どうも、ほにゃらら sp.です。
今回紹介するのはコリドラス・スーパーシュワルツィ。
“スーパー”とつくだけのことはあって、いろいろと凄みのあるコリドラスです。
その名の通りシュワルツィをより大型にして、整ったイメージのある高級種といえます。
コリドラス・スーパーシュワルツィとは
生物学的情報 | |
---|---|
名前 | コリドラス・スーパーシュワルツィ |
学名 | Corydoras sp. Corydoras schwartzi “Super” |
Cナンバー | CW-028 |
分類 | ナマズ目カリクティス科コリドラス亜科 |
食性 | 雑食 |
ノーズ | ショートノーズ |
柄 | シュワルツィ系 |
分布 | ブラジル ― プルス川 |
飼育要件 | |
---|---|
飼育しやすさ | ★★★☆☆ 標準 |
入手しやすさ | ★★★☆☆ ふつう |
混泳しやすさ | ★★★★★ とても混泳向き |
最大体長 | 7cm程度 |
適正水温 | 22~27℃ |
pH | 生存可能:5.5~8.0 適正範囲:6.0~7.0 ※あまり気にしなくてOK |
備考 | 強い水流と十分な溶存酸素を要求する大型種です。 背ビレ/胸ビレの毒強め、刺されると痛みが強いので注意 |
コリドラス・スーパーシュワルツィはブラジル、プルス川原産のコリドラスです。
コリドラス・シュワルツィの上位版のような位置づけの種として扱われることが多いです。
シュワルツィよりも一回り大きくなり、背ビレもより伸長し、体側の模様もより整った模様になる傾向があります。
本種のように、ある基準となる種に似た上で、大型化するなど顕著な特徴が見られるコリドラスにはしばしば“スーパー”の名が付くことがあります。
上位版という表現はあくまでも鑑賞や流通面における位置づけであり、生物学的なものではありません。
スーパーシュワルツィはおそらくシュワルツィとは別種と思われ、類似種や近縁種という位置づけになるのでしょう。
本種の飼育に関しては、通常のシュワルツィに比べると少し環境に注文を付けてきます。
具体的には強い水流と溶存酸素を要求します。大型種らしい要求です。
底砂には砂粒の細かいものを採用しましょう。
一応、大磯砂でも飼育は可能です。
飼育難易度は、一般的なコリドラスに比べると多少技量を要求されます。
大型種ですので、最低でも60cm、将来的には90cm以上の水槽で飼育したほうがのびのびと飼育できるでしょう。
水質に関してはプルス川原産ということもあり、日本の水道水で問題なく飼育できます。
▼こちらも参考
バリエーション
コリドラス・スーパーシュワルツィ”ラブレア”
プルス川上流域の町、ラブレアを産地とするスーパーシュワルツィです。
この産地の個体は一般的なスーパーシュワルツィに比べ黒のラインがくっきり入り、シュワルツィ系コリドラスの究極系とも言える特徴を持つ人気の産地です。
端正で美しい産地として知られ、マニア垂涎の逸品です。
スーパーシュワルツィ似のコリドラス
コリドラス・シュワルツィ
学名:Corydoras schwartzi
ブラジル、プルス川原産のコリドラスです。
白くまっすぐにそびえる背ビレの棘条が美しく、古くから人気の高いポピュラー種として知られます。
この発色は小さいうちは強くないものの、状態良く飼育すると成長に従って背ビレ棘条の白さが際立ち伸長します。
大切に飼い込むことにより、端整なコリドラスへと仕上がります。
体側の黒いライン模様には個体差が見られ、細かいスポットが線状に繋がって見える個体が多いです。
なんとなくカッコいい響きの名を持つ本種ですが、その名前は熱帯魚輸出業者として有名なウィリー・シュワルツィ氏にちなんでいます。
▼詳しくはこちら
コリドラス・ウルトラシュワルツィ
学名:Corydoras sp.
Corydoras schwartzi “ultra”?
ブラジル原産のコリドラスです。
通常のスーパーシュワルツィとは採取場所が違うといわれていますが、産地詳細は不明で謎の多いコリドラスです。
通常のスーパーシュワルツィに比べ体側のラインが乱れ、細くスポット状になる点が相違点です。
流通量はスーパーシュワルツィと比べてもさらに少なめです。
“ウルトラ”の名前とは裏腹に、“スーパー”よりも安価な傾向があります。
コリドラス・タパジョスシュワルツィ
学名:Corydoras sp.
ブラジル、タパジョス川原産のコリドラスです。
シュワルツィに似た体側のラインが美しい種でシュワルツィの産地バリエーションとされることもあります。
おそらく別種と思われます。
体側のラインにはバリエーションが見られスポット状になる個体も見られます。
一方でシュワルツィとは異なり、背ビレの棘条が白く染まりません。
むしろ黒く染まるのが相違点です。
入荷は非常に珍しく、希少性の高い種です。
コリドラス・セミロングノーズスーパーシュワルツィ
学名:Corydoras sp.
