どうも、ほにゃらら sp.です。
今回ご紹介する水草はスクリューバリスネリア。
「ネジレモ」の和名でも知られる、国産バリスネリアの一種です。
本種はもともと琵琶湖の固有種です。
しかし、アクアリウム用として流通しているものは、その多くが東南アジアをはじめ、さまざまな地域で生産されたものとなっています。
本種は比較的簡単な条件で育成でき、CO2無添加、低光量でもある程度育てることができます。
このため、はじめて育てる水草としても向いています。
また、本来は日本産ということもあり耐寒性もあります。
熱帯魚だけでなく、金魚や日本産淡水魚の水槽にも幅広くマッチすることでしょう。
スクリューバリスネリアとは
生物学的情報 | |
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名前 | スクリューバリスネリア |
別名 | ネジレモ |
学名 | Vallisneria asiatica var. biwaensis |
分類 | トチカガミ科セキショウ属 |
分布 | 日本(琵琶湖水系) |
育成要件 | |
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主な用途 | 後景草 |
水温 | 16~28℃ |
pH | 6.0~7.5 |
光量 | 30cm水槽:800lm 60cm水槽:1600lm 90cm水槽:2400lm |
CO2添加 | なくても可 |
スクリューバリスネリアは和名「ネジレモ」の名でも知られるバリスネリアの一種です。
テープ状の葉を展開し、それがスクリューのようにらせんを描いて伸長する、ユニークな外見の水草です。
このユニークな葉のねじれは、波がある大型の湖沼といった環境に特化して適応した形態と考えられています。
個性的な見た目でありながら育成は簡単な部類に入ります。
ある程度の光量があれば、CO2は無添加でも育成可能です。
ただし、“スクリュー”の名が付くように最大の特徴である葉のねじれを強めるには、CO2添加はあったほうが良い結果が得られます。
本種は本来日本固有種で、琵琶湖水系に広く自生しています。
アクアリウム用として流通するものの多くは海外での生産品を輸入したものですが、育成に関して特に変わるところはありません。
バリスネリアの仲間ということもあり、どちらかといえば弱アルカリ性~中性若干の硬度がある水質を好みます。
育成環境が良いと、根元からランナー(地下茎)を伸ばしどんどんと株を増やしていきます。
生体メインの水槽にもおすすめできる水草です。
実は万能な後景草
マツモやカボンバといった金魚藻に比べると知名度は落ちるものの、比較的緩い条件で育成できることから、生体メインの水槽にも良くマッチします。
難しい設備は用意できないけど、変わった水草を育ててみたい!という方にもおすすめできる種類です。
- 強い光量もCO2もいらない、とにかく丈夫な水草が欲しい(光量も弱くてOK、CO2添加不要)
- アルカリ性寄りの水質だけど水草を植えたい(アルカリ性寄りの水質で育つ水草は多くない)
- ヒーターがない水槽だけど水草を植えたい(耐寒性があるのでヒーターなしでも育成可)
これらの要求に、スクリューバリスネリアは応えることが可能です。
類似種との違い
スクリューバリスネリアは“スクリュー”の名の通り、葉のねじれが最大の特徴です。
低光量・CO2無添加でも育成自体は可能ですが、その場合ねじれは弱くなる傾向があります。
もし、葉のねじれをクセが強いと感じ好まないのであれば、ねじれずにまっすぐ葉を伸ばすタイプの種もいます。
バリスネリア・スピラリス
学名:Vallisneria spiralis
バリスネリア系の基本種ともいえる水草です。
世界中の温帯域に広く分布しています。
流通量も多く、入手しやすい種類です。
スクリューバリスネリアと異なり、こちらは葉がねじれません。
種小名のspiralisとは「螺旋形の」という意味がありますが、これは葉ではなく花茎がねじれるように伸びる特徴を指しているようです。
