どうも、ほにゃらら sp.です。
今回紹介する水草はヘアーグラス・ショート。
前景草として利用される水草としては定番中の定番種です。
草原系のレイアウトを作り上げていく上では、欠かせない水草ですね。
ヘアーグラス・ショートとは
| 生物学的情報 | |
|---|---|
| 名前 | ヘアーグラス・ショート |
| 別名 | ミニヘアーグラス チシママツバイ 松葉蘭 |
| 学名 | Eleocharis parvula |
| 分類 | カヤツリグサ科ハリイ属 |
| 分布 | 日本、東南アジア |
| 育成要件 | |
|---|---|
| 主な用途 | 前景草 |
| 水温 | 20～28℃ |
| pH | 5.0～7.0 |
| 光量 | 30cm水槽:1000lm 60cm水槽:3000lm 90cm水槽:5000lm |
| CO2添加 | 必須 |
ヘアーグラス・ショートは草原のようなレイアウトを作り上げることができる、カヤツリグサ科の水草です。
まるで髪の毛のように細長い葉を展開し、芝生のように横に這う性質があります。
通常の「ヘアーグラス」に比べて葉が短いので、「ヘアーグラス・ショート」という名前はよくその性質を表しています。
前景草の代表ともいえ、背丈が２cm程度にとどまるため小型水槽でも使い勝手が良い水草です。
葉が地面に向かって反り返るので全体的な高さが低く見え、大型水槽で使用しても開放感ある水槽を演出することができます。
前景草の中では、コケ対策をしっかり行えば水質にもよく適応します。
長期維持しやすい点も本種の魅力です。
| その他の前景草 | 育成時の備考 |
|---|---|
| グロッソスティグマ | 維持のために肥料がたくさん必要。 追肥やソイルの補充が必須。 |
| キューバパールグラス ラージパールグラス | 要求する水質や肥料分にややクセがある。 白化しやすい傾向あり。 |
| コブラグラス | 成長が遅い。 緑の絨毯になるまで時間がかかる。 |
| ウォーターローン | 繁茂した後に、根っこから抜けやすい。 |
▼前景草の選び方 こちらも参考
ヘアーグラス・ショートを用いたレイアウト
ヘアーグラス・ショートは前景草の中ではトップクラスに低く、同じく前景草に用いられる「エキノドルス・テネルス」よりもさらに低く底床を這う性質があります。
底床をヘアーグラス・ショートで埋めると、後ろに植える草との遠近感がより顕著になるので、おすすめのテクニックの一つです。
ヘアーグラスとの違い
ヘアーグラス・ショートとよく似た水草に、「ヘアーグラス（マツバイ）」があります。
どちらもカヤツリグサ科ハリイ属と近縁な関係にあり、前景草として用いられます。
どちらも見た目はそっくりですが、両者の相違点は「水中での背丈の高さ」にあります。
ヘアーグラス・ショートは背丈が2cm程度にとどまるのに対し、ヘアーグラスでは10cm程度まで伸長します。
このためヘアーグラスは前景～中景向きとなり、レイアウトで有効な植栽位置が少し後ろ寄りになります。
作り上げたいレイアウトによって、使い分けましょう。
水上葉
水上葉
特に水上葉はヘアーグラスと瓜二つ。
ヘアーグラスと比較しても、長さがほとんど変わりません。
育成環境によっては、ショートのほうがむしろ長くなることもあります。
水中で育成してこそ、大きく違いが現れます。
レイアウトのコツ
ヘアーグラス・ショートを中心としたレイアウトが最も活きるのは、石組+草原風のレイアウトです。
- 植え付けから仕上がるまで約２カ月
- 株をほぐし、小分けにして底床に埋め込む
- 水上葉が枯れてきたらトリミング
- エビを多めに入れてコケ対策
ヘアーグラス・ショートは「十分な光量」「CO2添加」「底床肥料」の３つの条件がそろわないと、カールせずに直線的に育つことがあります。
| 30cm水槽 | 3束分 |
| 60cm水槽 | 5束分 |
| 90cm水槽 | 10束分 |
| 120cm水槽 | 20束分(10束×2) |
用意するアイテム
ヘアーグラス・ショートを用いた草原風の石組みレイアウトを作り上げる上で、必要となるアイテムをご紹介します。
ソイル
おすすめの底床素材は「栄養系」ソイルです。
ヘアーグラス・ショートは肥料分をある程度要求するため、「吸着系」ソイルでは上手く育たないことがあります。
「水草用」と記載のある製品が良いでしょう。
ソイルの量は30cm水槽で最低３L、60cm水槽で９L用意します。
ソイルは水洗いする必要はありません。
そのまま直接、水槽内に敷いてください。
| 30cm水槽 | 2~3L |
| 60cm水槽 | 8~9L |
| 90cm水槽 | 18L |
| 120cm水槽 | 27L |
石
ソイルを敷いたら、次にお好みの石を用意して石組みをしましょう。
石組みの際はまずメインとなる親石を配置し、それを取り巻くように小さい石を周囲に構成すると見た目が良くなります。
▼こちらも参考
ピンセット・ハサミ
石組みが終わったら飼育水またはカルキを抜いた水を水槽の高さ２/３程度まで静かに注ぎます。
用意したヘアーグラス・ショートの水上葉を小束に分けて等間隔に植え込みます。
水上葉はカットせず、そのまま植えこみましょう。
１～２週間ほどで水中葉の新芽が出てきます。
植え終わったら、残りの水を足しましょう。
ヘアーグラス・ショートは適切なタイミングでトリミングをしてこそ真価を発揮します。
育成環境にもよりますが、トリミングはおよそ２～３カ月に１回くらいが目安です。
植え込みやトリミング時に草体を抑えるピンセットと、カット用のハサミがあると大変作業がはかどります。
照明
ヘアーグラス・ショートの育成には強めの光量が必要です。
60cm水槽では3000lm程度の光束が必要量の目安となります。
光束だけでなく波長にも着目し、680nm付近の赤い波長を含むLEDを選ぶようにしましょう。
| 30cm水槽 | 1000lm |
| 60cm水槽 | 3000lm |
| 90cm水槽 | 5000lm |
| 120cm水槽 | 6000lm |
アクロ TRIANGLE GROWシリーズがオススメです。
CO2添加システム
草原のようなレイアウト美しく仕上げるには、CO2の添加は必須です。
フィルター
フィルターは添加したCO2が逃げにくいよう、外部式フィルターがオススメです。
肥料
カリウム分を中心とした液体肥料を与えると、成長が早まり良い結果が得られます。
オススメの生体
ヘアーグラス・ショートを中心とした草原風レイアウトにオススメの生体です。
群れを作る習性を持つ小型魚を、群泳させるのが似合うでしょう。
小型カラシン、ラスボラの仲間などがおすすめです。
▼こちらも参考
糸状コケ対策
糸状コケ対策
壁面のコケ対策
黒ヒゲコケ対策
ヘアーグラス・ショートを美しく維持するには、糸状のコケや枯れ葉の除去要員が必要です。
対策としてヤマトヌマエビ、もしくはミナミヌマエビがオススメです。
壁面に生えるコケや、黒ヒゲ状のコケはそれぞれオトシンクルス、フライングフォックスで予防しましょう。
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