こんにちは、メダカ担当のスズキです(魚ではありません、人間です)。
世の中のメダカブームに乗ってメダカを飼い始めた人も多いのではないでしょうか。
「メダカの教室」は、そんなビギナー向けのなるほどシリーズです。
今回の授業は、メダカの形質その②として、目の色と形について解説します。
形質とは、平たくというと生物が持っている特徴のことです。
改良メダカの形質を知っておくことで品種解説の理解が深まるでしょう。
品種改良にチャレンジしてみたい方にも役立つ知識です。
メダカの目
メダカを漢字で書くと目高。これはメダカの目が高い位置にあるというシンプルな理由に由来するようです。そんなメダカの目も形質により個性的な特徴が見られます。日本メダカ協会のガイドラインによると、普通のメダカの目から変化する形質は、目の色・目の形あわせて9種類に分類されています。
体型・体色・鱗の形質の復習はコチラ
メダカの目の色に現れる形質
アルビノ
メラニン合成が行われないことにより、目は血液の赤色が透けて見えるメダカです。体色は白系やピンク系、黄系、オレンジ系(朱赤系)に限定され、黒色素胞を含む青系や茶系などの体色になることはありません。
アルビノの中には微量のメラニン色素を持つものがいます。角度によって目の色が赤色から黒色に変化するものを「チェンジカラー」、目の色が赤黒いまま変化しないものは「ルビーアイ」と区別されます。
パンダ
目と腹部の虹色素胞を持たないメダカで、白体色と黒い目がパンダの名前の由来とされています。パンダは上から見た状態で判断されるため、横から見ると普通の目に見える個体もいます。
虹彩が黒いことで目の全体が黒く見えるほか、内臓や浮き袋まで透けて見えるのも特徴です。また、ヒカリ体型のパンダは背中に光のある個体は非常に少ないという特徴もあります。
横から見ると普通……?パンダは上から見た状態で判断!
パンダのはずなのに横から見ると黒目になっていない、普通の目にしか見えないことがあります。これは、パンダの虹色素胞の欠けは個体差があるためです。上から見たときに目の部分に黒があればパンダとして分類されます。
ルビーアイ
メラニン色素を微量に持ち、瞳孔が赤黒く見えるブドウ目のメダカです。目の周りのメラニン色素が均一であることから、どの角度から見てもほぼ同じ色です。
見る角度によって濃い赤から黒の間で変化するものが「チェンジカラーアイ」と区別されます。
ブルーアイ
角膜にグアニンが発現することによって瞳孔が青色になる印象的なメダカです。
個体差があり、青が濃い、白みがかったものもいます。
目の色が変わる形質ですが、体色や鱗への影響は確認されていません。
メダカの目の形に現れる形質
スモールアイ
まるで目が点になってしまったかのような、黒目の部分がほとんどないメダカです。視力も弱く、背地反応(保護色機能)による体色変化も少なくなります。
ピュアブラックメダカ(ブラックスモールアイ)が作出された際、現在の改良メダカの原点となるメダカたちと交配させているため、どの改良メダ
カからもスモールアイが産まれる可能性はあります。
片目だけがスモールアイのメダカを「片目スモールアイ」と呼びます。
出目
出目というと金魚のデメキンがよく知られていますが、メダカにも出目の形質があります。これは頭蓋骨の変形によって目から口までの距離が短いために両目が飛び出しているというものです。
目の出方には個体差があり、横に向かって出ているもの、上に向かって出ているものとさまざまです。
目前
目の位置が前にあるのではなく、“目が斜め前を向いている”メダカです。そのため、正面から見るとメダカと目を合わせることができます。
目が斜め前を向いているのは、上から見ることでよくわかるでしょう。斜めの角度は個体差があり、正面から見たときの印象も変わります。角度としては黒目がよく見える45度が理想です。
ビッグアイ
眼径が特別に大きい特徴のメダカです。
体に比べて目そのものが大きく、出目のように目が飛び出しているわけではありません。
ビッグアイについては、チャームへの入荷歴はまだありません。
水泡眼
眼球の角膜が膨らんで水泡が形成されるもので、さまざまな品種において偶然に発現するようです。そのうち、水泡眼を固定化した品種の一つが「Hitomi」です。この品種は、ビッグアイと水泡眼の形質をあわせ持っています。
オススメのメダカ関連書籍
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まとめ
今回は、メダカの形質のうち、目の色と形についてお届けしました。
その他の形質についても今後解説する予定です。
それでは次の授業をお楽しみに!
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