どうも、ほにゃらら sp.です。
今回は日本産淡水魚の混泳相性表。
中でも、ハゼ類及びカジカ類をピックアップして早見表にしてみました。
淡水性のハゼ類、カジカ類のどちらも基本的に低層に暮らしています。
沈んだ石や流木などの下にいることが多く、気に入った石の周辺を縄張りとすることが多いです。
つまり縄張り意識は強く、攻撃性はやや高めです。
隠れ家が十分にあれば混泳ができる場合もあるものの、他の魚に攻撃することも多く、混泳トラブルを起こしがちなグループとして知られています。
混泳におけるハゼ・カジカの傾向
どちらも底生で攻撃性があり、肉食傾向の強い種が多いという点が共通します。
ただし、生息環境の好みには若干の差異があります。
ハゼ類は幅広い環境に適応できるものが多く、飼育設備にはあまり特別なものを要求しない傾向があります。一方、カジカ類は清浄で溶存酸素の多い水を好むため、ディフューザーなどを用意したほうが良い傾向があります。
混泳適性:△
縄張り意識が強い種が多く、混泳には向かない要素の多いグループです。
基本的に石や流木などの構造物の周辺を縄張りにする性質があります。
種によって気性の荒さには差がありますが、縄張りに近づく魚に対しては体のサイズの大小に関係なく攻撃をしかけるものが多いです。
自分より大きな魚にも果敢に立ち向かっていくので、ヒレをかじってしまったり、逆に返り討ちにされてしまったりと、何かとトラブルが起きやすいのが玉に瑕です。
特にハゼ類は他の魚に攻撃を仕掛けやすい反面、反撃されると弱りやすい傾向があります。
鱗もあまり硬くなく、いわば“防御力は弱い”ので自分よりサイズの大きい魚には返り討ちにされてしまうことも良くあります。
カジカ類はハゼ類ほどアグレッシブでないことが多いのですが、それでも攻撃性は高めです。
落ち着いて飼育するのであれば、単独飼育が理想的といえます。
混泳相性一覧表
混泳相手 | 混泳相性 | 備考 |
---|---|---|
タナゴの仲間 | △ | サイズが同程度の種であれば混泳は可能です。 ただし、若干の攻撃性が見られます。 個体によっては、ハゼがタナゴに攻撃を仕掛けることもあります。 隠れ家をたくさん入れることで混泳が成立する場合もあります。 |
コイの仲間(遊泳性) | 〇 | お互いに口に入らないサイズであれば混泳可能です。 コイ類の方が大きい方が力関係を維持しやすいです。 ハゼ・カジカ類の方が大きいと、力関係が崩れやすいです。 |
コイの仲間(底生) | △ | どちらも底生で生息域が被るため、縄張り争いが生じやすいです。 底生コイの方が力負けしやすく、あまりおすすめできない組み合わせです。 |
ドジョウの仲間 | 〇 | どちらも底生で生息域が被りますが、体形が異なるためかお互いに興味を示さないことが多いです。 ハゼやカジカの攻撃もすり抜けてしまうことが多いので、比較的混泳させやすい組み合わせです。 ハゼやカジカはサイズの割に口が大きいので、ドジョウが飲み込まれないように注意が必要です。 |
ハゼ・カジカの仲間 | △ | サイズが同程度の種であれば混泳は可能です。 縄張り争いができるだけ生じないように配慮しましょう。 隠れ家をたくさん入れることで、混泳が成立する場合もあります。 逆に過密気味にすることで、力関係が維持できる場合もあります。 |
ナマズの仲間 | △ | サイズが同程度の種であれば混泳は可能です。 縄張り争いができるだけ生じないように配慮しましょう。 隠れ家をたくさん入れることで、混泳が成立する場合もあります。 大型になるナマズとの混泳は不向きです。 |
金魚 | △ | ハゼやカジカが金魚のひらひらとしたヒレをかじりやすいので、あまりおすすめできない組み合わせです。 ワキン型以外は避けたほうが良いでしょう。 隠れ家をたくさん入れることで、混泳が成立する場合もあります。 |
メダカ | 〇 | 遊泳域が異なるので、比較的混泳させやすい組み合わせです。 ハゼやカジカの中でも小型種であれば混泳は可能です。 水深を深くすることで、メダカは表層、ハゼやカジカは低層と棲み分けやすくなります。 ハゼやカジカは見た目の割に口が大きいです。 食べられてしまわないよう、サイズ関係には注意が必要です。 |
金魚との混泳
金魚とハゼ・カジカ類との混泳はあまりおすすめできません。
金魚のひらひらとした優雅なヒレがかじられてしまう可能性が高いためです。
金魚がワキン型、かつ短尾の品種であればトラブルは少ないでしょう。
ウキゴリ系、ヒナハゼ系のハゼは比較的混泳させやすいです。
ボウズハゼは金魚の表皮の粘膜を舐めとってしまうことがあるため、混泳させないほうが良いでしょう。
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メダカとの混泳
水深を深くとれば混泳は可能です。
サイズが同程度であれば、主に表層を泳ぐメダカとは遊泳域が異なるのでお互いに接触する機会は少なめです。
このため縄張り争いには発展しにくい組み合わせです。
ハゼ・カジカ類は頭が大きいので、見た目より口も大きいです。
このため混泳が可能なのは小型種のみとなります。
