一般的に抱卵というと鳥がお腹に抱えて温めることを指しますが、
エビの場合、産卵した卵を腹肢に抱えることを指します。
エビには小卵型と大卵型と2つのグループがいます。
小卵型は汽水が必要で水槽内での繁殖は難しいとされますが、
大卵型は淡水で繁殖が可能です。
飼育していると、いつの間にかエビが抱卵してることがあります。
今回は、そんな大卵型のエビの抱卵から稚エビ飼育を掘り下げてみたいと思います。
エビの繁殖時期は?
自然下では5月~8月が繁殖シーズンといわれ、新月や満月の出るタイミングで繁殖の周期がやってきます。性成熟したメスは背中に白いラインが入り、脱皮をした時にフェロモンを出すようです。
飼育下ではヒーターなどで水温が安定し、環境に合った飼育水や栄養価の高いエサを与えているので、通年繁殖が可能となります。
成熟したオスはメスのフェロモンで刺激され、水槽内を活発に泳ぎメスを追い回します。その行動を「抱卵の舞」といいます。
※この際、脱皮したばかりのメスは、体力を削られて死んでしまうこともあります。
抱卵の舞の後、産卵が上手くいくと、メスはお腹に卵を抱えます。
抱卵(産卵)
産卵は1度に多くを産まず、2~3時間をかけて約20~40個になり、多いときは100個ほどお腹につけます。
このように、お腹に抱えるように卵を持つ姿から「抱卵」といわれます。
※産卵後約2~4週間でふ化します。
抱卵に最適な水温は23~25℃程度、低い水温だと抱卵しないことがあります。
※筆者の経験上、ビーシュリンプ系は22℃以下で飼育している場合に抱卵する確率が下がる印象です。
抱卵個体の隔離
抱卵個体を見つけたら、産卵ボックスや別の水槽に隔離してあげます。そうすることで、他の生き物に食べられたりする心配がなくなります。
稚エビがふ化したら
大卵型の卵は2~4週間は卵の中で過ごし、約3~4mmで親と同じ姿でふ化します。
ふ化したばかりの稚エビは柔らかく、1回目の脱皮をするまではじっとして動きません。
稚エビのエサ
稚エビは1~2週間は、水槽内ガラス面や流木、水草に付いた植物性プランクトンを食べます。
※ワムシなども食べます。
脱皮を数回繰り返し、2週間すぎたあたりから人工飼料も食べ始めます。
※稚エビには大きいので砕いてあげるようにしましょう。
稚エビの環境
水質や水温は親個体と同じ環境を整えてあげましょう。水質が悪いと微生物もわかず稚エビが育ちません。※隠れ家やモスなどを設置してあげると生存率が上がります。
フィルターの吸い込みを防ごう!
稚エビのサイズは数ミリです。フィルターに吸い込まれてしまいます。
おすすめするフィルターは、スポンジフィルターや底面フィルターになります。稚エビが吸われる心配なくご使用できます。
ストレーナスポンジが付いてないフィルターでも汎用性のストレーナースポンジで防ぐようにしましょう。
成長にはミネラル分を!
甲殻類はミネラルを吸収して成長します。硬度が0ということがないようにしましょう。
添加剤は飼育水に足りない要素を補う役割を果たします。飼育水のTDSを測って使用すると失敗を防げます。
まとめ
淡水の大卵型のエビは容易に水槽内繁殖が可能なタイプです。
コケ対策のミナミヌマエビから、観賞用シュリンプで人気のビーシュリンプ、チェリーシュリンプなどがいます。
色とりどりのエビの繁殖にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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