どうも、ほにゃらら sp.です。
今回ご紹介するのはネオンテトラ。
熱帯魚の代名詞とも言える有名な小型カラシン(テトラ)の仲間です。
輝くネオンブルーと鮮やかなレッドの発色は水草の緑によく映え、古くから根強い人気を誇ります。
美しい、安い、丈夫と三拍子そろっており、入手しやすく飼育も容易であるため入門魚といえます。
ネオン・テトラとは
名前 | ネオンテトラ |
学名 | Paracheirodon innesi |
分布 | ペルー ― アマゾン川 |
サイズ | 最大体長4cm程度 |
最適pH | 6.0~7.5くらい あんまり気にしなくてOK |
ネオン・テトラはアマゾン川上流域原産のカラシンです。
エンゼルフィッシュやグッピーに並び知名度が高く、熱帯魚の代表種として古くから愛されています。
体側に入る鮮やかなブルーと赤は水草水槽によく映え、群泳させたときの美しさは熱帯魚の中でもトップクラスと言えるでしょう。
本種の飼育に関しては、熱帯魚飼育に必要とされる基本的な設備を整えていれば、それでOKです!
pHもどちらかといえば弱酸性を好みますが、そんなに気にしなくてOKです。
少しぐらいアルカリ性に傾いても平気です。
割と水質には寛容なので、あまり小難しく考えなくとも基本さえ押さえれば問題なく飼育できます。
香港や東南アジアで大量にブリードされているため入手は容易です。
飼育も容易な上、性質も温和で混泳にも適しています。
バリエーション
ダイヤモンド・ネオン・テトラ
ネオンテトラのネオンブルーの発色をシルバーに置き換えた改良品種です。
その輝きはまさにダイヤモンド。
水草水槽ではより華やかな印象を与えてくれます。
作出されたばかりの頃はややデリケートな品種でしたが、現在では改善され通常のネオンテトラ同様飼育しやすくなっています。
ニューゴールデンレッド・ネオン・テトラ
ネオンテトラの黄変タイプの改良品種です。
グレーの体色が黄色みのある体色に置き換わり、明るい印象を与えてくれます。鮮やかな赤は健在で、特に暗めのレイアウトではこの発色が引き立ちます。
どんなレイアウトにも合いますが、特に陰性水草を中心としたレイアウトにマッチするでしょう。
黄変タイプは作出当初は赤いラインの色が薄く、「ニューゴールデン・ネオンテトラ」としての流通が多く見られました。
赤みを強める方向性での改良に成功した現在では、「レッド」のタイプを多く見かけます。
ロングフィン・ネオン・テトラ
ネオンテトラのロングフィンタイプの改良品種です。
ロングフィンタイプの観賞魚にはさまざまな種類がいますが、ネオンテトラに関しては流通量が少なくあまり入荷も安定しません。
ネオンテトラといえば安価なイメージがありますが、本品種に関してはやや高価となります。
通常のネオンテトラに数匹混泳させてみると、面白いかもしれません。
ネオン・テトラによく似た種
カージナル・テトラ
学名:Paracheirodon axelrodi
ネオンテトラに並び、水草水槽に群泳させるカラシンの定番種です。
ネオンテトラによく似ていますが、赤い面積がより大きく、頭の先から尾の付け根まで入る点で区別できます。
緑の濃い水槽では、鮮やかな赤がより良く映えます。
ネオンテトラよりも一回り大きく育るので、存在感もあります。
グリーンネオン・テトラ
学名:Paracheirodon simulans
こちらもネオンテトラ同様、水草水槽に群泳させるカラシンの定番種です。
本種はネオンテトラの改良品種ではなく、れっきとした別種となります。
こちらもネオンテトラによく似ていますが、体側の青緑のラインが頭の先から尾の付け根まで入る点で区別できます。
体側後半の赤いラインは、濃いものと薄いものがいます。
群泳イメージ
ネオンテトラ、カージナルテトラ、グリーンテトラは3種ともよく似ていますが、次のように使い分けると良いでしょう。
ネオン・テトラ | カージナル・テトラ | グリーンネオン・テトラ | |
---|---|---|---|
比較イメージ | |||
青いライン | 尾の付け根まで入らない | 尾の付け根まで入らない | 尾の付け根まで入る |
赤のライン | お腹の半分くらいまで | お腹全体が染まる | 細い お腹の半分くらいまで |
群泳時の印象 | 程よい存在感 | 赤みが強い 存在感があり鮮やか | 青みが強い 繊細で涼やか |
有用なアイテム
ネオン・テトラの飼育は全ての熱帯魚の中でも基本中の基本と言えます。
むしろ、本種の飼育が基準になっているとすら言えます。
したがって、本種の飼育に関して特別有効といえるアイテムはありません。
テトラ類全般に共通する基本的な性質については、小型カラシン共通ページをご覧ください。
エサを与えすぎると体型が崩れやすくなります。
1日1回を目安に控えめに給餌すると良いでしょう。
ネオンテトラの水槽
フィルターが設置できるものであれば、基本的にどの水槽でも飼育可能です。
フレーム付き、オールガラスのどちらでも問題ありません。
必要な器具が一通りそろっている水槽としては、一体型の水槽もオススメです。
ネオンテトラの病気
基本的に丈夫なので、めったに病気にはかかりません。
病気にかかりやすいタイミングは、購入してすぐ(水槽に入れてから1~2週間くらいの間)と、季節の変わり目の温度差が大きい時期です。
白点病、尾腐れ病が特にかかりやすい病気です。
▼よくある病気
ネオン病
