こんにちは、5分でわかる!のスズキです。
飼いやすく人によく懐く身近な観賞魚、金魚。
カラフルな色彩や優雅なヒレなど、絵になる美しさを持つ金魚には奥深い魅力があります。
「金魚の教室」は、金魚のいる生活を楽しみたい初心者向けのなるほどシリーズです。
今回の授業は、金魚の飼育の基本とNGについて。
飼育の始め方からに初心者にありがちな失敗について解説します。
金魚は飼いやすい?
金魚と日本人の関係はとても古く、なんと室町時代から始まったそうです。ただ、庶民が金魚を楽しめるようになったのは江戸時代から。武士が副業として金魚の養殖を始めたことで庶民の手が届く価格になると、瞬く間に広まって金魚ブームが起きたといいます。
金魚はとにかくタフ。水質悪化や低温にも耐えることができます。ただ、金魚のタイプごとに特性があり、みな同じような飼い方はできません。
たとえば、長手(和金型)は気を使うポイントが少ない点で飼育難易度は低めですが、丸手(琉金型、オランダ型、ランチュウ型)は反対に気を使うポイントが多く、難易度高めです。それでも金魚は寿命が長く、上手に飼えば10年以上も長生きしてくれますよ。
知っておきたい金魚の特徴
金魚を飼育する上で知っておきたい特徴があります。
もしかすると意外な部分があるかもしれません。
・人に懐く ・群れで行動する ・胃がない ・共食いをする ・産卵個数がやたら多い
・環境次第で色が抜ける ・ショートスリーパーである ・オスとメスの区別が難しい
・長寿である ・病気にかかりやすい
注意したい特徴について見ていきましょう。
胃がない
金魚を含むコイ科をはじめ、魚の中には胃を持たない「無胃魚」と呼ばれるものがいくつかいます。
胃がないためか満腹感が得られないようで、与えた分だけ食べてしまいがちです。
もちろんエサの量に比例してフンも増え、水質悪化を早めます。
また、金魚は消化不良を起こしやすく、消化吸収の良いフードを選んであげましょう。
共食いをする
一見、穏やかそうな金魚の世界であっても、時として水槽内は不穏な空気に包まれます。
それはエサが足りない、弱った金魚がいる、体格差や泳力差が大きい……。
水槽内がこのような力関係が生まれそうな状態にあると、共食いのリスクが高まります。
環境次第で体色が抜ける
飼育環境によっては、だんだん体色が薄くなる、白っぽくなることがあります。
原因として、主に光量不足やストレス、体調不良が考えられます。
また、成長するにつれて体色が変化することもあります。
対処方法として、色揚げ効果のあるエサを与える、塩水浴を行ってみてください。
病気にかかりやすい
金魚は丈夫なのに、病気にかかりやすいとは?
矛盾に思うかもしれませんが、金魚は次のような環境下にいると病気にかかりやすくなります。
・エサを与え過ぎている
・ストレスがかかっている
・スレ傷がついている
・朝晩など水温の変化が大きい
・掃除が不十分で水質が悪化している
金魚の病気には、転覆病や尾腐れ病、水カビ病、白点病、松かさ病、穴あき病が挙げられます。
金魚の飼育を始めるなら和金型から
和金型は、金魚の元祖となったフナに最も近い体型のグループ。和金やコメットは金魚すくいでもおなじみですね。丈夫で飼いやすく、はじめての金魚飼育にも最適です。なお、和金型は泳ぎが速く、あまり泳ぎが得意ではない琉金型、オランダ型、ランチュウ型との相性が良くありません。混泳は避けてください。
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国産・外国産の混泳はNG
タイプが同じでも、国産の金魚と外国産の金魚を混泳させてはいけません。
グッピーのケースがよく知られていますが、外国産は病気のキャリアの可能性があるからです。
金魚の場合、たとえ国産同士であってもトリートメントなしでの混泳はおすすめできません。
混泳させる場合は、エルバージュなど抗菌剤系の魚病薬で1週間ほど薬浴させましょう。
金魚を迎える準備をしよう
金魚の飼育に必要なもの
金魚の飼育には、①水槽②フィルター③底床④エサ⑤カルキ抜き剤⑥水温計を用意しましょう。水草は必ずしも必要ではありません。用品選びが大変なら、初心者向けの飼育セットがオススメです。
金魚はどんどん大きくなります。はじめから大きな水槽を選ぶと、買い替えの手間をなくせます。また、金魚鉢はひと夏を過ごすためのものと考えてください。長期飼育には向きません。
