どうも、ほにゃらら sp.です。
今回ご紹介するのは水泡眼。
目の下に袋を付けており、金魚の中でも特に風変わりな品種として知られます。
一見すごく変わった風貌をしていますが、飼育に関しては意外にもそれほど難しい点はありません。
ただし、一般的な金魚と比べるといくつかの注意点はあるのでそれだけ押さえる必要はあります。
今回はそんな水泡眼の、細かなあれこれを紹介していきましょう。
水泡眼とは
基本情報 | |
---|---|
飼育しやすさ | ★★★★☆ 容易 |
入手しやすさ | ★★★★☆ そこそこ見かける |
最大体長 | 15cm程度 |
適正水温 | 10~25℃ |
体型 | ランチュウ型 |
体色 | 赤、更紗、白、黒、キャリコ、桜、青、絣 など |
尾形 | 四ツ尾、三ツ尾、桜尾 |
水泡眼は、眼に付く風船のような水泡を特徴とする中国で作出された品種です。
バブルアイとも呼ばれ、奇抜な外見から人気を集めています。
この水泡の大きさには個体差があり、成長段階で変わることもあります。
水泡眼はランチュウ体形に属する品種で、基本的に背ビレを持ちません。
水泡をぷりぷりと振るわせて泳ぐ姿は、なかなかに独特の愛嬌があります。
また、水泡眼は上見での観賞が基本とされています。
とはいえ、元々かなり奇抜な風貌をした品種ですので、水槽で横見での飼育も人気です。
水泡の正体
水泡眼の最大の特徴である目の下の袋は、なんと眼球の角膜が肥大化したものといわれています。
よく見ると目と袋がつながっている様子が分かると思います。
元々金魚にとって視力はそれほど重要ではなく、普段の行動は嗅覚や側線を頼っているようです。
このため視力が悪くても、さほど問題にはならないようです。
水泡眼の色
赤または更紗が基本です。
奇抜な風貌をした品種はそれだけ固定の難易度が高いため、体色のバリエーションは少なくなるのが一般的です。
ところが水泡眼に関しては、意外にも体色のバリエーションは豊かな部類に入ります。
水泡の大きさには個体差がある
水泡眼の水泡の大きさには個体差があります。
また、実は必ずしも左右均等であるとも限りません。
右だけ大きいもの、逆に左だけ大きいものもいます。
これらは完全に個体の個性となるため、病気などではありません。
水泡の極端に小さい個体は「ハマトウ」または「フロッグヘッド」と呼ばれることもあります。
「左右均等なサイズの大きな水泡を持ち、背曲がりなど体型の歪みやヒレのクセなどがない個体」は水泡眼の中でも特に上質な個体として評価され、高値が付くこともあります。
水泡眼の歴史
水泡眼は元々、中国の宮廷や上流階級の間で門外不出の金魚として密かに飼育されていた魚だったといい、そのためにいつ誕生したのかは詳細不明のようです。
日本にはじめて輸入されたのは1950年代といわれています。
今でこそ、ある程度金魚の品揃えが良い店では割と見かけますが、当時は大変貴重な魚だったようですね。
現在では国産、外国産どちらの個体も流通しています。
国産の個体のほうが比較的入手しやすいでしょう。
飼育のコツ
基本的な飼い方は一般的な金魚の飼育に準じます。
ここでは、水泡眼特有の飼育時に気を付けるポイントを紹介します。
▼一般的な金魚の飼育方法については以下の記事を参考
水泡を傷つけないように
水泡眼の袋の中にはリンパ液が満たされています。
これを傷つけないようレイアウトに配慮することが、水泡眼を飼育する上で最大のポイントです。
水泡を傷つけてはいけないため、レイアウト素材に尖ったものは使用しないようにしましょう。
レイアウト素材は入れない、入れるとしてもなるべく表面が滑らかな流木・石などを使用するようにしてください。
ちなみに、水泡眼の水泡は破れても再生します。
ただし元通りの大きさ、形に戻るとは限りません。
水泡が破れてしまうと左右のバランスが悪くなったり、治るまでの間は痛々しそうに見えます。
観賞的価値を大きく落とすことがありますので、できるだけ傷つけない環境で飼育するのが理想です。
なお、先述した通り金魚にとって目はそれほど重要な器官ではないらしく、傷ついて痛々しそうな見た目でも、当の魚は意外と元気であることも多いです。
動きの速い魚との混泳は苦手
水泡眼は見た目通り、泳ぎは不器用です。
このため混泳させる場合は、ワキン型の金魚との混泳は不向きです。
水泡眼は金魚の中でもとりわけ泳ぎが上手ではない魚です。
個体の性格を加味しても、ワキン型との混泳はおすすめできる組み合わせではありません。
なお、水泡眼には国産と外国産、どちらの個体も流通が見られます。
産地が異なる金魚の混泳は基本的におすすめできないのでご注意ください。
▼詳しくはこちら
水泡眼の病気
水泡眼がかかりやすい一般的な病気
基本的に一般的な金魚と特に変わりません。
水泡が傷つくとその傷口から「水カビ病」に感染しやすくなるので注意が必要です。
そのほか「白点病」や「尾腐れ病」もかかりやすい病気です。
和金や琉金といった丈夫な品種に比べると、若干繊細なところがあります。
日頃からしっかり観察し、異常があれば薬浴などで対応しましょう。
▼薬浴に関してはこちらを参考
水泡眼だけに見られる症状
水泡眼の特徴である水泡。
調子を崩している個体は、体調の変化がこの水泡の色に現れることがあります。
例えば、普段の様子に比べて水泡が白く濁っている場合は何らかの細菌性の感染症に感染している可能性があります。
水泡が赤く充血している場合は、エロモナス感染症を引き起こしている可能性があります。
このような症状が出ているときは、「エルバージュエース」が有効なことが多いです。
なお黒くなることもありますが、これは黒色色素が水泡にも表れただけであることが多いです。
黒くなってきても健康上の問題は特にないことが多いので、そのまま様子を見ると良いでしょう。
これらは水泡眼特有に見られる症状です。
普段からしっかり観察し、異常があれば薬浴などで対応しましょう。
水泡眼 まとめ
水泡眼。
目の下に水泡をぶら下げぷりぷりと振るわせて泳ぐ、金魚の中でも特筆して奇抜な風貌を持った品種です。
赤や更紗が基本ですが、カラーバリエーションは意外にも豊富です。
赤や紅白以外の流通は少ないものの、色々なカラーからお好みの色を選べるのも水泡眼の見どころの一つといえるでしょう。
水泡眼は一見個性的な風貌で、飼育が難しそうな魚に見えるかもしれません。
しかし、一般的な金魚飼育の基礎に加え今回の記事で紹介したポイントを押さえれば、そこまで飼育の難しい魚ではありません。
ぜひ、迎えてみてくださいね。
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