この他、ネオンテトラなどの小型カラシンやラスボラ等が発症する病気として「ネオン病」というものがあります。
これは尾腐れ病と同じ原因菌のカラムナリス菌(Flavobacterium columnare)がネオンテトラの筋肉内に感染する病気といわれています。
対処法は尾腐れ病同様で、抗菌剤が有効です。
進行が早く、一度感染すると次々と死んでしまうことがあるため、発症が見られた個体は速やかに他の魚がいない別の水槽への隔離が重要です。
混泳について
ネオンテトラは非常に混泳向きのカラシンです。
テトラ類同士であれば基本的に問題ありません。
群れを作る習性があるので、ネオンテトラだけでも最低5匹以上は混泳させると良いでしょう。
同じテトラ類同士や、ラスボラ、コリドラスなどが混泳相手としておすすめできます。
この点も、熱帯魚の基本として古くからの人気の秘訣と言えるでしょう。
熱帯魚の例
混泳相手 | 混泳相性 | 備考 |
---|---|---|
グッピー | ◎ | グッピーは弱アルカリ性を好みます。 |
プラティ・卵胎生メダカ | ◎ | 多くの卵胎生メダカは弱アルカリ性を好みます。 |
カラシン・小型テトラ | ◎ | |
コイ・ラスボラ | ◎ | |
ローチ・ボーシャ・タニノボリ | 〇 | |
フライングフォックス/アルジイーター | 〇 | |
ドワーフシクリッド | 〇 | サイズ差に注意 |
アフリカンシクリッド | × | |
エンゼルフィッシュ | △ | サイズ差に注意 |
ディスカス | △ | サイズ差に注意 |
ベタ・グラミー・アナバス | ◎ | |
コリドラス | ◎ | |
オトシンクルス・ロリカリア | ◎ | |
プレコ | ◎ | |
レインボーフィッシュ | ◎ | 多くのレインボーは中性付近を好みます。 |
ハゼ・ゴビー | 〇 | |
フグ・パファー | × | |
エビ・ビーシュリンプ | 〇 | 稚エビは食べられる可能性があります。 |
※混泳相手の種や性格によっては、例外もあります。
基本的には、テトラ類に対し攻撃を仕掛ける生体でなければ、ほとんどなんでも混泳可能です。
テトラ類がトラブルの火種になることは少ないですが、テトラ類以外の同居魚同士の相性はよく考えてあげてくださいね。
テトラ類以外の生体間での相性はあるので、留意しましょう。
ネオンテトラの繁殖
飼育は容易で丈夫ですが、家庭で繁殖を狙う場合は難易度の高い魚です。
低pHの維持、ペアの隔離飼育を行うと産卵に成功しやすいといわれますが、生まれてきた稚魚は小さくブラインシュリンプ幼生を食べることができません。
このため、インフゾリアの用意が必要となります。
冷凍ワムシが代替手段としては手軽です。
産卵までの手順
- pH7以下、水温は22~26℃程度の範囲で管理します。
pH下降剤やヒーターを用い、条件を満たす範囲の水質で維持管理を心がけます。 - 1日2回以上を目安に、十分な量のエサを与えます。
- メスの抱卵が確認出来たら、同程度のサイズのオスを1匹選びます。
産卵ボックスを設置し、その1ペアをボックスの中に入れます。 - ウィローモスを適当なサイズにちぎり、ボックスの床面に置きます。
このモスの中に卵が産み付けられます。- 卵はウィローモスにばらまかれる形で産み付けられます。
- ウィローモスの代わりに鉢底ネットを使う人もいます。この場合ネットに産み付けるというよりはネットから卵をすり抜けさせ、ボックスの底面で目視確認しやすくするのが目的です。
- 産卵が確認できた場合、親は元々の水槽に戻します。
産卵後の親は体力が落ちているため、十分に給餌して復調させましょう。
稚魚の育成
産卵された卵は、多くの場合翌日には孵化します。
しかし実際に世話が必要になるのは孵化後およそ5日目からなので、少し猶予があります。
その間に、下記の準備物を用意しておきましょう。
- 孵化初日~4日目まで:孵化直後の稚魚に対しては、特に何もする必要はありません。
掃除も不要です。
この間にブラインシュリンプ幼生を準備し、孵化させておきましょう。 - 5日目~10日目:カビてしまった無精卵や稚魚の死骸などは5日目に除去します。
スポイトなどで吸い出すと良いでしょう。
また、この時期からエサは冷凍ワムシを与えます。
8日目頃から少しずつブラインシュリンプ幼生を与えます。 - 11日目以降:餌をブラインシュリンプに完全に切り替えます。
この後はなるべく水質の急変を避け、変化の少ない環境でじっくりと育てましょう。
緩やかな水質の変化には強い魚ですが、急な変化には弱い点に留意します。 - 30日目以降:この頃になるとネオンテトラらしい発色を見せてくれます。
人工飼料も食べられるようになったら、徐々に切り替えていきましょう。
ネオン・テトラ まとめ
ネオン・テトラ。
熱帯魚の代表とも言えるポピュラーな熱帯魚です。
すべての熱帯魚の基本中の基本とも言える種ですが、その理由を見直すと納得できるでしょう。
その魅力を今一度見直してみるのも、良いきっかけになると思います。
▼もっと要約した記事はこちら
「カージナルテトラ」「グリーンネオンテトラ」と非常によく似ていますが、群泳させた際のイメージはこれら2種とはやや異なります。
意識して使い分けができるようになると、よりレイアウトの表現の幅が広がるでしょう。
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