どうも、ほにゃらら sp.です。
今回は大磯砂のほうが育成に向いた水草についてご紹介しようと思います。
一般に、水草は「ソイル」を用いて「弱酸性」の環境で育てると良いという話は、水草の育成を考えている方であれば誰でも聞いたことがあると思います。
確かに、大部分の水草はその通り。
ソイルを用いた弱酸性の環境で育てるのが定番です。
しかし……。
一部の水草には、むしろ「大磯砂」などの砂利系の底床のほうがマッチするものもいるのです。
何でもかんでもソイル一辺倒ではなく、そのような性質を持つ水草も中にはいるということを今回はぜひ知っておきましょう!
大磯砂のほうが合う水草
アヌビアス系
初心者向けの水草としてよく挙げられるアヌビアス。
適応力がとにかく高い水草で、底床を選ばずあらゆる環境で育てられます。
ソイルでも問題なく育ちますが、きれいに調子良く育てるならば実は「大磯砂」のほうが向いています。
一般的な水草よりも若干硬度がある環境を好み、成長が遅く肥料吸収をあまりしない特性からも、ソイルよりも大磯砂のほうがマッチしています。
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ミクロソリウム系
アヌビアスに並び初心者向けの水草としてよく挙げられるミクロソリウム。
こちらも適応力が非常に高く、底床を特に選ばずあらゆる環境で育てられます。
実は弱酸性の軟水よりも、ちょうど中性で硬度が少しある環境を最も好みます。
つまり、日本の一般的な水道水とほぼ同じ水質がミクロソリウムにとってはベストマッチということになります。
水質にさほど気を使う必要のない初心者向けのイメージが強いのは、本種にとって適性となる水質がたまたま日本の一般的な水道水の水質と合致しているためといえるでしょう。
ソイルでも育ちますが、あまり弱酸性に傾けすぎると成長が鈍化することがあります。
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ボルビティス ヒュディロッティ
ミクロソリウム同様に水生シダの仲間であるボルビティスも、基本的な性質はミクロソリウムに準じます。
ミクロソリウムよりも若干弱酸性、低pHに寄せたほうが美しく育つようです。
あまり下げ過ぎると成長が鈍化する点も、ミクロソリウム同様です。
バリスネリア系
テープ状の葉を展開する後景草、バリスネリア。
多くの水草とは逆を行く、弱アルカリ性で硬度がある環境を好む水草です。
調子が良いとランナーをあちこちに伸ばし大増殖します。
最も育成の容易な後景草といえるでしょう。
適応範囲が広いのでソイルでも育てられますが、ソイルよりも目に見えて大磯砂のほうが調子良く育つ傾向があります。
アマゾンソード
アマゾンソードは大振りの葉が良く目立ち、センタープラントとして主役にもなるオモダカ科の水草です。
エキノドルス系水草の1種であり、その中でも最も育成が容易なものが本種となります。
大磯砂に植えたほうが根張りが良く大型化する傾向があります。
調子良く育てるには、固形肥料を根元に置いておくと有効です。
細葉系クリプトコリネ
クリプトコリネの中でも後景に用いられるバランサエとレトロスピラリスの2種は、大磯砂での育成に向いています。
ソイルでも育ちますが、原産地では底質が礫状になっているエリアに生えているようです。
砂利系の底床のほうが、根張りが良く育つ傾向があります。
アナカリス系
透明感のある緑が美しい、金魚藻として有名な水草です。
極めて強健種として知られており、あらゆる環境に適応して良く育ちます。
その中でも、アナカリスが最も好むのは中性から弱アルカリ性で比較的総硬度が高い水質です。
弱酸性に偏ると頭頂部の萎縮などが起こりやすくなります。
成長が早く草体をコントロールしづらいので、レイアウト水槽では敬遠されがちな傾向があります。
しかし、近縁種には独特な個性を持ったものも多くいます。
ポタモゲトン系
透明感のある葉が涼しげな水草です。
それほど流通量は多くありませんが、大磯砂との相性が良い水草の一つです。
この仲間は日本にも自生する種が多いのですが、自然下のものは交雑も起こりやすいためその分類は混迷を極めているようです。
美しく育てるには明るい照明とCO2添加、液肥を中心とした適度な肥料分が有効です。
育成条件の合う環境では大増殖することもあります。
大磯砂が合う理由
ここまで紹介した水草それぞれに大磯砂が合う理由は、3タイプあります。
コケ対策タイプ
アヌビアス、ミクロソリウム、ボルビティスが該当します。
このタイプの水草は成長が遅く、ソイルで育てると栄養分過多で葉がコケに覆われてしまうことがあります。
大磯砂なら栄養分が少ないため、ソイルで育てた場合よりもコケの発生に悩まされにくくなります。
硬度高めが好きタイプ
バリスネリア、アナカリス、ポタモゲトンが該当します。
このタイプの水草はもともと硬度の高い環境を好む異色の水草です。
ソイルで育てると調子を崩すことがあり、真の意味で大磯砂が合う水草といえるでしょう。
ポタモゲトンは概ね硬度高めの環境を好みますが、池や沼などに生える種類は腐植酸の多い弱酸性環境を好むものがいます。(浮葉を出すものなど)
全種が該当ではない点には、注意が必要です。
根張りが良いタイプ
アマゾンソードや細葉系のクリプトコリネが該当します。
自生地が砂礫だったり、根からの栄養吸収の依存度が高いため、粒がつぶれにくい大磯砂のほうが適しています。
このタイプの水草は、ソイルを用いて育成しても全く問題はありません。
大磯砂のほうが安定して育成できますが、成長速度を重視したい場合はソイルも有効です。
底砂としての大磯砂の特性
大磯砂とソイル(栄養系)の違いについて少し掘り下げてみましょう。
栄養系ソイルが一般に水草育成に優れる理由は、
- 腐植酸が含まれれており、水質を弱酸性に傾けること
- 腐植酸が初期肥料となり、水草の成長を促進すること
の2点が主な理由です。
これに対し、大磯砂は
- 砂利系なので硬度があり、水質を弱アルカリ性に傾けること
- 初期肥料が入っておらず、貧栄養環境を作ること
の2点がソイルとの主な相違点です。
単純に比較すると、ソイルのほうが水草育成には圧倒的に使い勝手が良いです。
水草レイアウト水槽に用いられるほとんどの水草は、弱酸性の軟水環境でよく育つからです。
しかし、水草の種類によっては
- 弱酸性環境を必須とせず、むしろある程度硬度がある環境を好む
- 元々貧栄養環境に自生しており、初期肥料が入っていると栄養過多になる
という種類もあります。
こういった特性を持つ水草に関しては、大磯砂のほうがマッチするということになるでしょう。
初心者向けといわれる種類ほど、上記2点の特性に合致しやすい傾向があります。
ほとんどの水草にはソイルが合うが、中には大磯砂が合うものもいるということを、覚えておきましょう。
弱酸性の軟水を好む傾向がある
中性で多少の硬度を好む傾向がある
ざっくりいうと、池や沼など泥底の止水環境に生えるものが弱酸性の軟水環境を好む傾向があります。
河川などの砂礫底の流水環境や渓流に生えるものが、弱アルカリ性とまではいかなくとも中性で若干硬度のある環境を好む傾向があります。
最終的に理想とする環境は、種ごとに異なります。
一番重要なのは自生地の環境を理解し、それに合った環境を整えるのが理想といえます。
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