どうも、ほにゃらら sp.です。
今回は主要な熱帯魚の、「水槽に入れられる匹数」についてご紹介します。
ギュウギュウと詰め込まれた、いわゆる「過密水槽」は、魚にとって良い環境とは言えません。
水槽に最大で何匹までなら魚が入るのか……。できれば事前に知っておきたいですよね。
というわけで、熱帯魚の主要なカテゴリごとに飼育可能な数の目安を
30cmキューブ、45cm、60cm、90cmの主な規格の4通りでまとめました。
なお、この数はあくまでも目安です。該当するカテゴリであっても、生体の種類によっては数が増減する場合があります。
魚種&水槽別飼育可能数一覧
魚種ごとの考え方
基本的にはサイズと遊泳域に着目します。
「体長1cmあたり1L」が基本ですが、魚種によって体格が異なるのであくまでも目安です。
同じ体長でも体格が異なれば、体格の大きい魚のほうがより多くの水量を必要とします。
体高や幅のある魚は、サイズの割に必要な水量が多くなる傾向にあります。
逆に体高が低く細身の魚は、サイズの割に少ない水量で十分なこともあります。
また、魚種によって過密な環境に強いものとそうでないものがいます。
多少汚れた環境でも適応できる種に関しては過密に強く、逆に常に清浄な水質を要求する種に関しては過密に弱いと言えます。
グッピー
最大サイズ:4~6cm程度
遊泳域:中層
1匹あたり2L程度の水量を確保すると良いでしょう。
グッピーにはたくさんの品種がありますが、どの品種でも同様です。
比較的過密には強い方で、ペアが揃っていれば意識していなくてもどんどん出産して子供が増えていきます。
繁殖を主目的とする場合は、1ペアでの飼育をおすすめします。
プラティ
最大サイズ:4~6cm程度
遊泳域:中層
1匹あたり3L程度の水量を確保すると良いでしょう。
プラティであればどの品種でも同様です。
グッピーよりも一回り体格が大きいので、少し多めに確保します。
こちらも過密には強い方で、ペアがそろっていれば意識していなくてもどんどん出産して子供が増えていきます。
モーリーの仲間
最大サイズ:5~8cm程度
遊泳域:中層
1匹あたり4L程度確保すると良いでしょう。
〇〇・モーリーを中心とした卵胎生メダカが主にこのグループに属します。
種によってサイズが多少異なりますが、プラティよりもさらに一回り大きくなります。
オス同士の小競り合いや、メスを追い掛け回すことが多少なり見られるので、遊泳スペースを取るために水量を確保します。
環境が整っていればどんどん子供が増えますが、グッピーやプラティほど過密な環境への耐性はありません。
繁殖させる場合、余裕を持った計画で繁殖させると良いでしょう。
ランプアイの仲間
最大サイズ:3~4cm程度
遊泳域:中層
1匹あたり2L程度確保すると良いでしょう。
元々群れを作る習性があるため、飼育の際はなるべく5匹以上でのまとまった数を入れたほうが良いでしょう。
基本的に「アフリカン・ランプアイ」の流通がほとんどとなり、それ以外の種類の入荷はあまり多くありません。
小型カラシン(テトラ)の仲間
最大サイズ:3~5cm程度
遊泳域:中層
1匹あたり2L程度確保すると良いでしょう。
元々群れを作る習性があるため、飼育の際はなるべく5匹以上でのまとまった数を入れたほうが良いでしょう。
テトラとひと口に言っても多種多様な種類がおり、種によって多少サイズに差があります。大半の種は3~5cm程度ですが、サイズに差がある個体を混泳させる場合は注意しましょう。
ラスボラの仲間
最大サイズ:3~5cm程度
遊泳域:中層
1匹あたり2L程度確保すると良いでしょう。
元々群れを作る習性があるため、飼育の際はなるべく5匹以上でのまとまった数を入れたほうが良いでしょう。
基本的な性質はテトラ類に準じます。
フライングフォックス
最大サイズ:10~12cm程度
遊泳域:中層
本種単独で飼育するのであれば、1匹あたり8Lでよいです。
しかし、基本的にコケ対策要員として採用することが多いと思います。
他の混泳魚の存在を考えると、30cm水槽で2匹、60cm水槽で4~5匹程度が現実的な採用数になるでしょう。