①水槽と②フィルターのセットが便利
フィルタ―には、フンなどのごみを取りのぞく、ろ材にバクテリアを定着させて有機物を分解させるなど、ニオイや濁りを抑え、水をきれいに保つ役割を果たします。フィルターが性能を発揮するには、水槽サイズに適している必要があります。水槽とフィルタ―のセットなら確実ですね。
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金魚に適した水質・水温
好む水質:中性~弱アルカリ性
適性水温:15~28℃
水道水は、必ずカルキを抜いてから使用してください。
金魚は丈夫ですが、食べ残しやフンによる水質悪化はpHの低下(酸性化)を招きます。
水温も体調不良や病気対策として一定の水温を保てるようにしてください。
金魚を水槽に導入しよう
初心者が失敗しがちなのが「水合わせ」です。水合わせの失敗は金魚が調子を崩す原因に直結します。
金魚(金魚に限らず、水槽飼育の生き物すべて)を迎えた際に、いきなり水槽に入れてはいけません。金魚がそれまで暮らしていた水温や水質とは違うからです。環境が急に変われば、金魚に大きなダメージが加わります。
水槽の水に少しずつ慣らす「水合わせ」を必ず行いましょう。水槽飼育の第一関門です。
水合わせ(簡易版)の手順
①金魚を袋のまま(入手した状態)で水槽の水に15~30分(冬季は1時間)ほど浮かべます。
②水温を合わせたら①の袋の水を1/3ほど捨て、捨てた分と同じ量の水槽の水を入れ、
15分ほど水槽の水に浮かべます。このとき、袋が水槽の中に落ちないよう固定してください。
③②の作業を3~4回ほど繰り返します。
④金魚だけをすくって水槽に入れて完了です。
エサやりと水換え
水槽に導入したばかりの金魚は、環境変化によるストレスで食欲も落ちています。
導入して2~3日間はエサを与える必要はありません。
通常のエサやりは1日1~2回、5分以内で食べきる量を与えてください。
食べ残しは水を汚す原因となるため、取り除きましょう。
水換えは、2週間に1回のペースで行います。
水換えの手順
①カルキを抜いた水道水を用意します。
②全体の1/3の水程度の水を入れ替えましょう。このとき、金魚を取り出す必要はありません。
③新しい水をゆっくりとやさしく入れます。ザバーッと入れると金魚に負担がかかってしまいます。
掃除や水換えにあると便利!
水が汚れやすく、コケも生えやすい金魚の水槽は、定期的に掃除や水換えを行う必要があります。
便利なアイテムがこちらです。
初心者あるある?金魚の飼育でNGなこと
金魚を迎えました。すぐ水槽に入れたいのですが。
ダメです。金魚は急な水質、水温の変化が苦手です。入手先に関わらず、金魚を水槽に導入するには必ず「水合わせ」という作業が必要です。ゆっくり水槽の水に慣らしてあげてください。
一匹だとかわいそう。金魚同士なら違うタイプでも同じ水槽で大丈夫ですよね。
大丈夫ではありません。泳ぎのタイプが違ったり、明らかな体格差があったりするとイジメる・イジメられるといったような力関係が発生します。
実際、スズキは琉金のいる水槽にお祭りですくってきた和金を入れてしまったことがあります。一緒にいても仲良くなることはなく……。琉金は和金にイジメられ、衰弱してしまいました。
金魚たちが水面をパクパクしています。なんで?
まずは酸素不足を疑ってください。水槽内が過密になっていませんか?一般的なサイズの金魚では、1匹あたり約10Lの水量を必要とします。また、フィルターをセットしたばかりならアンモニア中毒が疑われます。あるいはエラ病の場合にも同じ症状が見られますが、エラに変色があるかどうかで判断が可能です。
うちの金魚、エサをよく食べるんです。かわいいので1日に何回もエサをあげちゃいます。
金魚って「エサくれよ~」とガン見してきますし、エサをあげると「わーい」ってよろこんでいるようでかわいいですよね。でも、エサのあげすぎは転覆病の原因にもなります。水も汚れやすくいいことはありません。1回につき5分で食べ切れる量を1日1~2回与えてください。
金魚についてさらに詳しく知りたい方はこちら
まとめ
今回は、金魚の飼育の基本とNGについてお届けしました。
水槽に導入する際はしっかり水合わせを行ってくださいね。
それでは次の授業をお楽しみに!
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