ブラジル、プルス川原産のコリドラスです。
スーパーシュワルツィのセミロングノーズタイプと言える種で、スーパーシュワルツィとスーパープルケールを足したような容姿を持ちます。
スーパーシュワルツイのような2本のラインと、大きく伸長する背ビレ、太い棘条、そしてそばかすのようにノーズに入る細かなスポットが本種の大きな特徴で、特にラインが太く明瞭な個体は美しいとされます。
背ビレの付け根から目の近くまで、流れるように白いラインが入るのも本種の特徴です。
大型に育つので、水量には余裕をもってゆったりと泳がせると良いでしょう。
有用なアイテム
水槽 | フィルター | 底床 | 餌 |
---|---|---|---|
60~90cm | 外掛け、上部、外部 | 砂 | タブレット、顆粒(沈下性) |
大型種ですので、最低でも60cm以上の水槽での飼育をおすすめします。
上部式か外部式がおすすめです。
冒頭にも述べた通り、底床には基本的に目の細かい砂を敷きましょう。
コリドラスの専用タブレット、または沈下性の顆粒フードがおすすめです。
スーパーシュワルツィは水質にはそれほど注文を付けてきません。
これは原産地となるプルス川の水質が、元々日本の多くの水道水の水質と似通っているためです。
しかし「溶存酸素」と「水流」の2点は強めのほうが良いでしょう。
溶存酸素
スーパーシュワルツィが理想とする飼育環境は、プレコに近いところがあります。
溶存酸素を高めるための最善の手段は、エアーポンプの導入です。
一般的なコリドラスの場合、飼育数が少なければエアレーションは不要なこともあります。
しかし、スーパーシュワルツィなどをはじめとした大型種に関しては優先度が高いといえます。
他にも、外部式フィルターを使用の場合は「ディフューザー」のようなオプションパーツがあればぜひ採用したいところです。
ディフューザーは取り付けるだけで、外部式フィルターの排水口に空気を取り込む機能を付加できます。
つまるところ、酸素を水槽内に取り入れ水中の溶存酸素を増やします。
外部式フィルターを採用している場合は、ぜひ導入したいアイテムです。
水流
渓流のような環境を再現するためには、水流も重要です。
排水を壁に押し当てることで水流を弱めるテクニックがありますが、大型コリドラスに関してはむしろそのまま勢いよく排水させたほうが良いです。
スーパーシュワルツィは背ビレが伸長する種ですので、水流は強い方が背ビレが伸長しやすくなります。
おそらくスーパーシュワルツィは一般的なコリドラスに比べ、河川本流のような環境を好むのでしょう。
コリドラス全般に共通する基本的な性質については、コリドラス共通ページをご覧ください。
混泳について
コリドラス同士であれば基本的に問題ありません。
コリドラス以外の魚種と混泳させる場合には、一般的なテトラやラスボラ等の小型魚であれば混泳は可能です。
比較的多くの魚種との混泳が楽しめますが、自慢のヒレにいたずらされないような魚を選びましょう。
できるだけリスクなく混泳させる場合は、コリドラス同士の混泳を楽しむのが安全です。
スーパーシュワルツィは貴重な種であるため、絶対にリスクを避けたい!という方は単独飼育がおすすめと言えます。
本種に興味を持っていただけるということは、貴方は既にコリドラスのマニアか、その素質を持っているはずです!
ぜひレアコリ・珍コリ いろいろ集めて自慢しましょう!
入手には旬がある
スーパーシュワルツィの入手には波があります。
いつでも入手できる種ではありませんが、シーズンになるとまとまった数が入荷してきます。
このためシーズンとなる12月頃を狙えば、意外にも入手は容易です。
それ以外の時期は数が少なくなりますが、探せば散発的な入荷はあります。
毒について
スーパーシュワルツィは他のコリドラスに比べ、ヒレの毒性が少し強いことで知られています。
触れるな危険
スーパーシュワルツィに刺されると他のコリドラスよりも患部が痛むことが多いので、絶対に素手で触らないようにしましょう。
水合わせについて
コリドラスは輸送中に、自身が分泌した毒でダメージを受けることがあります。
スーパーシュワルツィに関しては独特のにおいが感じられるほど毒が強く、長時間の輸送ではダメージを受けやすい傾向にあるようです。
このため入荷直後はふわふわと浮いて泳いでいる状態になることが多いです。
これは輸送中に自らの毒で受けたダメージで一時的に弱っている状態(自家中毒)といわれています。
清浄な水でしばらく飼育していると回復し、底を泳ぐようになります。
スーパーシュワルツィが輸送されてきた水は白濁したり、泡だっていることもあり、それぐらい毒性が強いことがうかがえます。
購入時の袋の中の水は、輸送中に分泌された毒が充満している可能性があります。
絶対に水槽内に入れないようにしましょう。
メンテナンス時の注意
水槽掃除などで魚を隔離するとき、スーパーシュワルツィと他の熱帯魚を洗面器などの狭い容器に移さないようにしましょう。
移動のストレスでスーパーシュワルツィが毒を分泌し、容器の水量が少ないとその影響が強く出ます。
致命的なダメージを受けることも
コリドラスはこの毒に対して比較的強いものの、テトラやラスボラなどの小魚では水量が少ないと致命的なダメージを受けることがあります。
水槽内から一時的に隔離する必要がある場合は、スーパーシュワルツィはスーパーシュワルツィだけで分けておいた方が良いでしょう。
毒性の強い2大コリドラス
コリドラスは全般的に弱毒を持つ魚種ですが、ゴッセイとシュワルツィ、およびそれらに似た柄を持つ種に関しては、その中でも特に毒性が強いといわれます。
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飼育時は十分な水量があるので、この毒はまったく影響ありません。
メンテナンス時などで隔離する際や輸送時など、水量が少なくなると影響が出ることがあります。
コリドラス・スーパーシュワルツィ まとめ
コリドラス・スーパーシュワルツィ。
シュワルツィの上位版のような扱いで、端整な大型種として古くから人気です。
迫力のある体高とサイズ、白く染まり伸長する背ビレは大変見ごたえがあり、可愛らしいというよりはカッコいいという印象が強い種です。
本種の飼育に関してはそれなりの設備を要求するため下準備という点では一筋縄ではいきませんが、ある程度技量を求められる点がまた、魅力を増幅させているともいえるでしょう。
ぜひ、大型水槽でゆったりと飼育してみてくださいね。
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