最大12cm程度まで成長しますが、流通する個体は3~5cm程度のものが多いです。
成魚になると縄張りを主張し気が荒くなりますが、若魚のうちは除去が困難な黒いヒゲ状のコケを食べてくれることから重宝されており、この性質からコケ取り要員として人気があります。
アルジーイーター
最大サイズ:13cm程度
遊泳域:中層
こちらも単独飼育なら1匹あたり8L程度確保すると良いでしょう。
しかしコケ取り要員としての採用が中心になると思いますので、他の混泳魚の存在を考慮すると実質的には30cm水槽で2匹、60cm水槽で4~5匹程度が現実的な数になるでしょう。
最大13cm程度まで成長しますが、流通する個体は4~6cm程度のものが多いです。
成魚になると縄張りを主張し気が荒くなりますが、若魚のうちは水槽を立ち上げてすぐに生えやすい茶ゴケを積極的に食べてくれることから重宝されます。
ラミレジィ
最大サイズ:6cm程度
遊泳域:中層
1匹あたり4L程度確保すると良いでしょう。
シクリッドにしては珍しく比較的温和で、複数飼育にも成功しやすい種類です。ただしケンカをしないわけではないので、十分に隠れ家を用意しておくと安心です。
他魚へも攻撃をしますが、極端にサイズが小さくなければ小型のカラシン等との混泳も可能です。
トーマシー
最大サイズ:7cm程度
遊泳域:中層
1匹あたり4L程度確保すると良いでしょう。
巻貝を食べる習性があることから、水槽内に発生するスネール対策として人気があります。
小さいうちはシクリッドにしては珍しく比較的温和で、複数飼育にも成功しやすい種類です。
しかし成長とともに縄張りを主張し気が荒くなるため、注意が必要です。十分に隠れ家を用意しておくと安心です。
アフリカンシクリッドの仲間
最大サイズ:12cm程度
遊泳域:中層
1匹あたり15L程度確保すると良いでしょう。
基本的に縄張り主張が強く性質が粗いため、混泳には難儀するグループです。
一方で、逆にあえて過密飼育することで高い攻撃性を緩和させるという手法もあります。
しかし、今度は水質管理の難易度が高くなるため、はじめて飼育する方にはあまりおすすめできる手法ではありません。
このグループは体長3~4cm程度の個体が流通の主流となりますが、最終的には10cmを超えるサイズにまで育つものが多いです。
気性が荒く混泳にも向かないため、終生飼育を見据えて計画を立てるようにしてください。
一方で、アフリカの雄大な淡水湖で育まれた鮮烈な色彩は、淡水魚としては他に類を見ない異質なものです。
ぜひ、環境を整えて飼育にチャレンジしてみてみましょう。その価値はきっとあります。
エンゼルフィッシュ
最大サイズ:12cm程度
遊泳域:中層
1匹あたり15L程度確保すると良いでしょう。
エンゼルフィッシュの場合、水槽の幅だけでなく高さも重要です。
十分な高さが確保されていると、伸び伸びと育ち美しいプロポーションを見せてくれます。
各ヒレが美しく伸長することで、エンゼルフィッシュの美しさの真価が発揮されます。
ディスカス
最大サイズ:18cm程度
遊泳域:中層
1匹あたり20L程度確保すると良いでしょう。
この数は幼魚~MSサイズくらいまでで、完全に成魚となった場合は、6045以上の水槽が推奨されます。
十分にろ過の効いた環境を用意する必要があるため、過密飼育ではろ過への負担が大きくなりがちです。
少数のお気に入りの個体をできるだけ広い水槽ゆったりと飼育すると、美しく育ちます。
成魚サイズでは、90cm水槽に5匹くらいが目安です。
ベタ(メスのみ)
最大サイズ:5cm程度
遊泳域:中層
1匹あたり5L程度確保すると良いでしょう。
オスは水量・水槽サイズに関わらず1匹のみ飼育になりますが、メスは複数飼育も可能です。
2020年頃からはメスの体色も色鮮やかに改良が進んでおり、オスよりも一回り小さいので数を集めての混泳が楽しめることから、敢えてメスのみを集めて混泳させるスタイルも人気が高まっています。
グラミーの仲間
最大サイズ:6cm程度
遊泳域:中層