メダカが口の入るサイズの種や個体を選ばないよう、注意が必要です。
ウキゴリ系、ヒナハゼ系、ヨシノボリ類など小型のハゼ類とは相性が良いでしょう。
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熱帯魚との混泳
遊泳域が被らない魚種とであれば混泳可能です。
熱帯魚と混泳させる際は、熱帯魚側の飼育環境に合わせ加温が必要です。
カジカ類は高温に弱い種が多いため、この点で熱帯魚とは混泳が難しいです。
ハゼ類は比較的適応範囲が広いため、26℃程度でも問題ない種であれば混泳は可能です。
ウキゴリ系、ジュズカケハゼ、ヒナハゼは比較的混泳させやすい魚種です。
ただし、いずれのハゼも多かれ少なかれ攻撃性を持っています。
隠れ家を増やすことで上手く対応できる場合もありますが、常にリスクも付きまとう点は留意しておきましょう。
混泳相手 | 混泳相性 | 備考 |
---|---|---|
グッピー | × | ひらひらした尾ビレがハゼ類にはかじられてしまいやすいです。 |
プラティ・卵胎生メダカ | △ | サイズが同程度であれば混泳は可能です。 ハゼ側が攻撃を仕掛けることがあります。 |
カラシン・小型テトラ | △ | サイズが同程度であれば混泳は可能です。 ハゼ側が攻撃を仕掛けることがあります。 |
コイ・ラスボラ | △ | サイズが同程度であれば混泳は可能です。 ハゼ側が攻撃を仕掛けることがあります。 |
ローチ・ボーシャ・タニノボリ | 〇 | サイズが同程度であれば混泳は可能です。 ハゼ側が攻撃を仕掛けることがありますが、ローチ類はすり抜けやすいです。 |
フライングフォックス/アルジイーター | 〇 | サイズが同程度であれば混泳は可能です。 |
ドワーフシクリッド | △ | 個体の性格的な相性による部分が大きいです。 相性が悪いとお互いに攻撃しあってしまいます。 |
アフリカンシクリッド | × | 攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。 |
エンゼルフィッシュ | × | 攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。 |
ディスカス | × | ハゼ類の攻撃性と、高水温を好むディスカスの両方の性質から、相性が良いとはいえません。 |
ベタ・グラミー・アナバス | × | ひらひらした尾ビレがハゼ類にはかじられてしまいやすいです。 |
コリドラス | △ | サイズが同程度であれば混泳は可能です。 ハゼ側が攻撃を仕掛けることがあり、個体によってはヒレをかじり続けるものがいます。 この点で相性はいまひとつです。 |
オトシンクルス・ロリカリア | △ | サイズが同程度であれば混泳は可能です。 ハゼ側が攻撃を仕掛けることがありますが、皮膚の硬いオトシンクルスは気にも留めていないようです。 サイズ差があるとオトシンクルスがハゼに丸のみされてしまうことがあり、共倒れとなってしまうことがあるので注意が必要です。 |
プレコ | 〇 | サイズが同程度であれば混泳は可能です。 ハゼ側が攻撃を仕掛けることがありますが、皮膚の硬いプレコは気にも留めていないようです。 |
レインボーフィッシュ | △ | サイズが同程度であれば混泳は可能です。 ハゼ側が攻撃を仕掛けることがあります。 |
ハゼ・ゴビー | △ | サイズが同程度の種であれば混泳は可能です。 縄張り争いができるだけ生じないように配慮しましょう。 隠れ家をたくさん入れることで、混泳が成立する場合もあります。 逆に過密気味にすることで、力関係が維持できる場合もあります。 |
フグ・パファー | × | 攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。 |
エビ・ビーシュリンプ | × | ハゼ・カジカ類の口に入るため、食べられてしまいます。 |
このため、ハゼ類との相性表になります。
放流は厳禁!
ハゼ・カジカ類だけでなくすべての魚種に共通していえることですが、一度飼育を始めた魚は絶対に途中で放流してはなりません。必ず最後まで飼育してください。
例えば、日本産のハゼ類の中でもヨシノボリの仲間は地域により非常に多くの種類に細分化されています。
しかし、同定の難易度が高いことから、観賞魚として販売される際には識別されない(できない)ことも多い魚種です。
観賞魚として見た目での識別が困難でも、野生集団には目に見えない遺伝子レベルでの違いがあります。
例えば「カワヨシノボリ」には少なくとも3タイプあることが知られており、細かく分けるとさらに多いのではないかと考えられています。
他にも、カジカも「大卵型」と「中卵型」の2種がおり、外見でも識別は困難とされています。
しかし、生態や遺伝子には違いがあります。
放流行為はこのような地域ごとに育まれてきて固有の遺伝子を、交雑により破壊してしまうことがあります。
このために、絶対にしてはならないのです。
まとめ
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