シャドーシュリンプ<エビ解説>

種類解説(エビ・その他)
種類解説(エビ・その他)

シャドーシュリンプは台湾のブリーダーが作出した、ビーシュリンプ系統の品種です。 

ビーシュリンプとは別の種のシュリンプを交配した、いわゆる「ハイブリッド品種」に当たり、 ハイブリッド系流行の先駆け的な存在となっています。

日本に広く流通し始めたのは2012年ごろは、1匹数万円という非常に高価な時期を経て、 今では手に入りやすく、飼育も容易になりました。
 
そんなハイブリッド系品種の登竜門に最適なシャドーシュリンプについて解説したいと思います。 

シャドーシュリンプとは

特徴

ビーシュリンプと外見を比較すると、ビーシュリンプは厚みのある色彩(濃く強い印象)に対して、シャドーシュリンプは透明感がある甲殻ではあるが、色の深みがあるツヤを持ちます。

また、ビーシュリンプは白色ベースに赤色のバンド模様が入りますが、シャドーシュリンプは赤・黒色をベースに白のバンド模様が入るイメージです。

決定的な差別化は難しく、シャドーシュリンプは赤・黒などの色面積が多いという点も特徴として挙げられるでしょう。

カラーバリエーション

レッドシャドー:真っ赤な色彩に透明感があり、白のバンド模様が入ります。

ブラックシャドー:ツヤのある黒色に白のバンド模様が入ります。

ターコイズシャドー:白の体色に青が入った個体で、成長と共に青が強く、にじむような配色がきれいです。

模様の表現

キングコングタイプ

頭部・腹節・尾ヒレにアクセントとして白色のバンドが入り、ベースカラー(赤や黒)の面積が多い表現を持ちます。

パンダタイプ

白色のバンド模様が帯状に身体に入った表現を持ちます。

目の周りに入る白バンドがまさにパンダですね。

フルタイプ

白色の模様が身体に全く入らない「フルレッド(フルブラック)」の表現を持ちます。

1匹数万円という時代には、『赤(黒)の色が濃い・脚まで色が入る・ツヤがある』の3点が強いほど、グレードが高いものとされています。
(パンダ<キングコング<フルの順に価格が高い)

現在では表現体(キングコング・パンダ・フル)での販売は少なく、『シャドーシュリンプ』として販売されています。

飼育方法について

飼育方法や環境設備などはこちらの記事でご紹介しています。

飼育に関する注意点

飼育方法は基本的にビーシュリンプと変わりません。シャドーシュリンプが出はじめたころは、GHが高くないと調子が上がらないといわれていました。

現在では厳密に数値で表すことはありません。しかし、甲殻類の成長に必要な栄養素ミネラル分を考えると、最低2~3程度はほしいところです。

※添加剤・調整剤を使用するときは、先に水のチェックを行うようにしましょう。

交配・繁殖方法

シャドーシュリンプはハイブリッドシュリンプという位置付けのシュリンプです。現在でも詳細な情報は明かされていませんが、2つの説がありますのでご紹介したいと思います。

1つは、ビーシュリンプの選別交配、チェリーシュリンプ系・ビーシュリンプ系でもみられる色の濃い物同士での交配方法による作出方法。

2つ目は、ゼブラシュリンプの改良品種であるブラックダイヤモンドとビーシュリンプの交配種といわれています。

ターコイズシャドーシュリンプはブラックシャドーシュリンプから作出されています。

ブラックシャドーシュリンプと同じく台湾で作出された品種の一つで、詳細は不明ですが、クリーム系との関連性やブラックシャドーの色素が独特の青い発色に影響を与えたのではないかとの一説があります。

当時のシャドー系シュリンプは弱く、ビーシュリンプよりも飼育するのも難しいといわれていました。現在では飼育難易度・繁殖(ブリード)難易度も下がっています。

体質の強い個体の作出

オスのシャドーとメスのビーシュリンプを掛ける方法
F1時点では生まれた子は全てビーシュリンプ表現で、その中に同じビーシュリンプ表現でもシャドーの遺伝子を持ったハイブリッドが出現します。
シャドーの遺伝子を持った子同士を掛けることにより、F2でシャドー柄のシャドーが出現します。

ビーシュリンプ表現(ハイブリッド)をF3~F5まで累代を重ねるとシャドー柄の子が出現します。

まとめ

シャドーシュリンプを軸に交配を繰り返すことでターコイズや多様な表現を持つシュリンプができることから、初心者から上級者まで幅広い人気があります。

単独飼育にとどまらず、ブリードにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。




投稿者
WT

多くの生き物のブリーディングを経験をし、今はもっぱら観葉植物・DIY!

自分の好きな物での部屋作りが楽しい。

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