1匹あたり8L程度確保すると良いでしょう。
基本的な性質はベタに準じます。
ただし多くの種は温和で、一部の種を除けばケンカすることはほとんどありません。
種類により体サイズが変わり、「ハニードワーフ」や「ピグミーグラミー」といった小型種に関しては飼育可能数を2倍換算で考えて良いでしょう。
オトシンクルス
最大サイズ:5cm程度
遊泳域:中層
本種単独なら1匹あたり3L程度確保すると良いでしょう。
しかし多くの場合、コケ取り用としての導入になると思います。
他の混泳魚の存在を考慮すると、30cmキューブでは3~5匹、60cm水槽では5~10匹程度 が現実的な導入数となるでしょう。
他に同様の役割で「オトシンクルス・ネグロ」も知られます。
基本的な性質は同様と考えてOKです。
中層域を泳ぐとはいえ、一日のほとんどをガラス面や水草にへばりついて過ごしています。
他の魚の遊泳に干渉しない点も、タンクメイトとして優秀です。
レインボーフィッシュ
最大サイズ:4cm程度
遊泳域:中層
1匹あたり2L程度確保すると良いでしょう。
テトラやラスボラに準じ、水草レイアウト水槽に群泳させる魚種としては人気のグループです。
元々群れを作る習性があるため、飼育の際はなるべく5匹以上でのまとまった数を入れたほうが良いでしょう。
ただし、レインボーフィッシュすべてが小型というわけではありません。
中には大きくなる種類もいますので、後述する種類のみが対象とお考えください。
アベニー・パファー
最大サイズ:3cm程度
遊泳域:中層
1匹あたり3L程度確保すると良いでしょう。
成魚サイズでも3cmと大変小型なのでまとまった数を飼育することはできますが、個体間で性格的な相性の良し悪しがあるようです。
水草を多く茂らせたり、隠れ家を多く作ったりすることで多少緩和することは可能です。
他の魚種との混泳は、あまりおすすめできません。
特にヒレの長い種に関しては、相手のヒレをかじってしまいます。
大型魚・古代魚
最大サイズ:30cm以上
遊泳域:種による
大型魚・古代魚というくくりは少々広いです。
基本的には飼育したい生体の今のサイズと、最大サイズで判断しましょう。
大型魚に関しては、成長段階に応じて水槽サイズの適切な変更が必要な場面もあります。
最低でも45cm水槽以上での飼育が推奨され、60cm以下の水槽では1匹に留めておくのが無難です。
90cm以上の水槽であれば混泳ができる場合もありますが、種類の組み合わせや個体の性格によりケースバイケースでの判断が必要です。
種によっては45cm以上、60cm以上といった規格水槽の幅よりも大きく成長するものもいますので、飼育の際は将来的な育成計画を立てて臨むようにしてください。
一方で、これだけ大きいとなつく個体も多く、まるでペットのように接することができる場合もあります。これは大型魚ならではの醍醐味と言えるでしょう。
中層に1匹、低層に1匹といった遊泳域のかぶらない組み合わせであれば比較的混泳の成功率は高く、中層にアロワナやダトニオ、低層にポリプテルスという組み合わせはよく見られるパターンです。
このように組み合わせの工夫次第では混泳に成功することもありますが、個体の性格もあるので100%絶対安全な組み合わせはありません。
したがって、一切のトラブルなく終生飼育したい場合、原則的には単独飼育を推奨します。
金魚
最大サイズ:20cm程度
遊泳域:中層
一般的に販売されている6~8cm程度のサイズでは、1匹あたり15L程度確保すると良いでしょう。
金魚は個体によりサイズ差が大きいので、体長1cmにつき2L程度を確保と換算すると良いです。
最終的には20cm以上へと成長する個体もいますが、飼育方法によってはある程度サイズをコントロールすることが可能です。
メダカ
最大サイズ:5cm程度
遊泳域:中層
1匹あたり2L程度確保すると良いでしょう。
元々群れを作る習性があるため、飼育の際はなるべく5匹以上でのまとまった数を入れたほうが良いでしょう。
比較的過密にも強めです。
底生魚の考え方
