こんにちは、5分でわかる!のスズキです。
飼いやすく人によく懐く身近な観賞魚、金魚。
カラフルな色彩や優雅なヒレなど、絵になる美しさを持つ金魚には奥深い魅力があります。
「金魚の教室」は、金魚のいる生活を楽しみたい初心者向けのなるほどシリーズです。
今回の授業は、金魚の行動・しぐさについて。
金魚はとても表情が豊かで、行動やしぐさから状態や気持ちがわかるんです。
人に対する金魚の行動・しぐさ
金魚は人によく懐く生き物です。金魚が長く愛されてきた理由の一つとして挙げられるでしょう。手からエサを直接食べてくれる金魚もいるようです。
それにしても、懐くとどんな行動・しぐさを見せてくれるのでしょうか。
飼い主を見つめる
金魚があなたを見つめるのは、ズバリ!エサをくれる人だから。金魚は人の顔を認識しているようですね。尾ビレをフリフリ、あなたを見つめながら口をパクパクさせるので、まるで「エサをちょうだい」と言っているように見えます。この餌くれアピールは「餌くれダンス」といわれるもので、多くの人が動画を公開しています。
金魚の数が多いほど、「エサの時間だ!」「エサくれるんでしょ?」「3回目のエサはまだか?」とその圧は大きくなります。そうはいっても圧に負けてエサのやりすぎは禁物ですよ。
水槽越しに寄ってくる
「ご主人さま~」と慕うように水槽越しに寄ってくる金魚のかわいらしさ、もう体験しましたか?
この状態になってこそ、金魚とあなたは相思相愛といえるでしょう。
「エサをくれ~」のアピールにも見えますが、どう捉えるかはあなたのマインド次第です。
他の金魚に対する金魚の行動・しぐさ
時として、金魚は他の金魚を執拗に追いかけ回す、つつき回すことがあります。その光景に「金魚ってこんなに攻撃的なの?」と驚くかもしれません。
相性の悪さから来るイジメもあれば、そうでない場合もあります。ここはしっかり見分けることができるようになりたいですね。
他の金魚をつつく
つつく、つつかれるといういじめのような力関係が発生している場合、原因を探りましょう。特に泳ぎの速い和金型は、ゆったり泳ぐリュウキン型、オランダ型、ランチュウ型との相性が良くありません。例えば、出目金、水泡眼、頂点眼などは混泳で負けやすい品種です。また、同じ型であってもサイズ差があっても、力関係が発生します。
なるべく同じ体型、同じサイズで混泳させるようにしてください。
他の金魚を追い回す
一見、いじめのような行動ですが、繁殖期を迎えたオスもしつこくメスを追い回します。繁殖期を迎えたオスは、顔まわりや胸ビレに「追星」と呼ばれるニキビ状の白い突起がたくさん現れます。これでいじめなのか、繁殖行動なのかを見わけることができるでしょう。ただ、メスがいない水槽の場合、オスが追いかけられることがあるようです。オスメスの区別は、お尻の穴(総排泄孔)でも判断することができます。
もっと詳しくしりたい方はこちらから
状態を表している金魚の行動・しぐさ
金魚は上手に飼うと10年以上も長生きします。
どの生き物もそうですが、長く共に暮らすには状態をいつも把握しておくことが欠かせません。
その点、金魚は状態を行動・しぐさで伝えてくれます。とてもわかりやすいので普段からよく観察するようにしてください。
なお、症状からわかる金魚の病気については前回の授業で取り上げています。
前回の復習はこちら
体をこする
底砂や壁、水草、流木に体をこすりつける。そんなしぐさが頻繁に見られるようであれば、病気や寄生虫などでかゆがっている可能性があります。体表に異常がないかチェックしてみてください。体表やヒレに白い点々があれば、白点病にかかっている疑いがあります。白点病はメチレンブルーなどを使った薬浴が必要です。
背ビレをたたむ
らんちゅうには背ビレがないのですが、金魚が元気かどうかの判断基準としてわかりやすいのが背ビレです。元気な金魚なら背ビレがピンと張っていますが、元気がない金魚はたたんでしまいます。調子が戻るまではたたみっぱなしです。目に見える病気の症状がなければ、エサの量を減らす、水換えをするなどして生活環境を改善しましょう。塩水浴も効果的です。
水面で口をパクパクさせる
水槽に近づいたあなたからエサをもらおうと水面で口をパクパク……。それならかわいいのですが、苦しいために水面で口をパクパクさせることがあります。
原因として考えられるのが酸素不足、すなわち酸欠です。水温が高かったり、水槽内が過密になっていたりすることで起きやすくなります。また、フィルターをセットしたばかりならアンモニア中毒が疑われます。あるいはエラ病の場合にも同じ症状が見られるため、エラに変色がないか確かめてください。
ボーッとしている
ヒレもほとんど動かさず、水中を漂っているように見える。でも、人が近づくと「ハッ!」としたようになって普段のように泳ぎ出す……。このように、一時的にボーッとしているような状態は休んでいる、または寝ていると考えて良いでしょう。まぶたがないのでわかりにくいのですが、魚だって寝る時間が必要です。泳がずにじっとしていると元気がないように見えますが、日頃から観察していると違いがわかるでしょう。
底でじっとして動かない
一日中、じっとしているようであれば心配ですね。水温が低いのであれば、「寒いから動きたくない」とエネルギーを温存しているのでしょう。金魚は水温が高い夏場は活発になりますが、冬場のように水温が低いと活動が鈍くなります。水温が10℃を下回ってくると金魚は冬眠の準備に入ります。ただし、冬眠に失敗すると死んでしまうこと、寒さそのものに弱い品種もいます。ヒーターで水温を安定させることで無理なく冬を越せるでしょう。
病気や体調不良の場合でもじっとすることがあります。体表やヒレに異常がないか観察してください。
一時的であれば、ボーッとしているパターンと同じように休んでいる、または寝ている状態と考えて良いでしょう。水槽を叩いて無理やり起こすことはしないでくださいね。
なんとなく元気がない、体調不良のようだ。そんなときは0.5%塩水浴を試してみてください。
家庭にある「塩」で金魚がみるみる回復することがあります。
詳しい方法は以下の記事で解説しています。
まとめ
今回は、金魚の行動としぐさの意味についてお届けしました。
金魚の気持ちがわかるとますます愛おしい存在になりますよ。
それでは次の授業をお楽しみに!
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