X(旧Twitter)を利用して、フォロワーのみなさんからアクアリウム関係のご質問大募集!
寄せられた質問をアクアラシックの記事で回答しちゃおう!という企画を行いました。今回は回答をまとめて発表します!
唐突に始まったフォロワー参加型企画
2023年9月22日、唐突にチャーム公式X(旧Twitter)にこんな投稿がありました。
「今、アクアリストが本当に気になっていることは何だろう」
SNSを利用して生の声を聞くことで、本当にアンサーになる記事を書ける!そう思い企画しました。
頂いたご質問、社内のプロ「チャーム先生」が回答
今回の企画では大変ありがたいことに、期間内に4つのご質問をいただきました。
チャーム先生たちが非常に丁寧に答えてくれました。
では、実際に回答を見ていきましょう!
組織培養の培地を洗い流さず植栽した場合、どういった不具合が考えられるでしょうか?
まず1つ目は組織培養水草についての質問です。
組織培養水草には根の部分に「培地」と呼ばれる寒天状の物質がついているのですが、組織培養水草を植栽する時は培地を洗い流します。仮に培地を残して植栽したらどうなっちゃうの?
チャーム先生の回答
組織培養のゼリーは栄養がたっぷりなので基本的には洗い流して使用していただきたいです。それを前提として、パターンごとに見ていきましょう。
①水中植栽
これは水槽に植える方法で、水草では一般的ですね。水中栽培では、培地が多少残っていてもあまりトラブルは起きません。ただし、あまりにゼリーが多く残っていると注意が必要です。
本来であれば根をソイルなどの底床に植えると伸ばすことができますが、ゼリーが残っているとそのゼリーが剥がれた時に抜けてしまうかもしれません。水草の多くは浮力を持っているので、草体が大きいとさらに抜けやすくなり育成のスタートに遅れが出ることが懸念されます。やはり、組織培養の培養ゼリーはなるべく取り除くに越したことはないですね!
②水上植栽
こちらはテラリウムやビオトープなどで一般的かもしれません。鉢などに植えて越水(鉢を深めの受け皿に入れ、常に水に浸す方法)で育成するのもこちらに当たるでしょうか。
水上植栽の場合は必ず培養ゼリーを綺麗に流してください。指先でほぐれる程度で構いません。培養ゼリーは栄養価が高く、植物を効果的に育てるためのものです。バクテリアやカビなど他の生物にその栄養を奪われないように無菌栽培を行っており、一度外気にさらしてしまうとカビ(※)の原因になってしまいます。
組織培養水草が完全に培養ゼリーの栄養を吸収しきった場合は、ゼリーが残っていても問題ありません。水草が栄養を吸いきってもゼリーは形を残すことがあります。培養ゼリーの栄養が尽きたかどうかは目で見てわかるものではないので、やはりきれいに流す方が安心安全です。
(※カビは自らの成長のために快適な環境を作り出そうとします。その時に出す成分が他の生き物にとって有害なことが多いので嫌がられることが多いのです。必ずしも直接的に有害なケースばかりではありません。)
それでは次の質問です!
沢山のブセを扱ってらっしゃるcharmさんですが品種毎のオススメな管理方法(水中、水上など)、お答え出来る範囲で構いませんので教えて戴けると嬉しく思います。
2つめはブセファランドラについての質問。「ブセ」の愛称で親しまれているブセファランドラは小型種から大型種まで豊富なバリエーションがあることから、レイアウター、コレクター問わず人気の水草です。
チャーム先生の回答
種類ごとに管理方法を分けるなら……。
小型・中型種は水中・水上を問わず、大型種は水上での管理がおすすめです。
小型・中型のブセファランドラの多くは水中はもちろん、滝のそばなどの比較的水分量が多い場所に自生しています。そのため、水上・水中のどちらの環境にも適応できお好みの環境で育成いただけます。
一方、大型のブセファランドラは陸棲傾向の強い種類が多く、多量に水がある環境に適応しにくいといえます。高湿度を保ち25~28℃の間をキープすればうまく管理できますよ
続いては、水草レイアウターの皆さんが気になるあの話題!
どうしたら前景草が上手く抜けないで横に伸びますか?(ライトとCO2添加あり)
3つめは前景草の育成についての質問です。非常に丁寧に回答していただきました!!
チャーム先生の回答
前景草が抜けてしまうよくある原因は、植栽する時の水草の束のバランスが悪い、低床が薄い・植え込み直後の刺激などが挙げられます。
まず、植栽する前に水草を長さ1cm×幅1cm程度の束になるよう調整しましょう。
水草はちぎったところから成長点が生まれることで成長していきます。大きな塊で植えこんでしまうと生長点が少なくなりうまく育たない、かと言ってちぎりすぎてしまうと弱ってしまいこれもうまく育たなくなってしまいます。
次に、ソイルを3cm以上敷いたところに深く植えこむとよいです。多少埋もれてしまったも大丈夫です。
植えこみ直後にヤマトヌマエビなどの強力なコケ取り生体を入れていると引っこ抜かれてしまうことがあるので、植えこんですぐのコケ取り生体の導入は避けた方が無難です。
ミナミヌマエビより体の大きなヤマトヌマエビは強力なコケ取り生体の部類に入ります。水草が根を張り安定するまでは、別水槽やエアーをかけたバケツなどに隔離しておくなどの対策を取ってもよいでしょう。人によっては、比較的穏やかなミナミヌマエビですらそのツマツマの振動を嫌って隔離するケースもあるようです。
種類にもよりますが、ライトの光量による影響も大きいです。
水深にもよりますが、60cm水槽で前景草を全面に植えるようなレイアウトだとトライアングルを1灯よりも2灯使うか、Proを使うと確実性が上がります。
しかし、明るすぎると他の背の高い草が葉焼けを起こしたりコケが出てしまったりするのでそこのバランスも重要です。
水草別の植栽方法の動画もあります。水草が抜けることで悩んでいる方はぜひご視聴ください!
最後は熱帯魚の飼育でのお悩みです。
ブラインシュリンプを餌に使うと白いモヤ(コケ?バクテリア?)のようなものが大量に発生してすぐにフィルター根詰まりしてしまいます
最後は、熱帯魚などの稚魚の餌に使われるブラインシュリンプについての質問です!
チャーム先生の回答
バイオフィルム(微生物が固相表面に形成した集合体)の可能性があります。
ブラインシュリンプは汽水域に生息しているため淡水では生きていけません。水槽内のブラインシュリンプの死骸を分解するためにバクテリアが多く繁殖した結果、バイオフィルムになったものと思われます。これは、加温している水槽だと増えやすい傾向にあります。ミジンコで白いモヤの発生が落ち着いていることから、ブラインシュリンプの死骸(食べ残し)が原因でしょう。
対策としては、一度に与える量を減らして様子を見ながら数回に分けて与えてみるのがオススメです。
こちらの方は、現在ブラインシュリンプからミジンコに切り替えたそう。すると、白いモヤは発生しなくなったそうです。
水槽立ち上げ直後にもエアーチューブや流木に白いモヤが付着する事があります。こんな時はオトシンクルスや小型のプレコ、貝などを入れると舐めとって除去してくれます。生体には特に影響はなくバクテリアが安定すると自然に消えることも多いです。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
非常に丁寧に答えていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
リアルなお悩み解決ができていれば幸いです。
今後も不定期で開催する・・・かも?しれません。
お楽しみに!
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