな印象です。
ボトムソードは尾ビレの下端部が伸長します。長いほど優雅な印象に。
ダブルソードは尾ビレの上端と下端部が伸長します。個体差があり、必ずしも均等ではありません。
リボン
リボングッピーはオスメス共にヒレが長くリボン状に伸び、オスは交接器のゴノポディウムも伸長します。そのため受精能力が低く、繁殖にはリボン遺伝子を持たないオスとリボンタイプのメスを交配させます。
スワロー
スワローグッピーはヒレの一部がランダムに伸ます。リボンと同様にオスは交接器のゴノポディウムも伸長するため、繁殖にはリボン遺伝子を持たないオスとリボンタイプのメスを交配させます。
メラー
メラーグッピーはヒレが裂ける点が非常にユニーク。日本で作出されたといい、比較的新しい表現系として扱われています。裂けた尾ビレでも遊泳力は十分。オスのゴノポディウムも機能します。
ダンボ
ダンボとは、正面から見ると丸く大きく伸長した胸ビレが大きな耳に見えることから。個体差があり、大きく形のバランスが良いほど高値に。
グッピーは卵から産まれない?
グッピーは卵胎生という繁殖形態から卵を産まず、稚魚を出産します。
出産の瞬間はまさに神秘的です。
ただし、初産では数匹程度でも成熟すると最大で50~100匹程度の稚魚を出産することも……。
卵胎生のため稚魚の生存率が高いこと、稚魚は3カ月で成熟するため世代交代のサイクルも速いです。
1ペアからでもどんどん殖えるため、殖えすぎに注意してください。
稚魚と親魚を一緒にしていると食べられてしまうことがあります。
メスが妊娠した時点で産卵箱に入れてあげると安心です。
グッピーは混泳相手に要注意
たとえるならグッピーはオシャレな熱帯魚。
グッピーたちを並べてみると、まるでファッションショーのようですよね。
いろいろなグッピーを泳がせたい、水槽をにぎやかにしたくなりますが、
グッピーを混泳させるうえで知っておきたい注意点があります。
①外国産グッピーと国産グッピーを混泳させない
外国産グッピーはグッピーエイズキャリアである可能性が高く、一方で国産グッピーは体内に抗体を持っていないことがほとんど。このため、混泳させることで国産グッピーが全滅する可能性があります。国産同士、外国産同士で混泳させるようにしましょう。
詳しくはこちら
②ヒレをかじる魚種と混泳させない
グッピーは温和な性質のため、多くの小型魚との混泳を楽しめます。
一方で、攻撃性を示すものやヒレをかじるものとの混泳には不向きです。
たとえば、気が強いテトラ類、フグ系、アフリカンシクリッド系が挙げられます。
詳しくはこちら
まとめ
今回は、グッピーの定番品種の特徴・見分け方についてお届けしました。
カラフルな色彩と優雅な尾ビレ、神秘的な誕生まで楽しめるのがグッピーの魅力です。
それでは次の授業をお楽しみに!
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