こんにちは、5分でわかる!のスズキです。
メダカを飼う感覚で熱帯魚らしい観賞性が手に入り、
繁殖も容易で品種改良や品評会へのチャレンジ精神をかきたてる……。
グッピーはまさに、熱帯魚飼育がはじめての方にもピッタリな入門種。
「グッピーの教室」は、グッピー飼育初心者向けのなるほどシリーズです。
今回の授業は、グッピー水槽のコケ対策について。
水槽飼育につきもののコケの悩み。読んで水槽も悩みもスッキリさせましょう!
コケが発生する原因
グッピーを飼育していると、いつの間にかコケが発生していることがあります。
コケは藻類であり、すなわち植物の仲間です。植物の成長には、日光や養分に加えて二酸化炭素が欠かせません。グッピー水槽の場合、基本的にライトを使用するうえ、エサやりも毎日行っているはずです。グッピーも呼吸をする際に酸素を取り込んで二酸化炭素を吐き出します。つまり、コケとグッピーが育つ条件は同じというわけです。
加えて、グッピー水槽は冬場もヒーターを使うため、コケにとっても一年中快適。季節を問わずコケに悩まされがちです。
コケが発生する主な原因として、①コケの養分となるフンや食べ残しなどが水槽にたまっている、②水槽の立ち上げ初期、大掃除の後など水質が不安定であることが挙げられます。水槽に汚れがたまってしまうのは、エサを与え過ぎている、ろ過能力が十分でない、水換えや掃除が不十分であることのいずれかです。また、きれいに見える水でも栄養が蓄積していればコケは生えてしまいます。
コケは発生してしまうと自然に消えることはありません。水槽についたコケは美観を損ねる存在です。コケを取り除きつつ、安定した水質を維持する環境を作る必要があります。
バクテリアのはたらきについて
グッピー水槽に発生する主なコケ
コケにも種類があります。画像は代表的な茶ゴケ、アオミドロ、黒ヒゲコケです。
今、グッピー水槽にコケが発生している場合、どのタイプでしょうか?
水槽の壁面、水草、石、フィルターそれぞれ見てみてください。
茶ゴケ
水槽をセットすると一番最初に発生するコケ。茶ゴケは水道水に含まれる「ケイ素」を養分としていて、水道水を使用すると発生しやすくなります。発生初期なら簡単に落とせます。
アオミドロ
栄養や光量の過多により増殖するコケ。単体では糸状なのですが、集合体になって大きくなる大変見映えが悪くなります。成長スピードが速い点に注意が必要です。
黒ヒゲコケ
フサフサした黒色のコケ。フンや枯れた水草から作られるリンを栄養としていて、水草や排出口を中心に水槽のあちこちに発生します。頑固で落としにくい厄介なコケです。
コケといっても色・形状・好む養分はさまざまです。その他、水槽内に栄養分が蓄積してくるとガラス面に薄い緑色のコケ、ベタッとした見た目で悪臭を放つ藍藻(シアノバクテリア)が発生することがあります。
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水槽内の養分を減らそう
まずは水換えを行う
すでにコケが発生している状況においては、まずは水換えをすることで水槽内のコケの養分となるものを排出しましょう。水換えの量は3分の1程度で十分です。水換えを行う際、底床のフンも取り除くようにしてください。プロホースを使うと便利です。
水草の力を借りる
水槽内の水草の量は十分ですか?水草もコケも植物同士ですが、成長スピードの速い水草を導入することでコケに回る栄養分を抑えることができます。
前回の授業でもご紹介しましたが、グッピー水槽には古くからスプライト系の水草が人気です。
特に、ウォータースプライトは以下の理由からで大変おすすめできます。
・グッピーの水質に適応しやすい
・葉が柔らかく、グッピーの尾を傷つけない
・浮かせておくだけでも水質浄化作用が高い
・浮かせておくと根っこが稚魚の隠れ家になる
前回の授業はコチラ
