どうも、ほにゃらら sp.です。
今回はミジンコの殖やし方について、特にメダカ繁殖の観点でお送りしようと思います。
ミジンコといえば、特にメダカのエサとして有用な微生物ですね。
微生物といっても比較的大きな部類に入り、肉眼で確認が可能なサイズをしています。
実はミジンコにはいくつか種類がありますが、殖やし方に関してはどの種でも基本的に同様です。
「タマミジンコ」がメダカのエサとしては最も一般的です。
ミジンコの殖やし方
ミジンコを殖やす方法は大きく分けて4種類あります。
- ムックリワークを用いる方法
- グリーンウォーター(青水)を用いる方法
- クロレラを用いる方法
- 鶏ふんを用いる方法
いずれの方法を取るにしても、基本的にはカルキを抜いた水を張ったトロ舟やバケツを用意し、その中に種親となるミジンコと、上記アイテムのうちいずれかを投入するだけです。
また、培養には水温も重要です。
調子良く殖やすには最低でも20℃以上が必要なので、4月~10月が培養に適切な時期となります。
25℃程度が適温で、特に5~7月はよく増えます。
30℃を超えると弱るので、涼しい場所で管理してください。
それ以外の時期は、屋内で培養すると良いでしょう。
ムックリワークを用いる方法
ムックリワークとは、日本海産紅ズワイカニ殻を主原料にぬか類などの天然有機物、酵母類を独自の製法によりブレンドして作られたミジンコ培養専用飼料です。
本品そのものにミジンコや卵が含まれているわけではありません。
ミジンコを殖やす際にそのエサとなる、植物プランクトンを増やすものが本品です。
本品をカルキ抜きした水の中に投入することで、ミジンコ・ワムシの繁殖に必要な放線菌類、植物性プランクトン類が激増します。
これにより、ミジンコが増殖するのに適した環境を作ります。
あとは、種親となるミジンコを入れるだけ。
取り扱いが簡単で、60Lのトロ舟にごく少量をまくだけで効果があります。
ある程度水量があった方が良い結果が期待できるので、屋外培養向きです。
耳かき1杯程度でも十分な効果が期待でき、コストパフォーマンスも大変良いです。
逆に言えばごく少量でも十分な効果が出るため、少量を培養したい時には向きません。
昔ながらの培養方法として鶏糞を用いる方法に近い方法ですが、こちらはそれに比べ水が濁ったり、着色したりしないこと、ニオイが気にならないことが大きなメリットです。
グリーンウォーターを用いる方法
グリーンウォーター(青水)による培養は、古くから利用されている最も一般的な方法です。
青水自体もメダカや金魚の飼育に有効なため、併用して用いられることも多いです。
青水の理想的な濃さは次の画像ぐらいが良いでしょう。
底が見えなくなったら青水が濃くなりすぎているので、換水のタイミングです。
あまり青水が濃くなりすぎると、ミジンコが酸欠を起こし、うまく増えない場合があります。
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クロレラを用いる方法
エサ用に販売されている液体クロレラを使用する培養方法です。
大量に使用するにはコストが高く、日持ちもしません。
どちらかといえば屋内で少量のミジンコを手早く培養したい際に適した手法です。
こちらはミジンコを発生させるエサというよりは、種親から培養する際に特に有効となるエサとなります。
手元に種親がいて、すぐ殖やしたいときに有効な選択肢です。
種親がいない状態で与えても効果はありません。
飼育水1Lあたり、0.5~1ml程度を目安に添加すると良いでしょう。また、培養には照明または日光も必要です。
クロレラを与える場合は水を動かしていないと沈殿してしまいます。
このため、エアレーションも必要です。
鶏ふんを用いる方法
園芸用の鶏ふんも、古くから使われている有効な手法です。
ミジンコ培養に使用する上では上手く使うと爆発的に増やすことができます。しかし、臭いが気になるのが最大の難点です。
屋内ではかなり気になる臭気を発してしまうため、屋外培養向きの手法といえます。
飼育水1Lあたり、2~3g程度を目安に添加すると良いでしょう。
殖え過ぎたら株分けしよう
ミジンコをしばらく培養していると、個体数が殖えすぎることがあります。
この場合はそれぞれ容器を分けて、園芸植物でいう「株分け」のような作業を行います。
手順としては、元々培養していた容器と同程度のサイズの容器をもう一つ用意し、殖えすぎたミジンコを飼育水ごと半量移します。
その後、それぞれの容器に新しい水を足して株分け完了です。
ミジンコが殖えすぎると酸欠により全滅してしまう場合があります。
全滅する前に株分けして維持していくと良いでしょう。
またミジンコは低温になると卵を残して死滅してしまいます。
通年ミジンコを培養する場合は、温度を一定に保つことも必要です。
ミジンコの種類
冒頭でも少し触れましたが、実はミジンコにはいくつか種類があります。
メダカのエサとして与える分には、「タマミジンコ」が最もよく使われます。
タマミジンコに比べるとオオミジンコは非常に大きく、肉眼でもはっきりと確認できます。
最大5mm程度まで成長するため、メダカのエサとしてはやや大きめです。
金魚や熱帯魚のエサとしては、オオミジンコのほうが向く種類もいるでしょう。
メダカに与える場合は、タマミジンコのほうが向いています。
なお、オオミジンコは海外産のため、自然への流出がある環境では培養しないでください。
耐久卵を作るため、乾燥状態にも耐えることができてしまいます。
排水が自然水系へとつながる場所での培養は厳禁です。
ミジンコの与え方
少量を与える場合は、スポイトで吸って与えます。
大量に与える場合は、スポイトで細かく吸い取るのは結構大変なので、網ですくって与えると便利です。
本格的にメダカの稚魚育成を行う場合は、ミジンコをメダカがいつでも好きな時に食べられるよう、メダカの飼育容器に大量にミジンコを入れておくのも有効です。
まるで「ミジンコ漬け」とも言える状態で育成することで、見違えるほど稚魚の成長が良くなります。
このようなエサの与え方を、「自由給餌」といいます。
自由給餌の際は、たくさん食べる分排泄も多くなります。
フンの掃除はこまめに行いましょう。
メダカにおけるミジンコの有用性
メダカの繁殖において、ミジンコが注目される理由は4つあります。
- 常に給餌できる状態(自由給餌)を維持することで、親メダカの栄養状態を高め常時繁殖モードを維持できるため。
- 親メダカも子メダカも食べることができるサイズのため。
- 嗜好性が高く、培養に手間がかからず日持ちが良いため。
- 他の生き餌に比べ、飼育水を汚しにくいため。
ミジンコの他にメダカの繁殖・育成に有効な餌としては他にブラインシュリンプが挙げられます。
熱帯魚の稚魚育成用としては定番ですが、こちらは屋外での培養は難しいこと、ふ化に塩分が必要なこと、あまり日持ちしないことの3点がメダカの繁殖においてはデメリットとなります。
ミジンコは純淡水中でも問題なく生存できますが、ブラインシュリンプは純淡水中では数時間程度しか生存できません。
自由給餌が可能になるという点で、基本的にはミジンコの方が有用性が高いです。
必要量が少量かつ屋内飼育の場合は、ブラインシュリンプを使用するメリットがミジンコに勝る部分もあります。
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ミジンコの殖やし方 まとめ
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