熱帯魚界の超ビギナー種
ネオンテトラ。
アクアリウムを知らない人も、興味がない人も、一度は聞いたことがある熱帯魚の王道を行く超有名種です。3原色のうち赤と青という2つの色を体色で持つ、正に冷静と情熱の魚。色のインパクトもさることながら、他の魚との混泳も可能な温和な性格、人工飼料も文句を言わずパクパク食いつく飼いやすさ、お値段もお財布に優しい買いやすさ、そして鮮やかな緑の水草の生い茂る水槽に群泳させた時の圧倒的な美しさが、この魚の不動の人気を決定づける要因にもなっているのでしょう。
「美しい、安い、丈夫!ネオンテトラこそ熱帯魚界の至宝なのです!!」と、通りがかかりで見かけた水槽の前でちょっと引き気味の友人に対して熱っぽくネオンテトラ王道説を演説した後に、そこに泳いでいた魚がカージナルテトラだった時の辛さを想像してみてください。
少なくとも1週間は恥ずかしさで寝込みますので、そうなる前にしっかりと見分け方をマスターしておきましょう。
ネオンテトラとカージナルテトラの見分け方
ネオンテトラとカージナルテトラ。見分け方のポイントはずばり!赤の色の入り方にあります。
ネオンテトラの赤が体の半分から下、真ん中から後ろのみにしか入らない慎ましさに対して、カージナルテトラは体の半分から下は全部赤。真っ赤。両者並べたら全く別物です。このポイントさえ押さえれば間違いようがない!大丈夫!
ではなぜ人は、この2種を間違えてしまうのでしょうか。それはアクアリウム初心者を悩ませる、ある魚の存在があるからです。
グリーンネオンテトラというカオス
ブラジルのアマゾン川上流原産のネオンテトラに対して、カージナルテトラはブラジルのネグロ川やコロンビアのオリノコ川を原産としている熱帯魚です。両者ともに配色が上半分青に腹部に赤。サイズはカージナルテトラの方がやや大きくなります。ただでさえ初心者にはややこしいその2種に加えて、グリーンネオンテトラという非常に混乱を生じやすい種類の熱帯魚がいるのです。
グリーンネオンテトラはネオンテトラよりもブルーグリーンの発色が強く、非常に涼やかな印象を与えてくれます。
いったい何がどう混乱の元になっているのかというと、このグリーンネオンテトラ、同じグリーンネオンテトラという種類の中で「赤みの強い個体」というのが混じるのです。こいつが非常に初心者泣かせの存在。
ネオンテトラとカージナルテトラの見分け方のポイントが赤の入り方であるというのは前述した通り。体の後半だけ赤いのがネオンテトラです。それさえ押さえればよかったはずなのに!それなのにこのグリーンネオンテトラったら、ネオンテトラがグリーンになったような名前のくせに「赤みの強い個体」はカージナルテトラと同様に下半分が全部赤。え、なんで「グリーンカージナルテトラ」って名付けなかったの?名付けたの誰なの?どうしてなの?と初心者一同が絶望に打ちひしがれる気持ちなります。
「赤みの強いグリーンネオンテトラ」はもうほとんど「カージナルテトラ」だし、「赤みの強いグリーンネオンテトラ」の配色に引っ張られて本家の「ネオンテトラ」と「カージナルテトラ」の赤の入り方の法則も忘れがちになるしで初心者を混乱の渦に突き落としてくれます。
しかし大丈夫です。落ち着いて。
赤の入り方に惑わされてはいけません。
グリーンネオンテトラは、ブルー~グリーンの鮮やかなラインが頭部から尾ビレの付け根まできっちり入るのが最大の特徴です。それさえ押さえれば怖いことは何もありません。
尾ビレの付け根まできっちり入るブルー~グリーンの鮮やかなラインを、曇りなき眼でしっかり見定めましょう。
まだまだいるよ!似たような種類
グリーンネオンテトラだけで安堵していてはいけません。
ネオンテトラ似の魚はまだまだいるんです。
ニューゴールデンネオン
ネオンテトラの改良品種です。アルビノ種に似ていますが、目が黒いためアルビノではないことが分かります。ネオンテトラの青も赤も薄れている白変種です。
ネオンテトラの改良品種です。ネオンテトラの青い体色がゴールデンに改良されています。もちろん元はネオンテトラなので赤の体色は体の後半にしか入りません。
ダイヤモンド・ネオンテトラ
こちらもネオンテトラの改良品種です。ネオンテトラの青いラインが青みがかった銀色となっているのが特徴です。キラキラしていて非常に豪奢です。
まとめ
皆さん、ネオンテトラとカージナルテトラの見分けはつくようになりましたか?
あのとき見かけた水槽の中の青と赤のテトラが何なのか、今度は分かるといいですね。
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