メダカ用の水草としてマツモやアナカリスがよく知られています。水質浄化作用があってなおかつ肥料もいらないという点でおすすめです。
照明の点灯時間を短くしよう
コケ対策として最も簡単、今すぐできるのが照明の点灯時間を短くすることです。
とても単純ですが、点灯時間を短くすればコケも減らすことができます。
グッピーがきれいに見えるからといって、照明を一日中つけっぱなしにしていませんか。
照明の点灯時間は1日8~10時間が一般的です。水草の育成に注力していない魚中心の水槽であれば、通常のおよそ半分となる4~6時間程度に点灯時間を抑えることで目に見えて効果が出るでしょう。
ミクロソリウムやアヌビアスあたりの陰性水草なら、この程度の点灯時間でも問題なく育成可能です。ただし、もともと遅めの成長スピードがさらに遅くなります。
道具を使ったコケ対策
コケを取るなら、やはり人の手で取り除くのがもっとも手っ取り早い方法です。
水槽の壁面ならふき取るかこそげ落とせば大丈夫。発生初期なら簡単に除去することができます。
コケ取りアイテムは比較的安価なものが多く出回っています。
スポンジ、タワシ
スクレーパー、ワイパー
こそげ落としたコケはネットですくいましょう。特に黒ヒゲコケは、かけらからコケが広がってしまいます。
生体を使ったコケ対策
水草や流木、石などに発生したコケ取りには生き物の力を借りましょう。
グッピーの飼育環境になじみ、なおかつグッピーと混泳相性が良いコケ取り生体をご紹介します。
水槽もにぎやかになりますよ。
イシマキガイ
イシマキガイは安価で入手しやすく、コケ取り貝としての知名度はナンバーワン。まるでブルドーザーのように壁面のコケをそぎ落していきます。ただし、1匹あたりのコケ取り能力はそこまで高くないので、数で勝負といったところ。
イシマキガイの仲間は低温に弱く、耐寒性がないものが多いのですが、ヒーターを装備しているグッピー水槽なら問題ありません。
レッドラムズホーン
赤色が美しい小型の巻貝です。冬季の屋外飼育には弱いのですが、食べ残しを掃除してくれる、耐寒性が高い、塩分に強いところが魅力。古くからグッピーや卵生メダカのブリード水槽で愛用されてきた実績があります。
ただし、殖えすぎると水草の食害につながる点に注意が必要です。
オトシンネグロ
オトシンネグロは、オトシンクルスと並ぶ人気の小型ナマズの仲間です。体長は4cmとオトシンクルスと比較して少し小さく、ややスレンダー。茶色がかった体色をしています。
吸盤のような下向きの口で壁面や水草表面のコケをなめ取ります。特に茶ゴケに対して有効で水草を食害しない点も安心ですね。
細かな部分のコケを除去する仕上げ役が適任のため、イシマキガイやミナミヌマエビなどメインのコケ取り要員が必要です。冬季の飼育は加温が必須ですが、ヒーターを装備しているグッピー水槽なら問題ありません。
ミナミヌマエビ
ミナミヌマエビはヤマトヌマエビと並ぶ、コケ取り要員として優秀な淡水エビです。体長5cmになるヤマトヌマエビとは違い、ミナミヌマエビの体長は2~3cm程度と小型。細かな水草や流木の隙間のコケ取り能力を発揮、グッピーたちが食べ残したエサの掃除もしてくれます。
コケの発生を抑えるために
コケ取り要員を導入したからと安心せずに、水換えは定期的に行いましょう。
エサは5分で食べ切れる量が適切です。食べ残しは取り除いてください。
過度な光量もコケを増やす原因となります。飼育に適切な光量を当てるようにしましょう。
水質を安定させるために、バクテリア付きのろ材、バクテリア剤の導入も有効です。
とにかく簡単にコケを抑えたいならコレ!
面倒くさいことはイヤ。そんな方にオススメのアイテムです。
まとめ
今回は、グッピー水槽のコケ対策についてお届けしました。
クリアな水槽は気持ちが良いですよね。
それでは次の授業をお楽しみに!
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