ここまで紹介した魚種は主に中層を泳ぎ回るものがメインでした。
しかし、一部の魚種では低層を中心に暮らすものもおり、これらの種はここまでで述べた種とは遊泳域が被りません。
全ての種に当てはまるわけではありませんが生活層が異なるため、同じ水槽に入れたとしても中層を泳ぐ魚とはトラブルを起こしにくい組み合わせと言えます。
一方で、水量だけでなく「底面積」がこのグループの魚種にとっては重要です。
床を魚が占める割合が少なくなるので、同じ水量でも底面積が広いほど収容能力の高い水槽ということになります。
水量が同じならハイタイプの水槽は不利、ロータイプの水槽が有利です。
ローチの仲間
最大サイズ:10cm程度
遊泳域:低層
1匹あたり4L程度確保すると良いでしょう。
種によって最大サイズが異なり、砂の中に潜るか否かによっても判断が変わってきます。
クーリーローチやホースフェイスローチなどの、底砂の中に潜り込む種に関しては、砂を厚く敷けばさらに多くの数を導入することが可能です。
(ただし砂に潜ってしまう以上、観賞は難しくなります。)
コリドラスの仲間
最大サイズ:5cm程度
遊泳域:低層
1匹あたり4L程度確保すると良いでしょう。
一部の種を除いて多くの種では体長5cm前後となります。
基本的に底砂上に居着く習性があります。
やや臆病なので、1匹よりも複数匹で飼育したほうが落ち着きます。異なる種類の組み合わせであっても、コリドラス同士であれば群れを作るようです。
比較的過密には強い方ですが、底床の面積が重要です。
例えばハイタイプの水槽では底床の面積が水量に対し少なくなるため、水量よりも床面積を広くとることを心がけると良いでしょう。
プレコの仲間(小型プレコ)
最大サイズ:15cm程度
遊泳域:低層
プレコは種によって最大サイズが大きく異なります。
ここではコケ掃除要員やタンクメイトとして採用しやすい、ブッシープレコやタイガープレコなどの、最大15cm程度の小型種を対象とします。
これらの種に関しては、1匹あたり10L程度確保すると良いでしょう。
水槽壁面にもへばりつきますが、流木があると落ち着きます。
流木の上に複数匹整列することもあり、複数飼育の際はぜひ木肌が滑らかな流木を入れたいところです。
ここまでに記載のないカテゴリ
ここで紹介していない生体やカテゴリは、カテゴリ内でのばらつきが大きいか、または入荷が多くない種類です。それらの魚種に関しては、個別の確認が必要となります。
そのような生体では、最大サイズや性格、習性から必要な水量を割り出して判断していく必要があります。
冒頭に述べた通り、基本的には体長1cmあたり1Lが判断の目安です。
遊泳域ごとの魚の組み合わせ
基本的な考え方として、遊泳層が被る場合は加算、被らない場合は別枠で考えます。
例えば60cm水槽でネオンテトラ30匹にランプアイを30匹追加する場合、どちらも中層を泳ぐので少々過密気味な水槽となってしまうでしょう。
この場合、テトラとランプアイ合計で30匹になるように調節するのが望ましいです。
例えばネオン・テトラ10匹、ランプアイ20匹などにすると無難でしょう。
一方でランプアイの代わりに低層魚、例えばコリドラス15匹との組み合わせはどうでしょうか。
コリドラスは低層魚なので、テトラと主な遊泳域が被りません。
したがって、中層に30匹、低層に15匹入れたとしても、あまり問題にはなりません。
たくさんの魚を入れたい場合
遊泳層がかぶらなくとも魚の数を多く導入する場合、それなりにろ過能力の高いフィルターが必要不可欠です。フィルターのろ過能力が不足している場合、ろ過が追い付かないとアンモニアや亜硝酸が発生し中毒症状を引き起こしたり、水の濁りや悪臭の原因となったりしてしまいます。
数多くの魚を混泳させる場合は、「上部式フィルター」または「外部式フィルター」の採用をオススメします。
生体数が多い水槽では、それだけ残餌や排せつも多くなります。
底床内に汚れもたまりますので、定期的な頻度での水換えも欠かせません。
プロホースなどを用いて、底床内の汚れもしっかり掃除するよう心がけます。
コメント