スクリューバリスネリアに比べると葉の幅が若干広く、やや太い印象を受けます。
育成に関しては、スクリューバリスネリアと同様で大変容易です。
ねじれを気にしなくてよい分、CO2添加も明るい照明も特に必要としません。
耐寒性は若干落ちるので、ヒーターはあったほうが安心です。
できれば20℃以上はキープしたいところです。
セキショウモ
学名:Vallisneria asiatica
“スピラリス日本版”といえるような立ち位置にあるバリスネリアです。
葉の幅はスクリューバリスネリアと同程度に細く、葉にねじれは見られません。
本種はアジア、オーストラリアに広く分布しており、日本にも分布しています。
日本各地に分布しているバリスネリアは主に本種で、スクリューバリスネリアはこのうち琵琶湖水系で固有の進化を遂げた、本種からの変種という位置付けにある種です。
アクアリウムにおいては流通はやや少なめで、スクリューバリスネリアのほうが見かける機会が多いでしょう。
育成に関しては、スクリューバリスネリアと全く変わりません。
レイアウトのコツ
スクリューバリスネリアをレイアウト水槽に用いる場合、基本的には後景草となるでしょう。
育成環境や水質はあまり選ばず、魚が飼育できる環境であればおよそどんな環境でも育てることができます。
十分な明るさの照明と、CO2を添加している場合はとにかく成長が速くなります。
環境条件が良いと根元からランナーを積極的に伸ばし株を増やしていきますので、不要なランナーは随時カットしていきましょう。
まとめ植えしたほうが、見栄えは良くなります。
カットした株は根元をピンセットでつまんで底床に埋めてやれば、そこからまた成長します。
用意するアイテム
スクリューバリスネリアを用いたレイアウトを作り上げる上で、必要となるアイテムを紹介します。
底床
なんでも使用可能です。
大磯砂か珪砂が良いでしょう。
ソイルでも育成は可能です。
あまり育成環境には注文を付けてこない水草ですが、どちらかといえば一般的な水草とは異なり、弱アルカリ性~中性に寄った環境を好む傾向があります。
基本的に水質を選ばないので、特に底床も選びません。
ソイルでも大磯砂でも育成可能ですが、どちらかといえば大磯砂の方が調子良く育つ傾向があります。
ピンセット・ハサミ
スクリューバリスネリアは適切な環境であれば成長は速いです。
必要に応じてトリミングしましょう。
なお、カットは基本的にランナーか、ロゼット状になっている株の一番外側の葉を根元からカットします。※①
葉の途中でカットしても、そこから再生することはありませんので気を付けましょう。※②
また、株の中央にある頂芽をカットしてしまうと、そのまま枯死してしまうので注意が必要です。※③
照明
スクリューバリスネリアは弱い光でも十分育ちます。
60cm水槽で1600lmもあれば十分に育成可能ですが、もしねじれを強くしたい場合は3000lm程度のものを選ぶと良いでしょう。
CO2添加システム
なくても構いません。
あるとねじれが強くなります。
フィルター
特に選びません。
ついていれば良いです。
肥料
与えると、ただでさえ速い成長速度が著しく増加します。
コケ取り生体
スクリューバリスネリアの表面には糸状の藻類が生えることがあります。
これはミナミヌマエビやヤマトヌマエビが有効です。
ヤマトヌマエビは数が多いと勢い余ってスクリューバリスネリアまで食害することがあるので、どちらかといえばミナミヌマエビのほうがコケの除去を目的とする場合はおすすめできます。
オススメの生体
適応範囲が広いのであらゆる水槽に使えます。
弱アルカリ性の水質でも育てることができるので、グッピーやプラティ、モーリーといった卵胎生メダカの仲間や、金魚などと相性が良いでしょう。
元々日本産ということもあり、日本産淡水魚ともよくマッチします。
弱アルカリ性の環境が理想ですが、そこまで厳密に環境を選ぶわけではないので弱酸性の水槽でも育成可能です。
いわゆる典型的な水草レイアウト水槽にも、もちろん使えます。
スクリューバリスネリア まとめ
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