アクアリウムなんて大がかりなことはしたくない。でも、きれいでかわいいお魚を飼ってみたい……という方が真っ先に引き寄せられるのが、ベタ。
アクアリウムの考え方にはいろいろあります。水槽の環境を整え、魚はそこを演出する一つの要素と捉える方もいれば、一匹のペットとして魚を飼育したいと考える方もいます。特にベタを飼育する人は圧倒的に後者が多い印象を受けます。
水槽を管理するというよりも魚のお世話をする感覚。
ペットフィッシュとしてベタが老若男女問わず人気があるのは、飼いやすさ、美しさに加えてコレクション性の高さのためでしょう。
ベタを飼いたい
熱帯魚はそう知らなくても、ベタは知っているという人も多いでしょう。アクアショップはもちろん、ペットショップやホームセンターでも小さな容器に入れられて販売されているように、メジャーな観賞魚です。大きい水槽は置けないし、水換えも面倒だし、いろんな機械を選んで設置して……。
考えるだけでアクアリウムから遠ざかってしまうような方も、ベタの飼いやすさを知れば、飼ってみたくなるはずです。ベタを飼い始めたことで「アクアリウムに興味を持ちました~!」というお話もよく聞きます。ベタの飼育はまさに機械音痴、アクアリウム下手(ベタなだけに)な方に向けた入門編だと思ってください。
自分の性格からお世話ができる範囲の魚を選ぶというのは非常に現実的。
お世話が大変で飼い始めたのを後悔しているなんて悲しい事は言いたくないですもんね。
ベタってどんな魚
ベタは、別名「闘魚」といわれるほど、個体同士でケンカをします。そのため、1水槽で1匹の飼育が基本です。相性を見極めたオスとメスを繁殖の時だけ一緒に飼育する以外は、漏れなく1匹で飼育ということを覚えておきましょう。
東南アジア原産のため、冬場はヒーターが必要です。ホームセンターで見たように、小さなカップに入れるだけで飼えるわけではありません。冬場の加温もしっかり考えてくださいね。
ベタの寿命は1~2年。もちろん、ちゃんとした環境を整えてしっかり飼えることが前提です。数カ月で死んでしまった場合は寿命ではなく、何らかのトラブルが発生した可能性があります。
ベタを何で飼うか
さて、本題です。かわいいかわいい相棒のベタさん。小さなプリンカップに入って売られていたとしても、コップで飼えると安易に考えてはいけません。
残念ながら、極小の環境はあくまでも魚が死なない程度。生命維持はできても長期飼育には向かないことを覚えておいてください。
また、水量が少ない方が水が汚れやすく、水温もすぐ変化してしまいます。手軽に飼えるどころか、むしろ管理が大変になることは知っておいて損はありません。(どのアクアリウム水槽にも言えることです)
また、小さい容器はベタの特長的な美しい尾ひれの成育を妨げ、傷つけてしまいます。
単独飼育を踏まえると、水槽は水換えが楽でいて、ベタのQOLを少しでも上げられる程度のサイズを選ぶのが良いでしょう。
小さくて狭いところで飼わないといけないわけではありません。大きい分には何の支障もないのです。
ちなみに、ベタは同種以外とは特にケンカをせず混泳できます。その点、他の熱帯魚たちが泳ぐ水槽に1匹だけ導入することは全く問題ありません。
水温管理や手入れのしやすさから、超初心者におすすめは20cmキューブ水槽です。
水容量(約)6.8L、水槽自体の重さが2.4kg程度と水換えも楽に行え、移動や置き場所にも困りません。
なお、水換えは1週間に1回、水槽の水を半分を抜いて半分の新しい水を足してください。
ベタ飼育に必要なもの
水槽
ベタ用の水槽はさまざま販売されています。冬場はヒーターを設置すること、小さいと水が汚れやすいこと、水換えがしやすいことを総合的に考えると、超初心者にはコップではなく、少し余裕を持った水槽サイズがおすすめです。中にいろいろ入れすぎると掃除が大変になるので、水槽のアクセサリーはシンプルに。
ヒーター
アクアリウム音痴さんにとって、今回最大の難関はヒーターでしょう。いろんな種類があり過ぎてページを探すのも怖い……と、震えてる必要はありません。
・温度固定式のオートヒーターを選ぶ
・20cmキューブ水槽なら20WのものでOK
オートヒーターなら難しい温度調整がいりません。水槽の中にキスゴムで貼り付けて、水を入れてからコンセントに差すだけで完了!
夏場は取り外しておきましょう。
エサ
ベタ用のエサを購入してください。ベタの口は上向きなので水面に浮く浮上性のエサが良いです。たいていものは粒状で、1日2回、1回に3~5粒を与えます。数分経っても食べ残したものは水を汚すので取り除きましょう。
エサは冷暗所に保管し、酸化させないように注意が必要です。古いエサは体を壊してしまいます。開封後、数カ月で使い切れなかったら破棄するぐらいの気持ちでいましょう。
水質調整剤(カルキ抜き)
水質調整剤とは、水道水をベタに安全な水に変えるものです。とにかくたくさんの種類がありますが、ベタ用と書いてあればとりあえず間違いありません。パッケージ等に書いてある通りの量を水槽に入れる水道水に足すだけでOKです。
水草
水草はなくてもいいものです。本物の水草を使うとなると、水草のことも考えて水草用のライトを準備して……と手間もコストも増えます。そこでおすすめするのが人工水草です。
ベタは水草の陰に隠れて休む習性があり、水草があるとそこが落ち着ける場所になります。どうしても自然のグリーンにするなら、浮草などがベタと相性が良いので検討してみてください。
ただ、繰り返しますが水草は無くてもいいもの。
あればベター(なお良し)なのです。ベタだけに。
その他あってもいいもの(水温計・フィルターなど)
その他にも、水槽内に邪魔にならない小さな水温計や、強い水流が苦手なベタの邪魔にならない程度のフィルターは設置しても良いでしょう。
掃除のしづらい底砂の代わりに大き目のゼオライトなどの石を置くと水質向上が図れます。
ベタ、コレクター魂に火をつけろ
いかがでしたか?
なんだか飼えそうな気になってきませんか?
ベタはよく人になつき、非常にかわいい魚です。そして、無数の色、形のバリエーションがあることから、コレクターの心をくすぐります。ベタを飼育をしてみて、その素晴らしさ、虜になったら、ぜひ新たな子を迎えてみてくださいね。
新たな世界の扉が開けるのではないでしょうか。
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