どうも、ほにゃらら sp.です。
今回紹介するのはラミーノーズテトラ。
赤く染まる頭部と、白黒パターンの尾が美しい小型カラシン(テトラ)の仲間です。
水草レイアウト水槽に群泳させるカラシンとしては大変人気の高い種で、あらゆる水草レイアウトによく合います。
入手しやすく飼育も容易であり、多くの水草が調子よく育つ弱酸性の軟水環境で発色が更に鮮やかになります。
ラミーノーズ・テトラとは
名前 | ラミーノーズテトラ |
学名 | Hemigrammus bleheri |
分布 | ブラジル ― アマゾン川 |
サイズ | 最大体長5cm程度 |
最適pH | 6.0~7.5くらい あんまり気にしなくてOK |
ラミーノーズ・テトラはアマゾン川上流域原産のカラシンです。
水草レイアウト水槽に群泳させるカラシンとしては、カージナルテトラと1、2を争う人気種です。
ネオンテトラやカージナルテトラに比べ一回り大きくなり、存在感も増しています。
頭部の赤い発色は魚の状態と連動しており、コンディションが良いと真紅に染まります。
ワイルド個体は入荷が少ないものの、赤の発色が濃くまさに真紅です。
弱酸性の軟水環境で調子が良く、多くの水草が好む環境とベストマッチである点も、水草レイアウト水槽との相性に優れる一因です。
レイアウト水槽に泳がせる際は、頭部と尻尾以外の体色がやや地味なので、派手な魚と混泳させるとよりレイアウトの印象が良くなります。
特にカージナルテトラとの組み合わせは定番で、非常に好まれる組み合わせです。
本種は東南アジアで大量にブリードされているため入手は容易です。
飼育も容易な上、性質も温和で混泳にも適しています。
本種の飼育に関しては、熱帯魚飼育に必要とされる基本的な設備を整えていれば、それでOKです!
飼育だけならpHもどちらかといえば弱酸性を好みますが、そんなに気にする必要はありません。
少しぐらいアルカリ性に傾いても平気ですが、その場合発色はくすみます。
割と水質には寛容なので、あまり小難しく考えなくとも基本さえ押さえれば問題なく飼育できます。
しかし、発色を最大限に引き出すためには、やはり弱酸性の軟水環境での飼育がおすすめです。
産地バリエーション
流通するラミーノーズテトラはほとんどがブリード個体ですが、時折ワイルド個体も流通します。
産地によって微妙に発色が異なることが知られています。
ラミーノーズ・テトラ“マナウス”
マナウス産のワイルド個体です。
頭部の赤い発色が非常に濃く、仕上がった時の色彩は格別です。
背の色彩にもうっすらとグリーンが入り、ギラギラと輝きを見せてくれます。
入荷量は少なめですが、ブリード個体には見られない別格の美しさがあります。
最高潮の発色を堪能するには弱酸性の水質管理が必須ですが、ぜひお手元で仕上げて欲しい産地です。
ラミーノーズ・テトラ“ベレン”
学名:Hemigrammus rhodostomus
ベレン産のワイルド個体です。
ラミーノーズテトラの産地バリエーションとしてたまに流通しますが、実はラミーノーズテトラとは別種です。
通常のラミーノーズテトラに比べて赤い面積が少なく、尾ビレにかけて明瞭な黒いラインが入ります。
全体的に透明感があり、どこか涼しげな印象です。
改良品種バリエーション
改良品種が出回るようになったのは2010年以降と比較的遅めです。
ラミーノーズテトラ自体は古くから人気で、1990年にはすっかり定番種として流通していました。
にもかかわらず、改良品種が近年になって流通し始めたのは不思議なところです。
ブリリアントラミーノーズは比較的流通が多いものの、それ以外の品種は入荷量が多くありません。
ブリリアントラミーノーズ・テトラ
ラミーノーズの体表の輝きを増強した改良品種です。
元々体色に関してはシックな印象の種でしたが、この品種では頭部から側部にかけてまるでプラチナ個体かのような輝きを持つ鱗が散りばめられます。
単独でも存在感を発揮するのが魅力です。
もちろん、混泳させることでさらに魅力を引き出すことができるでしょう。
ゴールデンダイヤモンドヘッドラミーノーズ・テトラ
体色が明るい黄色に染まる、黄変タイプの改良品種です。
明るい体色に頭部のみが真っ赤に染まり、独特の魅力を見せてくれます。
他の品種に比べ赤い発色が弱い傾向がありますが、弱酸性の軟水でじっくり飼い込むと発色は増してきます。
アルビノラミーノーズ・テトラ
アルビノタイプの改良品種です。
この品種は古くから存在しますが、流通は多くありません。
アルビノになったことで全身の黒い色素が抜け、特に尾ビレの白い模様がくっきりと目立つようになりました。
頭部の赤い発色は弱めです。
その代わり、アルビノ特有の表現で眼が赤くなっており、通常のラミーノーズテトラとは全く異なる魚のような印象を与えます。
クリスタルラミーノーズ・テトラ
透明麟タイプの改良品種です。
透けた体色に赤い鼻先が良く目立ち、尾ビレの柄も黒が抜けたことで白い模様が目立つようになりました。
アルビノではないので、眼は黒いままです。
赤い発色も残っています。
白い体色に真っ赤な頭部のコントラストが良く映えます。
よく似た別種
先述の“ベレン産”も厳密には別種ですが、他にもいくつかよく似た色彩を持つ別種が流通します。
色彩パターンから、通常のラミーノーズことbleheri種はおそらくイエローテールと近縁で、レッドノーズはベレン産ラミーノーズと近縁なものと思われます。
レッドノーズ・テトラ
学名:Hemigrammus georgiae
ラミーノーズによく似た配色のカラシンです。
偽ラミノーズといわれることがありますが、頭部の赤い発色が薄いこと、体側中央に黒いラインが入ることで区別できます。
先述の“ベレン産”と通常のラミーノーズテトラの中間的な色彩をしていると言えます。
一時期まとまった数の入荷が見られたこともありましたが、入荷は不定期で多くはありません。
イエローテール・ラミーノーズ・テトラ
学名:Hemigrammus sp.
コロンビア原産のカラシンです。
透明感があり黄色みを帯びた体色に真っ赤な鼻先が美しい魚です。
一般的なラミーノーズ・テトラでは尾ビレの白くなる部位に黄色の発色が見られ、これが名の由来となっています。
まとまった数の入荷が見られることもありますが、不定期でその頻度も多くはありません。
有用なアイテム
ラミーノーズ・テトラは飼育だけなら教科書通りのテトラと言えます。
したがって、本種に特別有用なアイテムはありません。
テトラ類全般に共通する基本的な性質については、小型カラシン共通ページをご覧ください。
しかし、頭部の赤い発色を最大限に引き出すとなると、話は別です。
頭部の赤い発色を最大限に引き出すためには、弱酸性の軟水環境での飼育が欠かせません。
水草水槽での飼育が主になるため、底床には「栄養系ソイル」の使用がおすすめです。
pH6.0~6.5の範囲を維持するように心がけると、鮮やかな赤い発色が期待できるでしょう。
定期的にpH測定を行うことで、本種と水草にとって理想的な環境かどうかの確認ができます。
混泳について
ラミーノーズ・テトラは非常に混泳向きのカラシンです。
テトラ類同士であれば基本的に問題ありません。
同じテトラ類同士や、ラスボラ、コリドラスなどが混泳相手として良いでしょう。
この点も、熱帯魚の基本として古くからの人気の秘訣と言えるでしょう。
混泳相手 | 混泳相性 | 備考 |
---|---|---|
グッピー | ◎ | グッピーは弱アルカリ性を好みます。 |
プラティ・卵胎生メダカ | ◎ | 多くの卵胎生メダカは弱アルカリ性を好みます。 |
カラシン・小型テトラ | ◎ | |
コイ・ラスボラ | ◎ | |
ローチ・ボーシャ・タニノボリ | 〇 | |
フライングフォックス/アルジイーター | 〇 | |
ドワーフシクリッド | △ | サイズ差に注意 |
アフリカンシクリッド | × | |
エンゼルフィッシュ | △ | サイズ差に注意 |
ディスカス | △ | サイズ差に注意 |
ベタ・グラミー・アナバス | ◎ | |
コリドラス | ◎ | |
オトシンクルス・ロリカリア | ◎ | |
プレコ | ◎ | |
レインボーフィッシュ | ◎ | 多くのレインボーは中性付近を好みます。 |
ハゼ・ゴビー | 〇 | |
フグ・パファー | × | |
エビ・ビーシュリンプ | 〇 | 稚エビは食べられる可能性があります。 |
※混泳相手の種や性格によっては、例外もあります。
基本的には、テトラ類に対し攻撃を仕掛ける生体でなければ、ほとんどなんでも混泳可能です。
テトラ類がトラブルの火種になることは少ないですが、テトラ類以外の同居魚同士の相性はよく考えてあげてくださいね。
テトラ類以外の生体間での相性はあるので、留意しましょう。
ラミーノーズ・テトラ まとめ
ラミーノーズ・テトラ。
水草水槽に頭部の赤が映えるカラシンです。
飼育だけならネオンテトラと特に変わりませんが、頭部の赤い発色を引き出してこそ、本種は真価を発揮します。
水草にとっても良い水質かどうかのバロメーターにもなるので、水草レイアウト水槽とはあらゆる点で相性が良いですね。水草水槽においては最高の脇役です。
ラミーノーズの発色を真紅に仕上げることができたなら、立派な上級者の証と言えます。
ぜひ最高に仕上げた上で群泳させ、その魅力をご堪能ください。
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